猛暑 熱中症で死亡 名古屋刑務所でも 40代男性受刑者 2018.7.25

2018-07-25 | 社会

中日新聞 2018年7月25日 夕刊
熱中症で40代男性受刑者死亡 名古屋刑務所、冷房なし
 写真;男性受刑者が熱中症で死亡した名古屋刑務所=25日午後、愛知県みよし市で(榎戸直紀撮影)
 愛知県みよし市の名古屋刑務所で二十四日、熱中症で四十代の男性受刑者が死亡していたことが、刑務所などへの取材で分かった。受刑者の居室に冷房はないが、廊下に置いた扇風機で風を送るなどしていたという。
 刑務所などによると、男性受刑者は四階建て建物の四階にある単独室にいた。巡回中の職員が二十四日午前五時半すぎ、この受刑者が嘔吐(おうと)した状態で布団に横たわっているのを見つけた。呼び掛けたが応答はなく、搬送先の病院で死亡が確認された。外傷や目立った持病はなく、病院は、死因を熱中症と判断したという。
 二十四日午前五時二十分ごろの巡回では、この受刑者は嘔吐していなかった。刑務所側が同六時四十分ごろに居室近くで気温を測ると三四度だった。
 刑務所側は暑さ対策として、扇風機による送風のほかに、スポーツドリンクを毎日一回は飲ませたり、冷菓を与えたりしていたという。四階は他の階より気温が一~二度高かったため、受刑者の死亡後、四階の使用をやめた。スポーツドリンクの飲用を一日複数回に増やし、高齢受刑者には経口補水液で水分補給をするなど、対策を強化する。
 刑務所担当者は取材に「さまざまな対策をとっていたが、刑務所内はどこも暑さが厳しい。(受刑者には)調子が悪ければ早めに言うよう伝えてある」と話した。
 名古屋矯正管区によると管内六県(愛知、岐阜、三重、福井、富山、石川)にある刑務所や拘置所で、熱中症の疑いで受刑者が病院搬送されたとの報告はほかにない。
 名古屋刑務所には現在、千六百人余が収容されている。みよし市に隣接する豊田市の二十三日の最高気温は三九・六度、最低は二四・九度だった。
 大阪刑務所でも二〇〇七年八月、収容中の三十代男性が熱中症の疑いで死亡する事例があった。
*続く猛暑 警戒
 日本列島は二十五日も高気圧に覆われ、山口市で三八・四度を観測するなど西日本を中心に気温が上がった。西日本豪雨の被災者は疲れがたまり、環境の変化で熱中症のリスクが高まっており、気象庁は体調管理や小まめな水分補給などを呼び掛けている。
 北日本や北陸も高気圧に覆われており、熱中症に注意が必要だ。関東甲信には東から湿った空気が入り込み、雲が広がっている。午後には雨や雷雨に見舞われる地域もありそうだ。
 東海地方でも各地で厳しい暑さが続き、猛暑日となった。午後一時までに岐阜市で三六・六度を観測。名古屋市で三六・五度、三重県伊賀市で三五・三度となった。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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