「希望ない刑より潔く死」 保岡法相、終身刑に反対
保岡興治法相は2日の初閣議後の記者会見で、超党派の議員連盟が創設を提案する仮釈放のない終身刑について「希望のない、真っ暗なトンネルを歩いていくような刑はあり得ない。日本は恥の文化を基礎とし、潔く死をもって償うことを多くの国民が支持している。(終身刑は)残酷で日本の文化になじまない」として、反対の意向を表明した。
前任の鳩山邦夫氏も5月23日の衆院法務委員会で「終身刑はゆっくり死刑を執行するような形になって人格が破壊されていく可能性があり、死刑よりも残酷という意見がある」と否定的な見解を示す一方、終身刑をめぐる議論は「大いに結構」と述べていた。
終身刑を提案している議員連盟は「量刑制度を考える超党派の会」(会長・加藤紘一元自民党幹事長)。
死刑と仮釈放のある無期懲役との間には大きな格差がある上、来年から始まる裁判員制度で市民が判断するのは困難などとして、次期臨時国会への法案提出を目指している。2008/08/02 16:33 【共同通信】
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終身刑創設に否定的=成人年齢下げは政治判断で-保岡法相
(時事通信社 - 08月02日 17:01)
保岡興治法相は2日午後、初閣議後の記者会見で、終身刑創設について「世界的に一般的な制度ではない。日本は、恥の文化を基礎として、死をもって償うことを多くの国民が支持している。終身刑みたいな残酷な刑は日本の文化になじまない」と否定的な考えを示した。
また、法制審議会(法相の諮問機関)で検討している成人年齢の引き下げに関し、「すぐれて政治判断という要素もある。総合的に判断すべきもので、法制審だけで短絡的に最終的な結論は出せない。(法制審は)政府全体の結論を出すための参考資料として優秀なものを出す」と述べた。保岡氏は憲法改正の投票年齢を18歳以上とした国民投票法の提案者。
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保岡興治法相は2日の初閣議後の記者会見で終身刑の創設について、「希望のない残酷な刑は日本の文化になじまない」と否定的な考えを示した。
法相は「真っ暗なトンネルをただ歩いていけというような刑はあり得ない。世界的に一般的でない」と述べた上で、「日本は恥の文化を基礎として、潔く死をもって償うことを多くの国民が支持している」と死刑制度維持の理由を述べた。
終身刑を巡っては、超党派の国会議員でつくる「量刑制度を考える超党派の会」が5月、死刑と無期懲役刑のギャップを埋める刑として導入を目指すことを確認している。
保岡法相は00年7~12月の第2次森内閣でも法相を務め、在任中の死刑執行は3人だった。【石川淳一】(毎日新聞 - 08月02日 19:31)
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〈来栖のつぶやき〉
>保岡法相は00年7~12月の第2次森内閣でも法相を務め、在任中の死刑執行は3人だった。 http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/26c1bdffd8d0d4714ffcb84275d006aa
裁判官を経て(弁護士資格を有し)、国会議員となり、人権擁護を主務とする行政のトップに返り咲いた保岡興治氏。その輝かしい法曹が「恥の文化を基礎として、潔く死をもって償うこと」を言う。
憲法一三条は「個人の尊厳」を規定し、「生命に関する権利」については「立法その他の国政上で、最大の尊重を必要とする」旨、特に明言している。
生命は何ものにも優先して擁護されねばならず、人は人として尊重され、遇されねばならない。「恥」を雪ぐための死刑が正義だろうか。また、後ろ手錠で縊られる姿が潔いだろうか。これは「文化」だろうか。
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/843dd0ff6ad8836bf75d1289b0a2659d
その中に、絶対的、相対的があります。
日本の無期懲役は相対的無期懲役ですが、近年絶対的化しております。法相の言葉を借りれば現状はすでに日本文化になじまぬ状況になっています。
死刑は日本文化か? 違います。
日本は、平安期に300年あまり死刑を停止していた歴史を持っています。また、中国から律令制度を採り入れた時も、刑罰は中国より一、二段軽くしております。
法相の発言は、死刑制度、重罰主義を維持するための恣意的な発言であることが明らかです。
「死をもって償う」は自発的な心情のことだろうと思います。「死をもって償え」や「死をもって償わされる」とは別物であろうと思います。
個人的には「死をもって償う」でさえ「逃げ」としか思えませんが・・・。現在の自殺者3万人越えもこういった背景があるのかもしれません。