秋葉原殺傷16年 池田小殺傷23年 犠牲 悼み続け、考え続ける 2024.06.08

2024-06-08 | 死刑/重刑/生命犯

  秋葉原殺傷16年 池田小殺傷23年  犠牲 悼み続け、考え続ける

 中日新聞 2024.06.08 Sat.

 秋葉原殺傷 16年 

 2008年6月に東京・秋葉原の繁華街で7人が死亡、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件は8日、発生から16年となった。現場の交差点では多くの人が行き交う中、「生産な事件を忘れてはいけない」と祈りをささげる人の姿があり、花束や飲み物が供えられた。
 茨城県古河市の男性会社員(45)はあの日、偶然現場に居合わせ、襲撃の様子を目の当たりにした。現場に献花して手を合わせ、「この日はこの場所に来ずにはいられない」と静かに語った。
 救助に当たった愛知県豊明市の西村博章さん(36)は手の中で冷たくなっていく血の感覚などが忘れられず、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱えた。通院を続けるがこの日は体の震えを抑えながら毎年現場を訪れる。「亡くなった方の苦しみが少しでも和らいでほしい」と語った。

 加藤智大元死刑囚のかつての同僚で友人の会社員大友秀逸さん(47)=東京都足立区=も手を合わせた。毎年現場に足を運んでいるが「年々供えられる花が減ってきている」と風化を感じる。
 事件は08年6月8日午後0時半ごろに発生。当時25歳の元死刑囚がトラックで歩行者天国に突っ込み、通行人をはねた後、近くの買い物客らをダガーナイフで襲撃した。
 元死刑囚は殺人罪などで起訴され、15年に最高裁で刑が確定。22年に執行された。

 池田小殺傷 23年 

 大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)で2001年に起きた校内児童殺傷事件から8日で23年となった。犠牲になった児童8人を追悼する「祈りと誓いの集い」が同小開かれ、参列者で事件当時も勤務していた真田巧校長は事件の風化を懸念しているとして「学校が安全で安心して学べる場所であるよう努力を続ける」と誓った。
 集いには児童や遺族ら約770人が参列。事件発生時刻の午前10時10分過ぎ、8人の氏名が刻まれた「祈りと誓いの塔」の鐘を児童3人が鳴らし、参列者らが約1分間黙とうした。
 真田校長は「残念ながら児童が襲われる事件や事故は後を絶たない。この日を学校安全について考える機会にして、学校安全の体制改善に努めていただきたい」と強調。児童代表の6年男児は「『守られる側』から『守る側』になりたい。命の大切さを伝えていく」と決意した。
 この日は、命を守る行動を学ぼうと09年に始まった「安全科」の授業も実施。6年生は「安全を発信するということ」をテーマに、事件のことを誰かに伝える意味などについて学んだ。

 事件は01年6月8日発生。校舎に浸入した宅間守元死刑囚=当時(37)=が包丁で児童らを襲い1、2年の男女8人が死亡、教員含む15人が重軽傷を負った。国は02年、学校に不審者が侵入した際の対応などをまとめた危機管理マニュアルを作成。09年施行の学校保健安全法で全学校にマニュアル策定を義務付けた。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)


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