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鹿児島の宝:旧県立博物館:岩田壽秋

2011年12月26日 08時58分31秒 | エッセイ
 本日は隠れた鹿児島のお宝に目を向けてみます。
 画像は鹿児島市の照国神社前にあります旧県立博物館です。鹿児島市芸術文化協会とかごしまアートネットワークでは連名で保存活用に関する要望書を2005年に鹿児島県の文化財課に提出しています。
 先週その後の県の対応を確認したところ、現在は危険建築物ということで使用を禁止しているとのことでした。
 2005年以来ずっと予算要求はしてきていますが現在までのところ予算化はされていないとのことです。
 自分は1級建築士としまして若干の説明を申し上げれば、建築物として危険と判定されている理由は、石造建築だからです。
 本建築物の石造構造は現在の耐震性能からして十分な耐力を有する補強をしていないので危険と判断されるのです。
 石造建築とは一般的には石材を積み上げて壁を作り、屋根は木造で作っています。
 本建造物を使用に耐えるように補強するには、まず基礎を作りなおして免震構造とする必要があります。旧県庁舎の建物を移設して保存していますが、その際に芸文協で見学会を実施して、レールの上を建物が動いていくのを見せていただきました。
 更に石材同士を接着材の樹脂で固めることが必要です。それは大口の鶴田ダムの湖底の旧発電所遺構の補強工事で実施いたしました。特にこの工事は湖底の水位が毎年上昇し耐水性能も有する樹脂にて補強してあります。
 この2件の工事は二つとも自分が日建設計鹿児島支社に在籍中に実施設計と監理業務を請けた工事なので、よく熟知しています。
 そういうわけでこれらの耐震性能を補強する工事で億を超えるお金が必要ですので、そう簡単に工面ができないところと拝察いたします。
 文化財ですから国の補助金も出ますが半分は自治体の負担ですので、よっぽど何かほかの補助金と組み合わせなければ自治体の負担がとても大きいというのが現状です。

 ちなみに前庭は鹿児島市の公園化の管理する公園ですので、外観だけは自由に見ることができます。











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