官製談合

北海道における官製談合の実態

kenryuxの北海道の官製談合の実態(48)

2015-01-22 16:15:10 | Weblog
 明けましておめでとうございます。

 (47)で取り上げました農協施設にかかる談合事件について公正取引委員会は20日独禁法違反で設備会社3社の違反を認定し、このうちナラサキ産業(札幌市)と北海道日立(同)の2社に対し1655万円の課徴金納付と再発防止のための排除命令をしました。課徴金はナラサキ産業が1251万円、北海道日立が404万円でした。
 命令は社員に対する法令遵守についての研修の実施や法務担当者による定期的な監査をするよう両者に求めました。

 両者はもう1社の三菱電機冷熱プラント(東京)と共に公正取引委員会が昨年3月に立ち入り検査を行うまでの5年間、国の交付金を受けて行われた設備工事の競争入札の際、事前に話し合いにより受注予定者を決め落札価格をつり上げるなどしたと。
 三菱電機冷熱プラントは談合を事前に自主申告したため課徴金免除されました。

 公正取引委員会はまた、入札の実施や設計、施工を担ったホクレン(札幌市)に対し、農協が希望する受注予定者を設備業者に伝えるなどして談合を助長したとして適切な措置を講ずるよう申し入れをしました。交付金の交付決定がされる前に「候補選考」と称した競争入札?を行い、正式な入札を行わないケースもあったという。
 ホクレンは「内部監査を強化して職員の不適切な行為の防止に努めたい」と話しているそうだが、ほとぼりが冷めたらまた同じことを繰り返すことでしょう。

 (36)及び(46)で取り上げました北陸新幹線の融雪設備工事をめぐる官製談合事件。去年7月9日東京地裁は官製談合防止法違反の罪で独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の元東京支社設備部長松岡賢作(57)に懲役1年2ヶ月執行猶予3年の判決を下していますが、その官製談合を主導した独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が昨年11月18日に受注者側の朝日工業社、三晃空調、三建設備工業、東洋熱工業の4社に対し計約11億1千万円の違約金を請求しました。

 発注者が談合した業者に賠償金を請求したことは(29)~(33)で取り上げました十勝管内池田町発注の中学校校舎と体育館の建て替え工事でもありました。
 校舎工事を落札した萩原・渡部・十勝工業JVに対し6,163万円、体育館工事を落札した西坂建設他JVに対し3,182万円でした。
 それに対し萩原他JVは「官製談合とは発注者である池田町が主導して行われた談合」でありJV側が一方的に賠償金を請求されるのは納得できないと、2012年4月27日釧路地裁帯広支部に債務不存在確認を求める訴えを起こしました。
 その結果25年3月29日に最終判決(最高裁?)があり、池田町側にも責任があったとして請求額は半分になりました。

 この結果から見ますと独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が4社に対し11億1千万円の違約金を請求しても、受注者側が独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の指示に従い談合したと主張すれば、当然独立行政法人側の責任も問われ池田町のような結果になることでしょう。
 結果を見守りましょう。

 このほか国立循環器病研究センター(大阪市)の情報システム事業入札にかかる官製談合で、センターの元情報統括部長桑田成規(47)ら3人が逮捕された事件。全国の自治体が発注する消防救急デジタル無線システムの入札談合事件。12月25日には札幌市の市民まちづくり局アイヌ施策課の発注したパンフレットなどの作成業務にかかる情報を漏らしたとする内部調査の結果を発表と、本当に談合事件は絶えませんね。これらについてはまたの機会に触れたいと思います。

 今日はこれにて