官製談合

北海道における官製談合の実態

kenryuxの北海道の官製談合の実態(36)

2013-11-24 10:06:18 | Weblog
 旭川市は21日市発注土木工事の入札にかかる贈収賄事件で、贈賄容疑で社長が逮捕された拓・飯沼建設を同日から2年間指名停止処分にしました。旭川市としては異例の早さで贈賄容疑だけで2年間の指名停止は長いですね。
 官製談合には全く触れていないようですが、談合となれば関係する業者は10数社になると思います。それについてはどうなるのでしょうか。
 西川市長、どのような判断をするのか、お手並み拝見ですね。

 旭川の件を書く前に北陸新幹線工事で談合との報道があり、それについて書こうと思っているうちに旭川市の問題が発生し後先になってしまいました。
 
 国土交通省所管の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が発注した北陸新幹線の融雪・消雪設備工事をめぐり、談合を繰り返していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は9月4日刑事告発を視野に独禁法違反〔不当な取引制限〕容疑で、高砂熱学工業(東京)など設備工事の受注業者13社と同機構を強制調査し、家宅捜査をして調べているとのこと。

 同機構が行った入札に対し、入札に参加を申し出た業者が次々と辞退し、実質的に1社入札が相次ぎ、落札率も全入札の6割で95%以上だった。
 2011年10月の「浦川端融雪基地」(富山県黒部市)周辺の工事の入札には3社が参加、1回目は3社とも予定価格を上回る金額で入札したので再入札となった。ところが2回目の入札では2社が辞退し残る1社が99.4%で落札した。同様の入札辞退が数件あり落札率も95.8%~99.5%と極めて高かった。

 一連の融雪設備工事は条件付き一般競争入札で、各業者は自ら参加資格を満たしていると示して入札に参加しており、そうゆう経緯もふまえて公正取引委員会幹部は「入札を自分から辞退するのは不自然で受注調整があったことをうかがわせる。」とみているよう。また、13件の工事すべての落札率は8件が95%以上、5件が99%台だった。
 関係者によると公正取引委員会の強制調査を受けた受注業者は、同機構が入札を公告するたびに担当者が集まり、落札業者や落札額を協議していたよう。

 同機構が発注した北海道新幹線の2012,2013(8月まで)の23事業の平均落札率は94.7%だったとのことで、北陸新幹線の談合疑惑で公正取引委員会から強制調査を受けた十数社のうち少なくとも6社が北海道新幹線の工事でも入札に参加して、東京の企業は青森県側の消雪基地機械設備工事(予定価格3億1831万円)を97.4%で、道内の駅の空調設備工事(予定価格2億7万円)は94.5%で大阪の企業が落札していた。
 23事業の落札業者のうち道内企業は3社(共同企業体を含む)で2社が参加した入札で98.5%で落札した札幌市の業者は「談合は絶対にない。」と語ったと。嘘つくな!だ。

 同公団が発注する工事のすべては官製談合であることは断言できる。
新幹線の誘致や予算獲得に動いた自民党の国会議員たち、黙ってみているはずがない。「俺が一生懸命働いたから予算が付いたんだ。俺の言う業者に仕事をさせろ。」当たり前の話でしょう。
 こういう議員たちがのさばっている限り官製談合は、石川五右衛門じゃないけれど「浜の真砂は尽きるとも世に談合の種は尽きないのだ。」

 公正取引委員会はまた、穀物乾燥施設の建設や改修工事をめぐり談合が繰り返されていた疑いが強まったとして、農機具メーカー「ヤンマー」の子会社ヤンマーグリーンシステム(大阪市)など数社の本社や事業所など数十カ所について19日に立ち入り検査を行いました。

 これらの工事については国の交付金が2分の1から4分の3補助されており、宮城県大崎市がことし7月に入札を実施したカントリーエレベーターの新設工事は今回立ち入り調査を受けたサタケ(広島市)が予定価格の99%以上の約10億円で落札、うち国の補助金は4分の3、我々の払った税金が食い物にされていることに腹が立ちます。

 公正取引委員会も大変でしょうがこれからも官製談合、業者同士の談合撲滅のために頑張って欲しいですね。
 公正取引委員会頑張れ!

 今日はこれにて

kenryuxの北海道の官製談合の実態(35)

2013-11-15 13:09:41 | Weblog
 11月12日に旭川市土木部土木建設課長古川賢(51)が市発注工事にかかる収賄容疑で、拓・飯沼建設社長加藤公一(41)が贈賄容疑で逮捕されました。
 古川課長は2012年12月の市発注の側溝整備工事の一般競争入札で官製談合を主導して便宜を図った見返りとして落札した会社社長から現金100万円の賄賂を受け取ったというもの。
 2008年1月20日のブログ(14)で「西川市長に一杯食わされた。」と書きましたが、旭川市は2007年4月から予定価格130万円以上の入札を一般競争入札にしましたので西川市長もなかなかやるじゃないのと拍手を送ったのです。ところが同年4月17日の入札である業者が予定価格の80%くらいの金額で4本も落札しました。また、4月24日の入札でも別の業者が65,66,67%で3本落札しました。
 これに危機感を感じた他の業者たちは強硬に市に申し入れ、市も抗しきれず従前とおりの本命割り付けが復活してしまいました。菅野土木部長は「市職員の不正の余地はないと思う」話したそうですが、確かに市に入札については予定価格も公表され、入札の執行も工事担当部局ではなく総務部契約課で行っています。
 また、入札は原則としてすべて郵送による一般競争入札になり、業者同士が入札会場で顔を合わせることがなく、どこの業者が入札に参加しているかは分からないはずです。
 ところがどの業種でもOBが事務局長等をつとめる協会というものがあります。また、主立った業者には必ずOBが天下りしています。この協会が仲立ちして担当課(今回の場合は土木建設課)から本命業者や入札参加業者の情報を入手して本命業者に連絡、本命業者は他の入札参加業者に本命であることを伝えて各社が入札する金額を指示します。
 道新の記事によれば今回の場合は特定の建設業者が調整役となって古川課長と割り付けをし、その業者が本命、当て馬に電話し入札金額を指示したと見られると書いてありますが、すべての入札について調整役となった業者が連絡して取り仕切ることなどありえないでしょう。

 一般競争入札だからといって誰でも入札に参加できるわけではありません。入札に参加できる資格要件が整っていなければ参加できません。そのため事前に申し込んで入札に参加できるかどうか確認しなければ入札に参加できないのです。
 どの業者が入札に参加するかは土木建設課は把握しているのです。これは開発建設部、道振興局(旧支庁、土現)も同じです。
 旭川市が本命割り付けを再開したのは2007年7月頃からです。古川容疑者が土木建設課長になるずっと以前です。
 本命割り付けに逆らって落札する業者もたまにいますが、ほとんどの業者は発注者に逆らうことはしません。13日の道新の記事のとおり長年土木工事に関わる業者は「裏切って独自に落札することなどまず許されない。」と。

 今回の場合古川容疑者が一人で本命割り付けを行ったように報道されていますがそんなことは絶対にあり得ません。
 年間の割り付けの原案は土木建設課長がすると思いますが、市議、道議それに国会議員などの口利きもあり原案通りに行くことはまず無いでしょう。
 拓建設工業(現拓・飯沼建設)は古川容疑者が土木建設課長になってから落札できるようになったようですが、一課長が推薦しても急に本命にすることは無理でしょう。市議の誰かが推薦しない限り。また、菅野部長の決裁なしでは絶対に実行できません。

 昔は指名競争入札でしたので支庁でも指名委員会というものがあり、それぞれの工事にどの業者を指名するかを決めるわけです。一覧表にして指名委員長である支庁長(不在の場合は部長)説明するのですが、新規指名業者については備考欄に○○議員紹介、○○OBとして入社などと書いてあればすんなり通ります。しかし、本命については指名委員会に絶対に出しません。〔2007年3月10日(2)〕

 分担施工型の入札方式が悪いという意見もあるようですが、発注者による本命割り付けによる官製談合が悪いのです。開発建設部、道振興局の入札は一部を除いて今も本命割り付けによる官製談合です。
 開発局や道が官製談合をやめないのはOBとして職員を業者に送り込むためです。業者も割り付けによって確実に仕事をもらえるからOBを受け入れるのです。
 一般競争入札で自由に仕事がとれるのなら高い金を払ってOBを受け入れる必要はないのです。「長年培った知識、経験、技術力が評価されて採用されている。」私の見る限りそんなOB見たことありません。

 11月8日及び、12日の道新で道建設部及び農政部から公共事業受注上位企業に道OBが建設部25人、農政部が51人再就職とありますが、それは道庁内の主幹級以上のみ、各振興局の係長以上も含めれば4倍以上になるでしょう。
 開発局や道はOBの受け皿作りのために官製談合をしているのですが、旭川市の場合は何のメリットがあるのでしょうか?OBはそんなにいないし、議会対策?、I国会議員のような利益誘導型の議員もいるけれど。

 今回発覚したのは同業者のたれ込みでしょう。業者と公然と飲み歩いていると評判だったとのこと、上司から注意されるほど頻繁に飲み歩いていても、数ヶ月ごとに50万円が加藤容疑者の親戚の口座に振り込まれていることなど本人が言うはずがない。加藤容疑者が金がかかりすぎると同業者にぼやいたのかも。
 今回はたまたま古川容疑者の酒好き?で摘発されましたが、こんな男でもいなきゃ官製談合の摘発は難しいでしょう。

 いずれにしても今回の事件、単なる贈収賄事件として終わらせたくないですね。旭川市による官製談合の実態を解明せずに終わっては困ります。古川容疑者が洗いざらいさらけ出してくれればよいのですがどうなりますか。
 道警がどこまで解明できるか、期待して今後を見守りたい。

 今日はこれにて