元稲沢市議、無期確定か 中国覚醒剤密輸 二審開かぬまま
2020年5月15日 東京新聞 夕刊
【上海=白山泉】覚醒剤を中国から日本に運ぼうとしたとして麻薬密輸罪に問われ、中国の裁判所で無期懲役の判決を受け、上訴した愛知県稲沢市の元市議、桜木琢磨被告(76)の二審について、上級裁判所が公判を開かないまま判決を確定させる動きが出ていることが関係者の話で分かった。
桜木被告は昨年十一月、無期懲役の判決を受け、それを不服として同十八日に上訴した。中国の刑法では、上訴から二カ月以内に公判を開くと定めるが、二審を担当する広東省高級人民法院は開廷期限を既に二度延期、公判が開かれる見通しは立っていない。
関係者によると、今月二十一日に次の期限を迎えるのを前に、裁判所側から弁護人に対して弁護意見の提出を求めているという。弁護意見は一般的に公判後に提出を求められるもので、関係者は「裁判所は二審の公判を開かないまま判決を出す可能性がある」と指摘。中国は二審制を採用しており、公判が開かれず判決が出れば、そのまま判決が確定することになる。
◎上記事は[東京新聞]からの転載・引用です