監察医だった上野正彦さんは、小さな体の前で黙祷した…【産経抄】2016/11/17

2016-11-18 | 死刑/重刑/生命犯

産経ニュース2016.11.17 05:03更新
【産経抄】監察医だった上野正彦さんは、小さな体の前で黙祷した… 11月17日
 監察医の仕事は、検死や遺体の解剖だけではない。2万体以上を検死してきた上野正彦さんは、遺体の捜索に協力したことがある。昭和48年7月、ある大学の女子大学院生が、同じ大学の助教授に殺害された。助教授は遺体を隠したまま、妻子を道連れに一家心中してしまう。
 ▼上野さんは途方にくれた捜査員に、土質の検査に使われる「検土杖(けんどじょう)」の使用をアドバイスした。長さ約1メートルのパイプを土の中に差しては抜き、土のにおいをかぐ。捜査員は約1カ月、殺害現場とみられる地域一帯で同じ作業を繰り返し、ついに遺体を捜し当てた(『監察医の祈り』ポプラ文庫)。
 ▼東京都目黒区の女性会社員(24)が行方不明になった事件では、元交際相手の男(50)が、殺人容疑で再逮捕された。女性の遺体は、自宅マンションの浴室で解体され、川や排水溝に捨てられたとみられている。
 ▼凍えるような川の中と悪臭が立ちこめる下水道の両方で、今も捜索が続いている。きのうの小紙は、汚泥の中から小さな肉片が見つかった、と伝えていた。女性の無念を少しでも晴らしたい。その一念で過酷な業務をこなす捜査員には、ただただ頭が下がる。
 ▼大阪府南東部の山中では、布に包まれた幼児とみられる遺体が発見された。堺市で所在不明となっていた、4歳の男児の可能性が高い。傷害致死容疑で再逮捕されている父親(35)は、遺体を遺棄した場所についてこれまで嘘を重ね、捜査員を振り回してきた。父親は、「私の暴力」によって、男児が死亡したと認めている。
 ▼上野さんは、子供の検死と聞くたびに、現場に向かう足取りが重くなった。虐待の跡を見つけると、痛みとつらさに耐えてきた小さな体の前で黙祷(もくとう)し、涙をぬぐわずにはいられなかったという。

産経WEST 2016.11.16 22:21更新
【堺男児不明】発見の遺体、死後1年の3~5歳男児 梶本卓容疑者の供述とほぼ一致か
 堺市北区の住民登録上は4歳の梶本樹(たつ)李(き)ちゃんが所在不明となり、大阪府千早赤阪村の山中から幼児とみられる遺体が見つかった事件で、父親の鉄筋工、卓容疑者(35)=傷害致死容疑で再逮捕=の供述に基づき発見された遺体が、司法解剖の結果、3~5歳の男児と判明した。死因は分からないという。
 大阪府警によると、遺体は身長約1メートルで3~5歳の男児とみられる。全身の腐敗が進んでおり、死後約1年が経過しているとみられる。卓容疑者が供述した樹季ちゃんの死亡時期は昨年12月ごろで、発見遺体の司法解剖で判明した死亡時期とほぼ一致。年齢の範囲も矛盾がない。府警は今後さらにDNA型鑑定などで遺体が樹李ちゃんかどうか調べる。
 捜査関係者によると、卓容疑者は「遺体をくるんだ布団をポリ袋で包み、車に乗せて運んだ」と供述。同村と奈良県御(ご)所(せ)市との境にある水(みず)越(こし)峠の手前で道路脇に車を止め、「袋や布団から遺体を取り出して川辺に埋めた。(腐敗による)においや遺体の体液が手に付かないようにするため、ゴム手袋をしていた」と説明しているという。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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