官製談合

北海道における官製談合の実態

許せない元財務官僚OBの暴挙(2)

2017-07-22 10:02:29 | Weblog
 東京の息子からうれしい電話がありました。
 
 7月10日の国税庁関係の人事異動で前回三井物産に多額の追徴課税をしたために、都内の1税務署に左遷された東京国税局の特別国税調査官が、再び東京国税局に戻り調査部の統括国税調査官に発令されたそうです。
 この特別国税調査官は税務署長級の地位だそうで、国税局内でも今までいた税務署でも「やはりあの男はすごい」との評判だそうです。
 昨年の格下げ人事に対しては東京国税局長はじめ幹部たちもかなり反発したようで、このままでは国税調査官たちの士気が低下し国税調査に支障があると言っていたようで、今回の人事は当たり前だとある上司は言っていました。

 昨年理不尽な人事を発令した迫田前国税庁長官は森友学園の問題?で退職に追い込まれました。本人が悪いのでは無くすべて官邸の意向で逆らうことができず、財務省に戻れずに退職となり本人も悔しい思いでしょう。

 しかしこれで一件落着では無く国税調査官たち仲間うちでは、まだ、OBのいる企業に対しては調査を厳格にはできないという空気があるそうです。困ったことですね。
 
 息子には「おまえは遠慮せずにやってみろ」言ってやりましたが笑っていました。

 何はともあれ理不尽な人事が正されて何よりと思いご報告いたします。
 
 

許せない元財務官僚OBの暴挙

2017-01-17 11:00:39 | Weblog
 年末に久しぶりに帰郷した息子からとんでもない話を聞きました。
 
 昨年7月の東京国税局の人事異動で考えられない人事が発令されたそうです。
 東京国税局きっての優秀な特別国税調査官(以下特官)が何の落ち度も無いのに都内の1税務署に左遷されたそうです。
 三井物産の税務調査で多額の申告漏れ(所得隠し)を発見、東京国税局が追徴課税し三井物産も修正申告し納税したそうです。
 利益があったから課税されたのであって当然のこと。年々増え続ける国の財政赤字を少しでも解消しようと努力したのであって、褒められてしかるべきなのに左遷されるとは何たる理不尽。こんなことが行われてよいのでしょうか。

 三井物産には元財務事務次官、現東京オリンピック組織委員会事務総長の武藤敏郎という男が社外取締役となっていたのです。
 武藤は「俺が社外取締役をしている会社から追徴課税とは何事だ」思ったのでしょうか。財務省に働きかけて任命権者の国税庁長官に不当人事を発令させたのが原因とのことです。
 
 国税庁長官も逆らえば自分の出世の道がなくなるし、不当な人事発令と分かっていても逆らえなかったのでしょうか。情けない話ですが。
  
 給与所得者や我々年金受給者、わずかな年金の中からも税金を天引きしておきながら、大企業からは申告漏れがあっても税金を取るなとはどういうことなのでしょうか。
 
 財務事務次官、国の財政を預かる重要なポスト、国の財政赤字は百も承知、もうかっているから税金を納めてもらうのがどうして悪いのでしょうか。
 全国の国税調査官はこの不当な人事に対し国税調査に意欲をなくしているそうです。
 
 左遷された特官は国税調査官の中では全国的に知られた有能で模範的な調査官だそうで、東京国税局の中では数多くの特官を束ねる地位にいたそうで、国のためにと一生懸命働いたのになんでこんな目にあわなきゃならないのか、息子も考えると腹が立つといっていました。

 こんな暴挙許せません。

 

kenryuxの北海道の官製談合の実態(最終回)

2017-01-04 11:48:27 | Weblog
 2007年3月8日の第1号から第52号まで10年にわたり官製談合について皆様にお知らせしてきましたが本号を持って終了させていただきます。
 本当に沢山の皆様に読んでいただき心から感謝いたします。ありがとうございました。

 2016年度は11月7日に札幌市の元職員が官製談合の容疑で逮捕され、11月29日に起訴されましたが業者は悪質性は軽いと不起訴でした。
 それ以外では公取委が過去に立ち入り調査した件について課徴金を課した報道等でした。

 公取委が立ち入り検査前に不正を自ら申告すれば課徴金が減免される制度は2006年1月に制定されましたが、その後10年間で公取委が摘発した事件の少なくとも約75%が企業側の自首が端緒となっていたとのことです。
 この制度が導入された当初は「密告は日本の文化になじまない」などと有効性が懸念されたけれど、多くの企業が利用し公取委も活用した結果のようです。
 企業側もこの制度を利用しなければ多額の課徴金を課され株主から損害賠償を求められることとなるため利用するようになったようです。

 自首があって公取委が初めて立ち入り検査をしたのは、2006年1月制度が導入されてわずか2ヶ月後の3月に国土交通省が発注した水門工事を巡る官製談合事件、申告したのは三菱重工業で業界最大手の自首に驚きが広がり、その後大型事件で減免申請が続いたそうで。あの三菱重工業が自首の第1号とは本当に驚きですね。数億円の課徴金が免除されたことでしょう。
 
 それに引き替え光ファイバーを巡るカルテル事件では制度を利用しなかった住友電工の経営陣が株主代表訴訟を起こされ、2014年に約5億2千万円を会社側に支払ったそうです。

 課徴金は受注額等の10%(49号参照)ですが、大手企業になれば数十億円の工事を受注するので課徴金の額も大きく、最初に自首すればそれが免除されるので株主も黙っていないのは当たり前のことでしょう。

 近年談合等について減免申請(自首)や摘発が減っているとのことですが、まだまだ官製談合は全国で日常茶飯事です。

 北海道は2016年4月に公共工事の入札に参加資格のある指名登録業者への道職員の再就職(天下り)について、退職後2年間は自粛するなどと定めた要綱の規定を削除しました。
 退職後2年間道への営業活動など口利きが禁止されたからだとのことですが、再就職したものは口利きなどしなくてもその業者のもらう工事等は決まっているのですから口利きの必要はないのです。
 再就職する者の年俸や待遇まで指示して業者に押しつけるのですから業者も見返りを求めるのは当たり前、毎年受注できるだいたいの金額は業者も知っているのです。口利きが禁止されたからすぐに再就職しても良いというのは口実に過ぎません。

 官製談合を無くするためには天下りを禁止すべきなのですが、今いる幹部たち自分の天下り先がなくなるようなことは絶対にしないでしょう。
 再就職してもその会社のためにまともに仕事をしている者は1%どころか0.5%もいないでしょう。入札のための見積もりなど積算できる者は何人いるでしょうか。
 他の役員よりも高い給料や経費のかかりすぎに迷惑している業者もいるのです。天下りは絶対に無くすべきです。

 公取委もモグラ叩きをしているようなもので叩いても叩いても談合は無くならないと思いますが、我々の払った税金が無駄遣いされないようこれからも頑張っていただきたいと思います。

 これでkenryuxの北海道の官製談合の実態を終わらせていただきます。長い間本当にありがとうございました。

 
 
 

 
 

kenryuxの北海道の官製談合の実態(52)

2016-03-08 16:09:14 | Weblog
 久しぶりです。
 
 3月11日で東日本大震災は満5年になりますが復旧はまだまだ先のことです。
 これまで多額の国費等が投入され復旧のためいろいろな工事等が行われていますが、そこに好機到来とばかりに群がる土建業者等、ご多分に漏れず談合が横行していることはご承知の通りです。

 (49)で取り上げましたが、公正取引委員会は高速道路復旧工事の舗装工事を巡る談合事件で2月29日刑事告発し、それを受けて東京地検は道路舗装10社と各社の業務担当者の10人と談合の調整役だった1社の東北支店長が各社に口止めをしたとしてを独占禁止法違反の疑いで起訴しました。
 今回談合が疑われているのは2011年8~9月に東日 高速道路東北支社が発注した復旧舗装工事12件の入札で、12社が1件ずつ総額176億円で落札しました。平均落札率は約95%。

 NIPPO、日本道路、前田道路の3社が中心となり東北支店の営業担当者の間で落札業者を決めていた。入札直前の2011年8談合の情報が寄せられ、東北支社が入札参加業者へ聞き取りを実施したが、その直前3社の担当者らが日本道路の当時の東北支店長に相談したところ支店長は「黙っていればいい」と各社に口止めし談合を続けるよう指示したという。それにより各社は「談合はしていない」という誓約書を出していた。

 12件の工事のうち11件は事前の割り振り通り各社が落札した。1件は落札予定だった鹿島道路(東京)の応札が事務的ミスで無効となり次点の常磐工業(東京)が受注した。

 起訴されたのは道路舗装大手のNIPPO,日本道路、前田道路、大林道路、大成ロテック、東亜道路工業、三井住建道路、ガイアートTK、佐藤渡辺(以上東京)北川ヒューテック(石川県)の10社。

 公取委は昨年1月28日、12件の工事入札に参加した舗装会社等20社を強制調査。今年1月東京地検特捜部と公取委が落札した12社と落札予定だった1社の計13社を家宅捜索し担当者の聴取を進めていた。
 違反を最初に自主申告した世紀東急工業(東京)とその担当者は告発を免れたとのこと。

 今回は舗装工事についてだが道路本体工事、防潮堤工事その他すべての復旧工事で談合が行われていることは間違いなく、公取委の今後の調査に期待したい。

 開発局は3月7日日本道路を7日から3ヶ月の指名停止処分をしました。今回の件で同社の役員が公取委に独禁法違反お疑いで告発されたためとのことだが、今なぜ日本道路1社なのか、わかりませんね。

 つぎに公取委は3月1日自衛隊の戦闘服の入札を巡る談合疑惑で、繊維大手のクラレとユニチカ、大手商社の丸紅など計8社に立ち入り検査をしました。
 各社は数年前から防衛省が発注する戦闘服などの入札で、事前に話し合って落札者を決めていたようで、入札は繊維メーカーが参加するが、多くの場合製造は商社を通じてアパレルメーカーに委託するとのこと。

 自衛隊の装備品は調達コストをを抑制する目的で2015年10月に発足した防衛装備庁が開発、購入から廃棄まで一元管理しており、戦闘服などの受注調整は遅くとも数年前?には始まり、同庁発足後も続いていたとみられる。
 自衛隊の戦闘服や作業服の多くは「ビニロン」と呼ばれる繊維を使っており燃えにくいように加工されている。

 日本化学繊維協会によると日本の主要繊維メーカーでビニロンを製造するのはクラレとユニチカ、ユニチカの子会社だけで、3社の寡占が談合の温床になったよう。
 
 防衛装備庁によると戦闘服などの納入は一般競争入札で行われるが、入札しても最低入札額が予定価格を上回った場合、最低額で入札した業者と交渉し、予定価格に収まる範囲まで下げさせて随意契約を結んでいる。だから業者ははじめから高い金額で入札して不落札にすれば随意契約に持ち込め、少しずつ金額を下げて予定価格ぎりぎりの金額で契約できるのです。

 同庁の2010~14年度の契約概要によると戦闘服や作業服などの契約は、クラレが80件で計約141億円、ユニチカが45件で計約70億円。このうち約81%に当たる101件で入札が成立せず、随意契約だった。
 一般競争入札で契約先が決まった24件のうち内閣官房はこのうち5件について資料を公開しているが、落札率は99~100%、一般競争でこの率とは予定価格が筒抜けでしょう。防衛省の幹部が天下りしているのでは。
 外国の業者も入札に参加させればこんなことはないと思うが。

 この件も公取委の今後の調査に期待したい。

 まだ書きたいことは沢山ありますが今日はこれにて

 

kenryuxの北海道の官製談合の実態(49)

2015-02-01 10:47:43 | Weblog
 公正取引委員会は28日東日本大震災の舗装復旧工事などをめぐる談合疑惑で東日本高速道路東北支社が発注した災害復旧工事の入札で関係業者を強制調査しました。
 公正取引委員会が犯則調査権(別記)に基づき強制調査をしたのは道路舗装大手のNIPPO、日本道路、前田道路、大林道路などの東証1部上場企業と鹿島道路、三井住建道路など13社。29日には更に7社を強制調査しました。
 関係者によると各社は数年前から東北地方の高速道路や国道の入札で談合を繰り返していたようで、1部の業者は調査開始前に談合を認め公正取引委員会に自主申告をしているという。
 
 東日本高速が公開した調書によると東北支社管内の2010年度は少なくとも10件で計約95億円の舗装工事の発注が有り平均落札率は77%だった。ところが、12件で約176億円の災害復旧工事があるなど工事が集中した2011年度には平均落札率が93%まで上昇。その後も12年度は92.7%、13年度は92.6%と高止まりしていた。
 12件のうち7件で落札率が95%以上、うち4件は99%超、90%以下はたったの1件だったとのこと。
 最も高かったのは東北自動車道の宮城県白石市-仙台市間。6社が入札に参加(うち2社は辞退)し東京の大手会社が99.63%(税抜き14億2千万円)で落札しました。

 震災後は資材価格や人件費が上がりコストが増え、東日本高速や東北地方整備局の工事でも平均落札率は上がったが数%止まり。一方、国道などの舗装工事では平均落札率は2010年度の88.3%から11年度は91.5%までしか上がらず、その後もほぼ横ばい状態だったとのこと。

 強制調査前に自主申告した一部の業者は公正取引委員会の調査に対し「舗装大手のNIPPO、前田道路、日本道路 3社が協議して落札業者を決めていたと言うが、3社は東北高速道路支社や東北地方整備局に「これで良いでしょうか」と暗黙の了解を求めていたことは間違いは無いでしょう。

 公正取引委員会は今回、強制調査をしている複数の業者を過去にも舗装工事の談合で摘発しています。2003年の岩見沢市の談合事件では三井住建道路(当時は三井道路)、大成ロテック、ガイアートT・K(同ガイアートクマガイ)、鹿島道路などの談合を認定し排除勧告を。1998年名古屋市の舗装工事をめぐる談合事件では、NIPPO(当時は日本鋪道)、日本道路、大林道路、鹿島道路、東亜道路工業、大成ロテック、ガイアートT・K、三井住建道路(三井道路)などの談合を認定して勧告を。NIPPOや日本道路にはそれぞれ1億円以上の課徴金を命じていたとのことです。

 公正取引委員会は今回、国からの多額の補助金が出ている災害復旧工事も含まれているのに加え、対象業者が過去に違反を繰り返していたことを重くみて強制調査に踏み切ったようです。
 徹底的な解明を期待したいですね。

※ 犯則調査権とは
 裁判所に令状を請求し、強制的に捜索や物権の差し押さえができる権限。国民生活への影響が大きい悪質な談合やカルテルなど、行政処分だけでは改善を図ることができないと公正取引委員会が判断した事案などが対象で、検察庁への刑事告発を視野にに調査が行われる。公正取引委員会が権限を使ったのは13年9月の北陸新幹線の融雪設備工事をめぐる官製談合事件以来8例目。

※ 自主申告による課徴金の減免
 課徴金は受注金額の10%ですが、自主申告により減免されます。
 強制調査開始前に自主申告した場合は全額免除、2番目に申告した者は50%、3番目に申告した者は30%減額されます。開始後の申告した者は一律に30%、開始前と開始後で合計5社、開始後は最大3社までです。 
 再犯は免除されません。更に、10年以内に再度違反した場合、課徴金は5割増しになります。

 つぎに、(44)(45)で取り上げました厚生労働省の不正入札問題、昨年6月市民団体の告発を受け、警視庁捜査2課は当時職業訓練事業を担当していた女性企画官(49)と男性課長補佐(48)の2人を官製談合防止法違反の疑いで書類送検しました。
 厚生労働省の内部調査の結果「官製談合の疑いを招いたことは否定できない」としつつ入札の公正を害したとは言えないとして刑事告発は見送り、ふたりは停職1ヶ月の懲戒処分で終わって軽すぎる処分だと思っていましたが、今回の市民団体の刑事告発で書類送検、当然だと思います。
 市民団体に敬意を表します。

 今回はこれにて。




kenryuxの北海道の官製談合の実態(48)

2015-01-22 16:15:10 | Weblog
 明けましておめでとうございます。

 (47)で取り上げました農協施設にかかる談合事件について公正取引委員会は20日独禁法違反で設備会社3社の違反を認定し、このうちナラサキ産業(札幌市)と北海道日立(同)の2社に対し1655万円の課徴金納付と再発防止のための排除命令をしました。課徴金はナラサキ産業が1251万円、北海道日立が404万円でした。
 命令は社員に対する法令遵守についての研修の実施や法務担当者による定期的な監査をするよう両者に求めました。

 両者はもう1社の三菱電機冷熱プラント(東京)と共に公正取引委員会が昨年3月に立ち入り検査を行うまでの5年間、国の交付金を受けて行われた設備工事の競争入札の際、事前に話し合いにより受注予定者を決め落札価格をつり上げるなどしたと。
 三菱電機冷熱プラントは談合を事前に自主申告したため課徴金免除されました。

 公正取引委員会はまた、入札の実施や設計、施工を担ったホクレン(札幌市)に対し、農協が希望する受注予定者を設備業者に伝えるなどして談合を助長したとして適切な措置を講ずるよう申し入れをしました。交付金の交付決定がされる前に「候補選考」と称した競争入札?を行い、正式な入札を行わないケースもあったという。
 ホクレンは「内部監査を強化して職員の不適切な行為の防止に努めたい」と話しているそうだが、ほとぼりが冷めたらまた同じことを繰り返すことでしょう。

 (36)及び(46)で取り上げました北陸新幹線の融雪設備工事をめぐる官製談合事件。去年7月9日東京地裁は官製談合防止法違反の罪で独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の元東京支社設備部長松岡賢作(57)に懲役1年2ヶ月執行猶予3年の判決を下していますが、その官製談合を主導した独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が昨年11月18日に受注者側の朝日工業社、三晃空調、三建設備工業、東洋熱工業の4社に対し計約11億1千万円の違約金を請求しました。

 発注者が談合した業者に賠償金を請求したことは(29)~(33)で取り上げました十勝管内池田町発注の中学校校舎と体育館の建て替え工事でもありました。
 校舎工事を落札した萩原・渡部・十勝工業JVに対し6,163万円、体育館工事を落札した西坂建設他JVに対し3,182万円でした。
 それに対し萩原他JVは「官製談合とは発注者である池田町が主導して行われた談合」でありJV側が一方的に賠償金を請求されるのは納得できないと、2012年4月27日釧路地裁帯広支部に債務不存在確認を求める訴えを起こしました。
 その結果25年3月29日に最終判決(最高裁?)があり、池田町側にも責任があったとして請求額は半分になりました。

 この結果から見ますと独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が4社に対し11億1千万円の違約金を請求しても、受注者側が独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の指示に従い談合したと主張すれば、当然独立行政法人側の責任も問われ池田町のような結果になることでしょう。
 結果を見守りましょう。

 このほか国立循環器病研究センター(大阪市)の情報システム事業入札にかかる官製談合で、センターの元情報統括部長桑田成規(47)ら3人が逮捕された事件。全国の自治体が発注する消防救急デジタル無線システムの入札談合事件。12月25日には札幌市の市民まちづくり局アイヌ施策課の発注したパンフレットなどの作成業務にかかる情報を漏らしたとする内部調査の結果を発表と、本当に談合事件は絶えませんね。これらについてはまたの機会に触れたいと思います。

 今日はこれにて







kenryuxの北海道の官製談合の実態(47)

2014-12-18 19:46:22 | Weblog
 年を取ると気力が衰え、ちょっと体調が悪いと書こうという意欲がわきません。残念なことですが致し方ありません。
 7月29日付(46)で次回に取り上げると約束しました農協設備工事にかかる談合問題遅くなり申し訳ありませんでした。

 公正取引委員会は日立グループの北海道日立(札幌市)とナラサキ産業(札幌市)に対し計1500万円の課徴金納付を命じる方針を固めたようです。
 この件については(36)で2013年11月19日に公正取引委員会が農機具メーカー「ヤンマー」の子会社ヤンマーグリーンシステム(大阪市)やサタケ(広島市)など7者を立ち入り検査したと書いております。
 
 道内の農協が発注した野菜貯蔵施設の低温空調設備工事をめぐる談合疑惑で、公正取引委員会は3月25日に独禁法違反の疑いで道内の設備会社など4社に立ち入り検査を行い関連資料を押収して調査をしていました。
 このとき検査を受けたのは機械建設資材卸のナラサキ産業、北海道日立、三菱電機冷熱プラント(東京)、食料品加工機械製造のサタケ(東広島市)の本社や札幌営業所など10ヶ所でした。
 低温空調設備の事業費は1施設当たり数千万円から数億円で、国や道、市町村が最大で事業費の半額を補助しています。
 北海道によると2009~2013年度の5年間で、少なくとも10施設が補助対象となり、その総額は35億円以上。
 
 10施設のうち公正取引委員会の検査を受けた業者が落札したのは2009年が北海道日立とサタケの2施設、2012,2013年度がいずれも三菱電機冷熱プラントの計2施設でした。
 また、10施設のうち少なくとも6施設については農協の委託を受けたホクレンが入札の代行をしています。
 
 関係者によると農協は入札や施設に管理をホクレンに委託することが多く、ホクレンは設備発注の仕様書の作成や参加業者への連絡を行うほか、落札後も工事の状況確認や保守点検も行っていたという。
 
 公正取引委員会によると4社は少なくとも数年前から道内の農協が発注する低温空調設備工事をめぐり、事前に調整した上で落札業者などを決めていたとみていたようです。
 今回課徴金納付を命じたのは北海道日立とナラサキ産業の2社、三菱電機冷熱プラントも独禁法違反と認定したが、事前に自主申告したため課徴金を免除、サタケは談合への関与が裏付けられず処分を見送る方針だという。

 調査の過程で農協の発注事務を代行したホクレンの職員が談合に関与していた疑いが浮上、公正取引委員会はホクレンを立ち入り調査をしたが、12月16日ホクレン農業協同組合連合会(札幌市)は複数の職員による受注調整への事実上の関与があったと発表しました。
 ホクレンの内部調査によると公正取引委員会の検査対象の4社が昨年度まで過去5年間に関わった工事30件のうち、ホクレン職員が競争入札の前に特定の業者に見積書を出させたり、技術的な相談をした事例が少なくとも10数件確認されたと。

 事前に予定価格を漏らすなど業者側の談合に直接的に関与したケースは確認できなかったが(確認しなかっただけのこと。)事実上受注先を指名した形となり「不適切な接触で結果的に談合を促した可能性がある。」という。
 独禁法では発注者側が談合に関与しても処分対象とならないが、関与を認められれば公正取引委員会は発注方法の改善などを申し入れることになる。つまり、官製談合ではないと言うことです。

 わたしに知り合いにホクレンのOBがいて関連の測量会社に再就職していますが、「決まっていることをやっているだけだから気楽なもんです。」と言っていました。
 今回談合と認定された件以外も談合に間違いありません。公正取引委員会が確たる裏付けを取ることができなかっただけのことです。

 (46)で取り上げた市立札幌病院のネットワークシステム更新業務発注をめぐる官製談合事件。札幌市は9月19日官製談合防止法違反の罪などに問われ公判中の豊平区役所住民記録担当係長宮川貴行被告(50)を同日付で懲戒免職処分をしました。
 本件の裁判で9月24日札幌地裁は宮川被告に対し懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年)の判決を言い渡しました。
 執行猶予をつけた理由について、札幌市から懲戒免職処分を受け、「反省の言葉を述べ社会的制裁を受けている。」ためとのこと。
 また、競争入札妨害と談合の罪に問われた元事務機具販売会社社長宮嶋啓被告(41)の対し、懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡しました。これも1件落着です。

 (35)以下で取り上げました旭川市発注土木工事にかかる官製談合と収賄の罪に問われた市元土木課長古川賢、2013年12月26日に懲戒免職、2014年2月20日旭川地裁から懲役2年6ヶ月、執行猶予4年、追徴金130万円の判決を受けましたが、なんと6月に市内の某土建会社の子会社が所有するビルの1室を借り、OFFICEエフオーという事務所を開設したそうです。
 在職時の知識を活用し、工事費積算、書類作成、工程管理、資材関係の業務を行うそうです。市役所で長年入札業務を担当していたのだから小さな業者は頼りになるでしょうね。
 本人も家族を養っていかなければならないのですから。これからはまじめな人生を送って欲しいですね。

 今日はこれにて

kenryuxの北海道の官製談合の実態(46)

2014-07-29 16:01:34 | Weblog
 体調不良でパソコンが使用できませんでした。

 (44)(45)で取り上げました厚生労働省の職業訓練事業をめぐる不正入札について厚労省は5月8日に内部調査の結果を公表しましたが、「公示前に事業内容の資料を見せたことなどは国家公務員の守秘義務違反に当たる」として厚労省能力開発課の当時の企画官ら職員5人を停職などの処分にしました。しかし、「受託先を独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」(JEED)にするために具体的な便宜供与は認められない」として刑事告発を見送りました。
 
 身内の調査ですからそんなことは最初からわかりきっていることで、国会での野党の追及もなく本件もこれで終わりかとがっかりしていましたら、業を煮やした市民団体が警視庁に告発状を出しました。 告発状を出したのは行政や捜査機関の問題点を追求するため、元検事らが作った東京都内の団体とのこと。
 
 公正取引委員会OBの鈴木満桐蔭横浜大法科大学院客員教授は情報を漏らしたことは官製談合防止法の「入札に関する秘密の漏洩に当たる。悪質性があるかないかの判断は捜査機関がやるべきことだ」と言っているとおりで大歓迎でどんな結果になるか楽しみですね。

 この件に関し田村厚労相は6月17日事業費149億円の約半分に当たる70億円を国庫に返すと表明しました。
 消費税増税前の景気対策として2月の補正予算でついた事業費ですが、JEED以外落札できない仕組みで入札は相次いで不調、予算が使い切れないと判断したようです。
 田村厚労相お粗末の一件です。

 次は札幌市の病院局発注の業務の件。

 業者に入札情報を漏らしたとして6月25日道警捜査2課などは官製談合防止法違反などの疑いで札幌市豊平区市民部戸籍住民課戸籍住民担当係長宮川貴行容疑者(50)を再逮捕しました。また、入札情報を受けたとして公契約関係競売入札妨害の疑いで札幌市中央区の事務機卸会社「北海道オフイス・マシン」営業部主任宮嶋啓容疑者(40)を逮捕しました。

 宮川容疑者は札幌市病院局経営管理室経営管理部総務課主査を務めていた2012年11月病院局が発注した市立病院の院内ネットワーク用端末の整備に関する指名競争入札で、宮島容疑者に入札情報を漏らし入札の公正を害した疑い。発注したのはネットワーク用端末の入れ替えにともなう設定と旧端末の廃棄業務。
 入札には札幌市内の業者5者が参加し、予定価格は105万円で「北海道オフイス・マシン」が91万円で落札した。

 宮川容疑者は2011年4月に主査となり、当時情報システム担当でネットワーク端末の購入や維持管理などの発注業務をしていた。
 2013年4月から豊平区市民部の現職となったが、移動後病院局の職員がコンピューターの異常に気づき市が道警に相談、6月4日に豊平区役所のパソコンから市立札幌病院のコンピューターにアクセスするためアカウントを細工したとして、公電磁的記録不正作出、同供用容疑で逮捕されていた。

 市によると宮川容疑者は2010年4月から昨年3月までし病院局で電算システムの保守管理を担当、パソコンの知識に長け関連の仕事を積極的にこなしていたという。
 異動後も病院局のパソコンにアクセスしていたとはたいしたものですね。

 宮川容疑者が病院局に在籍していた2010年4月からの3年間に「北海道オフイス・マシン」と病院局との契約金額が急増。同社の受注は2009年度は随意契約のみ7件で23万円、宮川容疑者が着任した10年度は入札2件を含む56件で710万円に急増、11年度は56件(入札3件)で2691万円、12年度は44件(入札4件)で2565万円に達していた。品目はパソコンやトナーカートリッジなど。同容疑者が豊平区に異動した13年度は11件(入札1件)の148万円度激減した。

 病院局は同社との契約について「今見ると不審だが多くの案件がある中で気づけなかった」と言っているそうだが、同局が契約の適正化のため2006年に設置した談合情報調査委員会が一度も開かれていなかったという。チエック機能は形だけのものだったと言うこと。

 それを受けて札幌市は幹部職員約40人を集めて不祥事防止委員会を開き、委員長の生島副市長は「職員が危機感を共有し基本的ルールを厳守して欲しい」と訓示したそうだが、幹部職員に訓示しただけではだめ、チエック機能を最大限働かせなきゃ。

 宮川容疑者また、執行猶予付き判決で終わりでしょう。

 上田市長は26日記者団に対し、「市役所に対する信頼を害し誠に申し訳ない。どこに問題があったのか究明し、再発防止に向け最大限努力したい。」と陳謝。マンネリで仕事をしている上司たちも処分しなけりゃ。

 (36)で取り上げた北陸新幹線の融雪設備工事をめぐる談合事件。7月9日東京地裁は官製談合防止法違反の罪に問われた独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の元東京支社設備部長松岡賢作被告(57)に懲役1年2ヶ月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。
 大膳文男裁判長は「決済の過程で知った秘密を自分から業者に教えた。入札の不調で開業を遅れさせたくなかったという苦しい立場は理解できるが、入札の公正を害することは許されない。」と述べたそうだが、遅れさせるなと命令した機構の上司たちにも責任があるのではないだろうか。
 
 いつになったら談合はなくなるのでしょうか。浜の真砂ですね。

 道内の農協が発注する「カントリーエレベーター」の問題、長くなりましたので次回に。

 今回はこれにて


kenryuxの北海道の官製談合の実態(45)

2014-05-15 15:01:16 | Weblog
 (44)で取り上げた厚生労働省の職業訓練事業の不正入札問題、厚労省は第3者をいれた「監察本部」が4月下旬をめどに調査結果を報告するとしていましたが5月8日に結果を発表しました。
 職員が入札情報を独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」(JEED)に漏らしたことは国家公務員法の守秘義務違反に当たると判断。また、いったん入札を公示したのに約1時間後に削除し入札参加要件を書き換えて公示したことは「国家公務員の信用失墜行為」に当たるとし、「官製談合の疑いを招いたことは否定できない」としつつ入札の公正を害したとは言えないとして刑事告発は見送り、関係した職員の懲戒処分で一件落着させてしまった。

 懲戒処分は今年2月の企画競争入札を担当した当時の女性企画官(48)と男性課長補佐(48)が停職1カ月、事業を所管する職業能力開発局の杉浦信平局長(57)を減給1カ月、企画官の上司だった当時の能力開発課長(48)が戒告、同局総務課長(51)が訓告とそれぞれ処分された。

 調査を担当した生田総括審議官ら厚労省幹部は8日午後の記者会見で「行政の信頼を損ねる事態を招き申し訳ございません」と頭を下げたそうだが何をどのように調査してこのような結論を出したのだろうか。
 内部調査は1ヶ月半をかけ、弁護士2人が中心となって厚労省やJEEDの職員ら37人から聞き取ったという。

 いったん公示した入札参加要件の削除は「JEEDの依頼で行われたものではない」JEEDから「うちには全省統一資格はありません」と連絡を受けて削除したことははっきりしているのに。
 昨年12月に当時の担当課長らがわざわざ千葉市のJEED本部まで出向いて「受託していただきたい」と依頼した文書があるというのに、複数の出席者が「なかった」と証言したと言うが調査した弁護士はその文書について調査したのだろうか。恐らくその文書は廃棄されてしまっていると思うが、ある厚労省の関係者は「口裏合わせがあった」と言っているそう。

 公正取引委員会OBの鈴木満 桐蔭横浜大法科大学院客員教授は「厚労省は自分たちの分身として
に事業をやらせる前提で動いていた。典型的な天下り先との癒着だ」と指摘、入札公示前に事業の情報を漏らしたことは官製談合防止法の「入札に関する秘密の漏洩」にあたると。「入札が公平かどうか以前の問題。悪質性があるかないかの判断は捜査機関がやるべきことだ」と話したそうだが、本件は絶対に公正取引委員会が調査すべき事件だと思う。

 民主党は「調査結果は生ぬるい」「信頼できない」と言っているそうだが国会で徹底的に追求して欲しい。今の民主党では無理ですかね。共産党にも一踏ん張りお願いしますか。
 国会での議論に注目しましょう。

 今日はこれにて

kenryuxの北海道の官製談合の実態(44)

2014-03-30 15:25:20 | Weblog
 安倍政権が景気対策として2013年度の補正予算に盛り込んだ「短期集中特別訓練事業」について、厚生労働省がウェブサイトにいったん入札を公示したのに約1時間後に削除し、入札参加要件を書き換えた上翌日に改めて公示していたことが判明しました。
 厚生労働省の出向者が多数いる独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)」に落札させるために入札参加要件を書き換えたよう。

 同省関係者も「当初からJEEDに任せたいと考えていた」と明かしているとのこと。同省は入札公示前にもJEEDに対し個別に事前説明をしていたとのことである。
 入札担当者に削除の理由を聞いたところ「単純な手続きミス」と答え、JEEDに落札させたかったのではとの問いに強く否定し「入札の門戸を広げるために削除した。企画競争入札だから全省統一資格は必要ないと思った。」などと話をし、その一方でJEED について「日常的に我々と関わりがあり業務面でのノウハウもある」と評価していたと。

 短期集中特別訓練は失業者や転職者を支援する事業で、介護やビル管理などの訓練を受ける人に国が月10万円程度の給付金を支払い、訓練機関にも受講者の人数に応じた奨励金を支払うというもの。
 2月に成立した補正予算は278億円、この金は基金として随意契約で特別民間法人「中央職業能力開発協会」に管理委託される。

 厚生労働省ははじめからJEEDに委託させようとしていたが、18日に入札を公示した際には省内の規定に従って全省統一資格を盛り込んだがJEEDからその資格を持っていないとの連絡を受け慌てて削除したという。
 「中央職業能力開発協会」には厚生労働省の局長級幹部を含む中央官庁出身のOB9人が再就職、JEEDには厚生労働省から76人の出向者(2011)がいる。
 厚生労働省は公示をやり直したことを公表せず、入札にはJEEDのみが参加し5日の審査で落札が決定した。

 しかし、6日の朝日新聞の報道で疑惑が発覚。同日の参院予算委員会で田村厚生労働大臣は入札のやり直しと内部調査をすると表明しました。14日の参院予算委員会で民主党の蓮舫議員の「これは官製談合だ。公正取引委員会に調査を命じるべきだ。」との指摘に対し、安倍首相は「入札手続きに不適切な対応が認められた。国民の信頼を損ねるような行為で極めて遺憾。」と答弁し、官製談合に当たるかどうかも含め外部の有識者を加え徹底調査を進める考えを示した。

 一方、田村厚生労働大臣は14日の閣議後会見で、厚労省がまとめた「中間報告」について内容が正しいかどうか分からない。国民の皆様に胸を張って「これが真実です。」と言えるものではないと語り、ウェブサイトには掲載しないと表明した。
 14日付の朝日新聞が厚労省が入札に先立つ昨年12月JEEDに事業の受託を頼んでいたことを示す内部文書があることを指摘。「中間報告」にない疑惑がでた上での発言のよう。

 この内部文書によると昨年12月9日厚労省の課長級を含む4人が千葉市にあるJEED本部を訪問、本件の入札選定委員長を務めた幹部も加わっていたとのこと。JEED側は理事長代理など8人が出席、同省側が「機構には認定審査など業務の一部を受託していただきたい」と依頼したことが明記されていた。

 厚労省の幹部がわざわざ千葉市のJEED本部まで足を運びお願いに行くとは考えられませんね。厚労省の幹部も局長級のOBには頭が上がらないようですね。将来自分がそこにOBとしていくかもしれないですからね。

 厚労省は19日付で担当の課長と企画官を大臣官房付に、課長補佐を他局へ異動させたようだが、内部文書が漏れたことについてある幹部は「痛恨の極みだ」と悔しがったとのことだが、悪事露見を「痛恨の極みだ」とはもってのほかだ。
 また、省内では「こんな大事になるとは予想外だった」、「無理して事業をやるんじゃなかった」と言った声も上がっているという。

 要するに厚労省にとっては「短期集中特別訓練事業」は失業者や転職者を支援するのではなくて、OBや出向者のためにする事業だったと言うことです。

 厚労省は19日第3者をいれた「監察本部」が4月下旬をめどに調査結果を公表するとのことで、調査結果に注目しましょう。

 今日はこれにて