「原発城下町」 中電 浜岡原発が立地する御前崎市長に現職石原茂雄氏

2012-04-16 | 政治

御前崎市長に現職3選 
中日新聞 2012年4月15日 23時24分
 政府の要請で停止している中部電力浜岡原発が立地する静岡県御前崎市の市長選は15日投票、即日開票の結果、無所属の現職石原茂雄氏(64)が、元市議水野克尚氏(58)、観光業村松晴久氏(60)=共産推薦=のいずれも無所属新人の2人を破り3選を果たした。
 投票率は76・69%で、2004年を7・37ポイント下回った。08年は無投票だった。
 任期満了に伴う選挙で、将来的な浜岡原発の再稼働の是非が争点。石原氏は「市民の意見を聞き、過ちのない方向を見いだす」として、国による安全性確認だけでは再稼働を認めない姿勢を強調していた。(共同)
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市民意向重視の現職3選=浜岡原発再稼働が争点―御前崎市長選
2012年4月16日0:06 JST
 任期満了に伴う静岡県御前崎市長選は15日投開票され、無所属で現職の石原茂雄氏(64)が、元市議の水野克尚氏(58)と観光業の村松晴久氏(60)=共産推薦=の無所属新人2氏を破り、3選を果たした。今回の市長選は、市内にあり現在運転停止中の中部電力浜岡原発をめぐる再稼働の是非が最大の争点となり、石原氏は市民の意向を重視する考えを示していた。投票率は76.69%だった。
 中部電は、東日本大震災による東京電力福島第1原発事故を受けて、海抜18メートルの防波壁建設など津波対策工事を行っている。しかし、内閣府の有識者検討会は3月末、南海トラフで巨大地震が発生した場合、同原発付近では防波壁を越える最大21メートルの津波が発生するとの試算結果を公表した。
 石原氏は、再稼働問題について「市民と意見交換して方向性を出す」と述べるとともに、2期8年の実績や災害に強いまちづくりを主張した。これに対し、水野氏は「再稼働には同意しない」と表明。村松氏は「原発の廃炉、永久停止を」と再稼働反対の姿勢を示し支持を訴えたが、及ばなかった。[時事通信社]
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浜岡原発 御前崎市民に問う 「廃炉」「しばらく停止」51%
中日新聞2012年4月16日 朝刊
 中部電力浜岡原発を将来再稼働させるか、その是非が最大の争点となった静岡県御前崎市長選。本紙が投票を終えた有権者七百五人に聞いた出口調査で、浜岡原発の早期再稼働に慎重な意見が半数以上を占めた。
  浜岡原発は今後どうするか尋ねたところ、「永久停止・廃炉にする」が28・8%、「しばらく停止を継続する」が23・0%で、両方合わせて全体の51・8%。「安全対策をしたら再稼働する」は35・0%にとどまった。
  再稼働の判断はだれが最終判断するのかでは、「国」が25・4%なのに対し、「住民投票を実施して決める」が24・7%、「御前崎市と周辺三市」が18・7%、「御前崎市」が15・6%で立地自治体の意向を反映させるべきだとする意見が根強かった。「静岡県」は5・2%だった。
  一方、市長に最も期待する政策では「浜岡の永久停止」(15・2%)「浜岡の再稼働」(9・8%)「新エネルギー創出事業」(6・7%)と、原発やエネルギーに関連する政策が全体の三割以上を占めた。
  東日本大震災や告示前に内閣府の有識者会議が南海トラフによる大地震の津波を最大二一メートルに上方修正したことなどを反映し、「地震・津波対策の強化」も15・8%と、関心が高かった。
  投票で最も重視したことでは「浜岡原発への姿勢」が28・2%で最も多く、選挙戦で原発の再稼働問題が争点になっていたことが裏づけられた。
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関連:【浜岡原発 再稼動】争点に 御前崎市長選 「原発城下町」 地震と津波で福島と同様の危険 2012-04-08 | 地震/原発/政治 
 浜岡再稼動 争点に 「御前崎市長選 きょう告示」
  中日新聞 朝刊 《核心》 2012/4/8 Sun.
 中部電力浜岡原発が立地する静岡県御前崎市の市長選が8日告示される。福島第1原発事故後に迎える市長選は告示直前、巨大地震で想定される津波の高さが最大21㍍と大幅に上方修正されたことから、原発が争点に急浮上。関西電力大飯原発3、4号機をめぐる再稼働の是非が大詰めを迎えるなか、選挙結果に全国の注目が集まっている。〈社会部・鈴木龍司〉
揺れる「原発城下町」
■特需
 御前崎の海岸沿いを走る国道150号。トラックや建設作業員を乗せたマイクロバスが浜岡原発をひっきりなしに往復する。市内のビジネスホテルは、どこも満室状態。中心部の飲み屋街も連日、大勢の酔客でにぎわい、市商工会の担当者は「地元にいろいろな面で金が落ち、経済が活気づく」と話す。
 東海地震の震源域に立つ浜岡原発は福島第1原発事故後の昨年5月、当時の菅直人首相の要請で全面停止した。中部電力は昨年11月に津波対策として、敷地内に海抜18㍍の巨大な防潮堤建設に着手。年内の完成を目指して、一日平均800人近い作業員が働き、堤防の工事が本格化する春以降は1000人に膨らむ見通しだ。
 (略)皮肉にも停止が生んだ特需に街は沸く。
■変化
 浜岡1号機が運転を開始したのは1976年。以来、旧浜岡町の時代を含め街は原発とともに発展した。
 1~5号機の建設で、市が国と県から受けた原発交付金は計400億円。人口3万6千人のうち、1500人が中部電力や関連会社で働く。典型的な「原発城下町」で、過去の市長選でも原発が目立った争点になることはなかった。
新たな津波高予測 衝撃
 ところが、今回は福島事故の後。風向きが変わりつつあるところへ、内閣府の有識者会議が先月31日に公表した「南海トラフ」の巨大地震予測の見通しが追い打ちをかけた。
 浜岡周辺の津波想定は従来の高さ7・1㍍から21㍍に大きく引き上げられた。最大級の津波なら、中部電力が浜岡再稼働に向けて建設中の防潮堤を乗りこえる。
■関心
 選挙戦は今のところ、3選を目指す現職(64)に新人2人が挑む構図だ。新人では、元市議(57)が「任期中の運転再開は認めない」、共産推薦候補(60)が「廃炉にする」と、いずれも浜岡の再稼働に否定的。これに対し、現職は「国の福島事故の検証が終わったら、市民の意見を聞いて検討したい」と慎重姿勢を崩さない。
 新人陣営の幹部は「福島事故後『原発は危険』という声なき声が表面化している。有権者の関心は高い」と手応えを口にするが、それがどの程度、票につながるかは懐疑的な見方も根強い。
 浜岡が停止して1年近く、市は昨年6月、6号機の建設計画が不透明となり、あてにしていた7億2500万円の交付金を当初予算から外して減額補正するなど原発依存の財政が改めて浮き彫りになった。
 防潮堤の特需も長続きはしない。市内の金属加工会社に勤める伊藤伝蔵さんは(62)は「浜岡停止は、市民がこれからを考えるいい機会になった。原発の是非だけでなく、その後の街の将来も示してほしい」と注文する。
 投開票は15日。政府が大飯3、4号機の再稼働を判断する時期と重なり、選挙結果はその行方を左右する。
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仙谷氏表舞台に 「他の原発も再稼働目指す」「拙速ではない」/ 橋下旋風、兵庫でも勢い 2012-04-15 | 地震/原発/政治
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再稼働は危なすぎる 浜岡原発&伊方原発 ~南海トラフ地震が襲う/広瀬隆氏 『原子炉時限爆弾』 2012-04-14 | 地震/原発/政治 
 徹底追及!南海トラフ地震が襲う浜岡原発(中部電力)&伊方原発(四国電力)「再稼働は危なすぎる!」
現代ビジネス「経済の死角」2012年04月14日(土)フライデー
 浜岡には建設中の防波壁の高さを上回る「21mの津波」が襲う可能性が! 一方の伊方も「最大震度6強」を想定せず、過去に起きた地震データのみでストレステストを行っている
 M9.1という驚異的な数字が想定されている、南海トラフ地震。3月31日に内閣府から各地の想定震度、津波高が公表された中で、俄然注目を集めたのが、中部電力・浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)だ。福島第一原発を上回る、震度7の地震と最大21mの津波が襲う可能性が明らかにされたからだ。
 内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」(座長・阿部勝征東京大学名誉教授)の委員である東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター教授・今村文彦氏が説明する。
「従来、南海トラフでは1707年の宝永地震を参考に、東海、東南海、南海の震源域が3連動する地震を考えてきました。今回はそれに加えて、九州沖の日向灘を含めた4連動、南海の海溝を含めた5連動まで視野に入れた。さらに、プレートが断層として滑って地震や津波を起こすのですが、断層の浅いところでも大きく滑る可能性があると仮定した(図表 「地震時に動く断層の想定領域」として示したエリアが、大きく滑る可能性がある地域)。両方の効果によって、津波の規模が大きくなったのです」

                                    

 茨城県から鹿児島県に至る太平洋沿岸各地の23市町村で、20m以上の津波が押し寄せる可能性が指摘された。各自治体は早急に対策を立てる必要に迫られることになったが、中でも深刻な危機に直面しているのが浜岡原発なのである。
 浜岡原発は、昨年5月の時点で、津波への対策の不十分さから当時の菅直人首相の要請を受けて4、5号機が運転を停止。3号機は定期検査中で、1、2号機は老朽化による廃炉準備中のため、すべての原子炉が停止している。
 中電は、それまで、浜岡原発における最大震度を6強と想定。津波の想定水位を最大で約8mとし、既存の高さ10~15mの砂丘堤防で十分としていた。が、福島第一原発の津波の高さが15mだったことから、新たな津波対策として、鋼材と鉄筋コンクリートなどを使った、防波壁(高さ18m、幅2m、総延長約1.6㎞)の工事を昨年11月に始めた。しかし、今回の想定は、その18mを3mも上回った。津波対策を抜本的に修正しなくてはならないのだ。
 そもそも浜岡原発は、構造上の致命的な欠陥を抱えている。『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)などの著書を持つ、作家・広瀬隆はこう指摘する。

                 

「冷却用の海水を地下の取水トンネルを通じて引き込み、取水槽に蓄えています。しかし、このトンネル自体が、今回想定された震度7の揺れが来たら崩壊する危険性があるのです。海水が引けなくなれば、取水槽に蓄えてある水で冷却するしかない。ですが、それも20分程度しかもたないのです。冷却が不可能になれば、福島第一原発と同様に炉心溶融に陥るのは防げません」
 浜岡原発の抱える問題点はこれだけではない。中電は3月30日、浜岡原発の定期検査で、5号機の復水貯蔵タンクに40個の穴が見つかったことを発表した。このタンクは、原発の運転中に原子炉冷却のための水を一時貯める設備で、タンク内の水はわずかな放射性物質を含んでいる。昨年5月に運転を停止した際、復水器内に海水約400tが流れ込むトラブルが発生。中電は、その海水によって腐食し、穴ができたのではないかと見ている。放射性物質の漏洩はないというが、津波対策以前の問題があるのではないか。福島第一原発の設計者であり、原子力安全・保安院の専門家会議のメンバーとして、関西電力・大飯原発3、4号機(福井県おおい町)のストレステスト(耐性評価)に参加した後藤政志氏が批判する。
「普通に考えて、1年も経たないのに腐食して穴が空くのかという疑問がある。昨年5月以前から腐食していたと考えるのが妥当でしょう。つまり、きちんとチェックされていなかったわけです。福島の事故が起こってはじめて、しっかり検査して分かったということではないでしょうか。原発の管理なんて、この程度だということです」
 いくら巨大な防波壁を作っても、管理体制がしっかりしていないのでは、まさに砂上の楼閣である。中電は再稼働に向けて、防波壁の工事の12月の完成を予定している。今回の最大21mの津波高の想定を受けて、中電はどのような浸水対策を考えているのか。広報担当に疑問をぶつけると、こう回答した。
「現在行っている18mの防波壁などの浸水対策はもう着工しているので、予定通り進めることになると思います。新たな対策を講じるとしても、この浸水対策とは別の工事になると思います」
 今回の南海トラフ地震にともなう津波の想定値が変更されても、とりあえずは旧来の対応を進めるというのである。
■頼りにならない耐震設計
 危うさを抱えているのは浜岡原発だけではない。四国電力・伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)は、不十分なストレステストのまま再稼働へと舵を切っている。
 3月26日、保安院は伊方原発3号機のストレステストの一次評価を「妥当」とする審査書をまとめ、内閣府の原子力安全委員会に報告した。最終的には野田首相を含めた4閣僚が再稼働の是非を判断するが、再稼働に向けて大きく動き出したのだ。
 だが、このストレステストが安全性をまったく担保できていない。
「ストレステストには一次評価と二次評価があります。一次評価は『炉心溶融まで』の耐久テストであり、二次評価は『炉心溶融以降』のテストなのです。福島第一原発の事故を踏まえてテストするのであれば、当然炉心溶融が起こった後、原発がどうなるかという二次評価を行わなくてはならない。だが、提出されたのは一次評価のみ。それで再稼働を妥当と判断しているのです」(前出・後藤氏)
 橋下徹大阪市長(42)がストップをかけて話題になった、大飯原発3、4号機の再稼働問題でも、伊方原発同様にストレステストは一次評価のみで「妥当」と判断され、最も再稼働が早いと見られていた。
「ところが4月3日になって、野田首相は大飯原発の再稼働に関して、新基準を作るよう関係閣僚との会合で指示を出しました。大阪府だけではなく、京都府や滋賀県など近隣府県の反発が非常に強かったため、再稼働の判断が先送りされることになったのです」(全国紙原発記者)
 伊方原発は今回の南海トラフ地震の想定では、震度6強の地震と最大3mの津波に襲われる可能性を指摘された。
昨年5月14日に発電設備全5機を停止した、浜岡原発。海抜は、福島第一原発の10mを下回る、わずか6mだ
 四電はこれまで、伊方原発における最大震度を5強、最大マグニチュードを8.6、最大加速度を570ガルと想定してきた。なおかつ、'01年の芸予地震(M6.7)の際の48ガル(3号機への負荷)が過去最大ということを根拠に、原発の耐震性に問題はないとしてきた。だが、今回の想定では、それを上回る6強という数値が出されたのだ。後藤氏が語る。
「過去にどのレベルの地震が起きたかということを基準にするのではなく、起こりうる最大の規模を想定すべきです。東日本大震災が起こるまで、日本でM9クラスの地震が起こるなんて考えられていませんでした。'07年の新潟県中越沖地震(M6.8)では、柏崎羽原発には2058ガルの負荷がかかりました。伊方原発付近で過去に発生していないからといって、そうした規模の災害に襲われる可能性がないとは言えない。伊方や浜岡(1000ガル)の耐震設計では太刀打ちできません」
 大飯原発はもちろん、安全性がまったく担保されていない両原発の再稼働も、絶対に許されてはならない。
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一番心配なのは巨大海底断層の上に立つ浜岡原発 / 直下型東海地震、その時期が近づいている2011-04-01 | 地震/原発
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東海地震予想震源地の真上に建つ「最も危険」とされる浜岡原発 中部電力は地盤は硬いと言うが 2011-04-08 | 地震/原発
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