予約した時刻に行列に並んでナスル宮殿に入場します。胸の高まりを覚えながら、イスラム芸術の最高峰を観賞することにします。まず、メスアール宮で眼に入るのは、室内の壁面を飾る漆喰の緻密な装飾です。初め、石彫だと思っていましたが、漆喰細工で微細なレースのような模様が構成されています。アラビア語の文字も装飾的に描かれています。
窓からは、谷を挟んだ対面にアルバイシンの街並みが強烈な日射を浴びて見えます . . . 本文を読む
アルハンブラ宮殿の敷地は、グラナダの丘の上に東西に長く広がっています。西の端まで歩くと、アルカサバ（Alcazaba）に達します。アルカサバは軍事要塞で、ローマ時代の砦の跡にモーロ人が9世紀に築いたものです。垂直に切り立った城壁は、難攻不落です。要塞だけあって見晴らしが素晴らしく、グラナダの街並みが一望できます。
どんなに難攻不落とされる砦も、いつかは落とされます。月日は流れ、かつての要塞は . . . 本文を読む