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門司港はレトロな香りが濃厚な港町です。JRの門司港駅は終着駅で、ここから先には線路はありません。木造の古い駅舎はネオ・ルネッサンス様式の屋根を頂いています。門司港は戦前大陸貿易で繁栄していて、その名残が歴史的建築物の数々に見られます。三井倶楽部は瀟洒な洋館で、かつては客人のもてなしに使用していたそうです。旧税関は、レンガ造で西日を浴びて、赤く輝いていました。門司港のあたりは、北九州から東へ半島のように突き出していて、関門海峡を挟んだ対岸の下関は逆に西側に突き出しているので、地形的に複雑で、美しい風景を形成しています。関門海峡は潮流が速いので、右と左から航行する船舶がすれ違うさまを眺めていると、片方はスイスイと走っていくのに、もう片方は喘ぎながらもなかなか進まないという不思議な光景に出くわします。
仕事が終わってから、小倉駅から電車に12分乗車すると、門司港駅に到着したときは、5時頃でした。東京より日没が30分くらい遅いので、まだ明るいのです。しばらくすると、真っ赤な太陽が下関側の山の稜線に沈んでいくところが見えました。門司港ビールという地ビールを2杯ほど頂くと、すっかり暗くなっています。夜空を見上げると、皆既月食がすでに始まっていました。