官製談合

北海道における官製談合の実態

kenryuxの北海道の官製談合の実態

2007-03-08 16:17:05 | Weblog
 昭和40年のある日、初めて入札に立会した同僚が入札から戻って『どうして業者はあんなに上手に積算できるのだろう。皆予定価格と殆ど同じだ。』と、そのころ既に官製談合が行われ本命業者には予定価格が知らされていたのです。
 
 私は元北海道職員で昭和44年から退職までの間約15年間入札業務に携わってきました。58歳の時に肩をたたかれOBとして民間に行くよう勧められましたがろくに仕事をしないで給料を貰うようなことは嫌いで、また、自分でやりたいこともあったので断り、60歳で定年退職しました。
 しかし、縁があって民間に再就職、入札にいったり入札金額を見積り積算したりすることを5年間やりました。ですから北海道の官製談合については裏も表も熟知しております。
 官製談合については在職中から疑念を抱き、毎年数百億円の税金が無駄に使われていることを腹立たしい思いで何とかしなければと常に考えておりました。
 北海道警察の裏金問題のように名乗り出る勇気がないのが悲しい事です。私は私なりに官製談合絶滅のためいろいろとやってきました。1999年の公正取引委員会による北海道上川支庁の農業土木工事にかかる談合摘発で官製談合が認定され、これで官製談合が終わるかと思ったのですが、他の13支庁、10土木現業所は何事もなかったごとく官製談合が行われ、1年後には上川支庁でも官製談合が復活しました。公正取引委員会が一度調査に入ったら後はしばらくは調査に入らないだろうと高をくくっているのでしょうが、そのしぶとさには恐ろしくなります。
 
 これから何回かに分けて北海道の官製談合について書きたいと思います。

 昭和43年から北海道の農業基盤整備事業は急激に増大し、上川支庁においても4月から9月頃までは一月の入札件数は50件から100件、入札担当者は毎日残業しなければ対応できませんでした。
 入札通知が各指名業者に発送されると業界紙にも通知されますが、件数が多いのでいちいち書き取っていては大変なので入札一覧表で渡します。この一覧表には工事名、指名業者その他の事項が記載されております。地元の農業土木協会にも同じものが渡されておりました。
 部内で使用する一覧表には予定価格が記載され、本命業者にチェックが付けられています。
 入札前に協会から担当者が部長(当時は耕地部長)室で部長から予定価格と本命業者を聞き、協会に戻って本命業者に連絡、本命業者は他の指名業者に入札書に記載する金額を指示し、大きい工事については2回又は3回で落札するようにして、それぞれの金額を指示して入札に参加して落札します。
 昭和49年某OBが農業土木協会の事務局長に就任後、部長から部内で使用する一覧表と同じものが直接手渡されるようになりました。
 当時の予定価格に対する落札率は98%~99%でした。他の13支庁、10土木現業所でも手渡す方法、団体が違うだけでほぼ同様です。
 このようなことは平成5年度まで続けられました。その根拠は平成5年に旭川土木現業所で汚職事件があり課長補佐?が逮捕されました。その結果、協会等に対して本命だけは知らせましたが予定価格は知らされなくなったのです。
 平成6年度4月の第1回の上川支庁の落札金額はめちゃめちゃだったのです。
当時は積算の基礎となる歩係りは公表されておらず、歩係りを持っている業者は少なかったのです。OBがいたりコネのある業者はある程度の予定価格は聞き出せたのですが、それの出来ない業者は妥当な見積もりが出来なかったのです。50%以下の金額で落札した業者もいました。
 それ以降、本命業者は積算した金額を設計担当の課や出張所等に示し、高すぎるから少し下げろとか、もっと上げろといわれて予定価格を推定し入札したのです。
 それでは支庁や土木現業所は困るので建設部と農政部等が協議し、業者が金額の確認にこなくてもいいように、公示用設計書に積算内容を詳しく記載し誰でも積算できるようにしたのです。
 しかし、いつの頃からか協会等に予定価格が知らされるようになりました。支庁や土木現業所からきたOBは積算を出来ないのに協会に見積書を持って行くと高すぎるとか安すぎると言い出したからです。
 日本全国で官製談合の摘発が報じられていますがそれでも官製談合をやめない、やめられない、本当にどうなっているのでしょうか・・・
 次回また続きを
  


最新の画像もっと見る

コメントを投稿