てんぱっていきまっしょい。

国内旅行をこよなく愛する人間の日記です。でも最近は出かけてないよねぇ。(現在コメントは事前承認制にしています。)

准教授・高槻彰良の推察 1話(その2)

2021年10月08日 | 准教授・高槻彰良の推察(ドラマ)

尚哉の部屋

スマホが鳴り続ける音で起こされた尚哉(青和大学文学部の新入生)神宮寺 勇太 
母 - 小林さやか からの電話のようだ。
寝起きの声で電話をとる。
母:尚哉、一人暮らしでもちゃんとやってる?
尚哉:ちゃんとやってるよ。
母:お母さん、尚哉がいないと寂しくて。

朝からこんなことで目を覚ますなんて、高槻の研究室を目指す足取りも重くなりそうだ。
ドアの横にある小窓を覗き込みながら、研究室のドアを恐る恐る開ける尚哉。
すると、まるで事件現場のように書類や本が散らかった床に、被害者かのような恰好で女性が横たわっている。
救急車を呼ぶか尚哉が尋ねると、どうやら彼女 
生方瑠衣子(高槻の研究室に所属する大学院生) - 岡田結実 は
床で頭を冷やして気持ちよく寝ていたというのだ。
高槻がいると思ってやってきた尚哉に、生方は新入生への自己紹介をする。

生方:彰良先生ほどじゃないけど私も民俗学の研究をしているから、良かったら内容を話してみて。
若干押しの強さに怯えながら、壁に追い込まれた尚哉は彼女に相談内容を話す。
尚哉:バカみたいって言われるかもしれないですけど、コックリさんのことで・・・。
高槻:コックリさん!!!今、コックリさんって言ったね。

研究室に目を輝かせながら、高槻が入ってきた。
尚哉が、自分は高槻の講義を受けた学生であることを説明しようとすると、高槻は服装からスラスラと尚哉の座っていた席の位置を話し始めた。
生方曰く、彰良先生は、一度見たものは忘れないの。ということらしい。
尚哉は高槻に、昨日公園で 
大河原智樹(第四小学校5年2組の児童) - 千葉新 から聞いた話をする。
尚哉:その小学生は嘘は言ってないんですけど、親は信じてなくて・・・。

素晴らしいっ!否や高槻は椅子から立ち上がり、
コックリさんに会いに行こうっ! ピクニックかヒーローショーでも見物に行くようなテンションで、研究室を出ていく。

第四小学校 校門前

校門の前で、尚哉は高槻に最近の小学校は簡単に中に入れないことを話すと、高槻はそれを分かっているふうで
わざと防犯カメラに映るよう振舞っている。
高槻:これでも常識はわきまえてる。
尚哉:(これでも)・・・はぁ。
名前も聞かずにここまで来たため、高槻がそのことを話すと尚哉は自身の名前を告げる。
高槻の脳裏には、青い提灯の祭りの話が書かれたレポートの名前が浮かんでいた。
校門前で二人の男性が話しているのを見て、副校長の
真鍋和夫(第四小学校の副校長) - 温水洋一 が対応に出てくる。
高槻はここぞとばかり自身の名刺を差し出し、コックリさんが学校に及ぼしている影響(集団ヒステリー)について真鍋に話し、自分の民俗学の研究が役に立てるのではないかと、真鍋に学校立入りの許可を得る。

学校内にて

真鍋の案内で、高槻と尚哉が5年2組の教室にやってくる。道すがら真鍋が二人に状況を説明した。
先週の放課後、女子児童3人 

神倉里帆(第四小学校5年2組の児童) - 米村莉子
石井あかり(第四小学校5年2組の児童) - 船附純白
光村杏奈(第四小学校5年2組の児童) - 木村夏蓮

がコックリさんを行ったという。
このような騒ぎになることを心配した学校側は、コックリさんを禁止していたのだがと真鍋は残念がる。
教室を見回す高槻。教室には担任の平原まりか(第四小学校5年2組の担任) - 志田未来 と コックリさんを行った生徒の一人 神倉 がいた。
高槻は神倉に歩み寄って自己紹介をし、コックリさんには何を聞いたのか尋ねた。
彼女は、成績が上がるかどうかとかを聞いたといい、他の子は何を聞いていたか高槻に聞かれると石井は「ピアノが上手になるか」、光村は「父親に犬を飼ってもらえるか」を聞いていたという。高槻が念を押しても、聞いたのはそれだけといい。その後、勝手に十円玉がグルグル回り「つ」「ち」「な」を指し、そのうちそれが「ち」「な」「つ」になったというのだ。
その時、掃除道具のロッカーの扉が開いた音に驚き、神倉は「お願い、許して。」と言って教室を駆け出ていってしまった。
追いかけようとする平原を制して、真鍋が神倉の対応に出ていく。
平原は高槻に対して、あれから授業に参加できなかったがやっと教室にきた神倉を怖がらせたことを怒る。

高槻:怖がっているのはコックリさんが子供たちを連れて行こうとするからだそうですね。
平原:はい。
高槻:何があったか教えてくれますか?
平原は職員室にいたのだが、子供たちの叫び声を聞いて駆けつけてみると、「コックリさんが帰ってくれなくなった。」と空いた窓の横にあるロッカーにコックリさんが入っていったと 神倉たちは平原に話した。

高槻:神倉さんはあのロッカーをみて「許して」と言いました。そしてその前に話したのは、コックリさんが「ちなつ」と指した話だった。何か心当たりがあるんですか?
平原:「みずぬまちなつちゃん」のことだと思います。この学校では4年から6年までクラス替えがなく、ちなつちゃんは4年生で2組になった3年間一緒に過ごすはずでした。でも、大病をして学校に来られなくなって、そのまま・・・。

素晴らしい。尚哉「え?」、平原「え?」

完璧です。子供たちのであふれる昼間の教室が日常なら、放課後の教室は非日常。故に放課後の教室には怪異が生まれる。コックリさんの暴走からロッカーの怪異に繋がって、その裏付けとして浮かび上がるかつての同級生の霊。
僕もぜひ、別の世界に行ってみたい。

語りかけながら平原の手を取り、自分に引き寄せる高槻・・・。危なさにひいてる、ドン引きしてるよ、尚哉。

あーた、ミュージカルの王子さまですか?

いそいそと自分からロッカーに入り、尚哉に扉を閉めるよう催促する高槻。

高槻がふざけているように思えた平原は、ちなつは死んだわけではなく出席できないまま進級し、療養のため転校したのだと怒りだす。ロッカーから頭にクモの巣をつけたまま身体を出し、悪びれる高槻。私のクラスの児童になんてことを、高槻を責めるような目で見る。
尚哉は高槻の頭についた蜘蛛の巣を取り除きながら、俺なんかが言うのもなんですが、もう少し言動には気を付けた方がいいんじゃないですか?と高槻をたしなめる。
高槻:深町君は優しいね。
尚哉:いや、そういう問題じゃなくてですね・・・。
ロッカーから出てきた高槻は、平原にコックリさんに使用した紙を見せて欲しいと依頼するが、「すぐに燃やしてしまった」と、どうも歯切れが悪い。
教室を出た三人。
平原:子供たちが安心できるよう、よろしくお願いします。こんな事がある前は、このクラスは友達想いのいい子で、一体感があったんです。

どういうことか、尚哉にはその声が歪んで聞こえた。(高槻は、尚哉の表情を見ていた。)

夜:佐々倉古書店で

店主の佐々倉花江 - 和泉ちぬ が営む古書店に、高槻と尚哉が入ってきた。高槻のことを「彰良ちゃん」と呼び親しい女性らしい。ここはレア物の民俗学の研究の古書が揃っていて、研究に役立つと尚哉にアドバイスする。まだ民俗学を専攻するつもりではないことを尚哉が伝えると、高槻は大学では何を勉強したいのかと尋ねる。尚哉は「まだわからないんです、親と離れて一人暮らしがしたかっただけ。」と、曖昧な答えをした。
高槻:そ、僕も一人暮らし。自由でいいよね。
踏み込んだ話をされずに、少し安心する尚哉。花江が、高槻に頼まれてセレクトした古書を持ってくる。コックリさんについての知識を高槻に聞かれた尚哉は、「交霊術の一種だとか、来るのは低級な動物の霊だからあまり良くない・・・程度です。」と答えた。
高槻:よく知ってるじゃないか、コックリさんはこの字を充てられることが多いんだ。(古書に「狐狗狸」と表記されている)字のとおりかつては狐の霊が現れるとされていた。コックリさんは歴史の中でいくつも形を変えてきたけれど、5年2組で行われてきたのは一番有名な、こいつを使ったものだと思う。(古書に挟まれたコックリさんの紙を開いてみせる)
高槻の問いに尚哉がコックリさんをやったことがないと答えると、やってみようか と二階へ上がっていく。
十円玉に手を置いて「子供だましだと思っても、緊張するでしょ?」と言われて、思わず上腕をほぐす尚哉。
高槻は、上腕をほぐす尚哉をみて「正解だ」と伝える。硬貨に手を置いて緊張状態に置かれることで無意識に筋肉が動く「不覚筋動(ふかくきんどう)」が起きると言われており、そのせいで動かしているつもりがなくても硬貨が動く。それに加えて人間の潜在意識が硬貨をある方向に動かすと言われている。例えば質問してみようか。と言い出した。
高槻は、コックリさんに尚哉が大学に来て楽しいと思っているかを尋ねた。
すると、二人の手を載せた十円玉は「はい」の周りをまわりながら「いいえ」を指した。

高槻:やっぱり君は優しいね。深町君は僕の前だから「はい」と答えるべきと思っている。でも「いいえ」と答えた方が正直だとも思う。その迷いが不覚筋動と一緒になって、この十円玉を動かしているんだよ。この潜在意識を「予期意向」と呼ぶ。
ここから僕が考えたことは、神倉さんたちがちなつちゃんになにか強い想いを抱いていたのであれば、十円玉が「ちなつ」と動くことがあり得るということ。
尚哉:強い想いって何ですか。
高槻:例えば、罪悪感・・・かな。

青和大学 高槻の研究室にて

生方がフィールドワークから戻ってくる。みずぬまちなつについて、確かに療養のため転校しており今は治療の成果が出て「第四小学校は楽しかった。」と言っているそうだ。尚哉は成果について感心していると、民俗学の院生はフィールドワークが得意であることを生方に自慢される。高槻はいじめの可能性はないようだと言う。生方が尚哉に、「いじめがもしあったらコックリさんで「ちなつ」と出る可能性があることを高槻が考えた」と伝える。
しかし、潜在的な動機がないとすると、合理的な説明が残念ながら思いつかない。これは正真正銘の怪異だよね。と高槻が言う。尚哉が堪らず立ち上がり、(平原の声が歪んだことを思い出し)でもあのクラスにはなにかあると思います。少なくとも平原先生は児童たちが友達想いだとは思っていないです。と言い出した。生方は、自分の調査内容を疑うの?と訝るが尚哉はそこを否定する。高槻が間に入り、わかった怪異以外の可能性も考えてみよう。と言うのだった。

公園の小川(ビオトープ)で

生方は、虫眼鏡で水際の草を見ている高槻に「尚哉が何か特別なのか」を尋ねる。怪異にしか興味がない高槻が、尚哉の話に耳を傾けたからだ。高槻は思い出し笑いなのか、微笑みながら「特別優しいってことくらいかな。」そう質問に答えた。
少し離れた所に、智樹とコックリさんに参加した残りの女子2人を連れた尚哉がやってくる。
高槻が子供たちに挨拶をしていると、てんとう虫を見つけた生方が駆け寄ってくる。
ヨーロッパでは、てんとう虫が身体にとまると幸運が訪れるという言い伝えがあるのだそうだ。
子供たちはてんとう虫を欲しがらない、幸運には興味がないのかな?と、今度は高槻が桜の木を指さす。
舞っている花弁が、地面に落ちるまでに捕まえたら願いが叶うと言われるらしい。
女子が近寄ってきて「掴めたらサッカーが上手くなりますか?」と尋ねる。彼女はサッカーをしないのにそんなことを聞いてきた。高槻は、記憶にあったあることを思い出す。(教室に貼り出された絵に、サッカーをする少年が描かれており「千原康太」と名前が出ている)

高槻:そうか、そういうことか。

高槻は、もう一人の女子に近づく。指に巻かれたカットバンを見て「このおまじない効くといいね。」という。(少女は指を隠す)
女子二人に、最後にコックリさんに何か質問したことをこっそり教えて欲しいと尋ねる。
女の子がカットバンをずらして中を高槻に見せ、耳元で質問の内容を話す。
高槻は歩き出しながら

残念だけど、そう簡単に本物の怪異とは出会えないみたいだ。

そう言って、右手の人差し指を鼻にあてた。
26と27だ。高槻は何かを確信したようだ。

第1話(その2)は、ここまで。およそ1万2千文字でストッピングっ 30:00

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