新日鉄、今下期の粗鋼減産幅を200―220万トンに拡大

2008-11-25 | 社会
2008年11月25日
 [東京 25日 ロイター] 新日本製鉄<5401.T>の宗岡正二社長は25日の日本鉄鋼連盟の会見で、新日鉄の2009年3月期下期の粗鋼減産幅を従来計画の100万トンから200―220万トンに拡大する方針を明らかにした。
 宗岡社長は「金融危機は実体経済に影響を及ぼし始めている」と懸念を表明。需要の動向や増加傾向にある在庫を踏まえ「当然、(粗鋼)生産は減少する」とし、今下期の減産幅を08年4―9月期決算時に打ち出していた100万トンから200―220万トンへ拡大する。
 200万トン強の減産幅は、現時点で見た来年3月末までの需要サイドの活動水準と輸出市場を勘案した数字と説明。「今想定している需要環境がさらに悪化すれば、減産を強化する必要がある」と述べた。
 2009年度については「良く分からない」としながらも「今の状況が速やかに改善され、回復していくとは考えづらい。来年度も似たような生産量になるのではないか」と語った。
 設備投資計画の中でも、体質改善やコストダウン、高品質化への投資は計画通り実施する一方、能力増強投資に関しては「検証しながら決めていく。立ち止まって、もう一度良く考える」とした。ただ、今回の混乱が収まれば、BRICsや東アジアでの鉄鋼需要は復活するとの見方を変えておらず、2―3年後を見据えた能力投資をどう考えるかの議論が必要だと述べた。
 宗岡社長は、会見終了後記者団に対し、高炉の休止について「まだ、そんなことは考えていない」と否定した。(ロイター日本語ニュース 清水 律子記者)

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