〈来栖の独白〉地裁 裁判長としては、「棄却」しかなかったろう。法務省が既に執行済みの事件裁判、そのやり直しなど、当局に楯突くことになり、とてもとても地裁の裁判官レベルで英断できることではない。対法務省だけではない。上級、最上級裁判所の判断に逆らうところであり、地裁の裁判官殿には命取り。一生帰ってこられない地方の下級裁判所、簡易裁判所、家裁あたりに飛ばされるのがオチだ。司法官僚としての出世を諦めねばならない。そんな犠牲は払えないだろう。本件は2006年9月、上告棄却。2008年10月、刑執行。確定からわずか2年での刑の執行は、異様だ。こんなに慌ててやって(死刑執行して)仕舞わなくてはならなかった、ということだ。再審請求が出される前にやってしまわなければならなかった、ということだろう。 . . . 本文を読む