2015.4.16 05:04更新
【産経抄】へんな判決 4月16日
米ロサンゼルスの交差点で、6人家族が乗った車に飲酒運転の車が突っ込み、子供3人が重傷を負った。両親は相手の運転手ではなく、「頑丈に造らなかった」と、自分の車の製造会社を訴えた。
▼判決は1300億円の賠償命令である。47年間たばこを吸い続けて肺がんになったカリフォルニア在住の男性は、たばこ会社を訴えて、31億円を勝ち取った(『へんな判決』のり・たまみ著)。
▼福井地裁が14日に下した決定も、相当「へん」である。関西電力の高浜原発3、4号機に対し、福井、大阪などの住民9人が求めた運転差し止めの仮処分を認めた。決定は、原発に事故が「万が一にも起きない」規制を求めている。この世にゼロリスクの安全など存在するだろうか。
▼原子力規制委員会の新しい規制基準を、「合理性を欠く」と切り捨てただけではない。福島第1原発事故の教訓をもとに積み上げられてきた、科学的議論そのものを否定するものだ。原子力工学の専門家が言うところの「司法の暴走」によって、今秋の再稼働の可能性は遠のいてしまった。
▼福井地裁の同じ裁判長は昨年5月にも、大飯原発の運転差し止めを命じる判決を下している。両方の判断で根拠にしたのは、憲法13条などが保障している「人格権」だった。再稼働がもたらす、経済の活性化を期待していた地元の人たちの間では、失望感が広がっている。関西の中小企業にとっては、電気料金の値上げは死活問題だ。温暖化ガス排出問題の影響を受ける人の数は、はかりしれない。
▼裁判長にとって、彼らの人格権は、考慮の外にあるらしい。数日前、コラムで話題にした言葉がもう一度使えそうだ。脱原発の政治的信条に基づいた、「確信犯」的な判断である。
◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します *強調(太字・着色)は来栖
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〈来栖の独白 2015/4/16 〉
まったく、この裁判長に掛かれば「墜ちる不安が除去されない」との理由で、飛行機1機すら飛ばせなくなってしまう。確信犯が裁判長をやってはいけない。この4月、名古屋家裁へ左遷されたという・・・。
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関連; 福井地裁 関西電力高浜原発3、4号機:再稼働差し止め決定 樋口英明裁判長、どんな人
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2015.4.9 05:04更新
【産経抄】粛々の正しい意味 4月9日
言葉については、日々勉強させられる。おととい、朝日新聞の読者投稿に目を通していたときもそうだ。日本語の乱れの例として、「確信犯」が挙げられていた。
▼悪いこととはわかっていながらなされる行為、あるいはその人という意味で、普段使われる。本来は、「宗教的、政治的確信に基づいて行われる犯罪」を指すそうだ。つまり、世界のあちこちで人々を恐怖のどん底に陥れているテロも含まれる。教えてくれたのは、14歳の中学生だった。
▼頼山陽(らいさんよう)の「鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく)」からきている「粛々」もまた、「誤用」がまかり通ってきた。川中島の戦いで大軍が、夜陰にまぎれて静かに川を渡るさまを、ただ鞭(むち)の音が聞こえるだけと、詠んだものだ。
▼司馬遼太郎さんによると、この古風な言葉を復活させたのは、竹下登元首相だった。批判を恐れずやるべき仕事を成し遂げていく、という意味で、政治家が好んで使うようになって久しい。しかし、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は、米軍普天間飛行場の辺野古移設について、この言葉を今後は封印するという。翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事から、「上から目線」と激しく非難されたからだ。
▼その翁長氏が、河野洋平元衆院議長とともに、中国を訪問する。河野氏は、「今は保守政治というより、右翼政治のような気がする」と安倍政権を批判している。かねて日本に「右傾化」のレッテルを貼ってきた、中国の主張に沿うものだ。基地問題で政府への対決姿勢を強める翁長氏とのコンビは、中国の習近平国家主席の目には、「ネギをしょったカモ」に映るはずだ。
▼「粛々」には、「つつしむさま」との意味もある。大歓迎を受けるであろうお二人には、国益に反することなく、粛々とした行動をぜひお願いしたい。
◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します *強調(太字・着色)は来栖
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◇ 【大飯差し止め命令】官房長官、再稼働方針「変わらず」 / 今後もこんな小児的な裁判官が…〈来栖の独白〉 2014-05-22 | 政治/原発
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