官製談合

北海道における官製談合の実態

kenryuxの北海道の官製談合の実態(29)

2011-12-16 12:23:34 | Weblog
 11月22日十勝管内池田町発注の中学校校舎と体育館の建て替え工事の指名競争入札で、
官製談合があったとして同町総務課長宇高駿治(59)と帯広市の萩原建設工業の営業部長
笹森暁(58)、池田町の西坂建設社長西坂達雄(65)の3名が官製談合防止法違反と偽計
入札妨害の疑いで逮捕されました。 入札に参加した当て馬業者のたれ込みで発覚したと思わ
れます。
 
 入札直前に町側に「落札業者は決まっている」との談合情報が寄せられたが、町は入札参加
業者から聞き取りなどせずに入札を強行したとのことだが、だいたいこういうたれ込みは宇高
課長ではなく町長か副町長に行くはず。宇高課長は「自分の耳にも入っている」と認めている
ようで、「自分の耳にも」ということは町長、副町長知っていると言うこと。
 勝井町長は「入札は適正に行われている、町の組織的関与は私を含めてない。」と否定した
そうだが、6億と3億を超える大工事の入札に関して町長が何も知らないはずがない。
 いつの事件が発覚すると市町村長等首長は知らぬ存ぜぬで部下に罪を押しつけ刑罰を逃れて
いる。

 逮捕された宇高課長は業者に頼まれてやったと言っているそうだが、6億の工事、1課長が
業者に頼まれて「はい、いいです。」と言えるわけがない。町長の了解を得て初めて業者と話
ができるのであって、すべて町長の指示でうごいていることは間違いがない。
 
 池田町の場合、指名基準など国や道などと違い細かく規定されているとは思えないが、国や
道に準じた取り扱いを決めているはず。
 指名選考委員会は佐々木副町長を委員長に宇高課長ら各課の課長6人で構成されているそう
だが、町村の場合はほとんどが首長の一存で決められることが多く、小さな工事でもいちいち
首長が口を出して決めているようで、まして今回のような金額の大きい工事になると町長が一
課長に任せることなど絶対にありえない。町長は課長の意見を聞いていると思うが最終決定は
町長がやっていることに間違いはない。

 宇高課長は懲戒免職になると思うが裁判の結果はせいぜい懲役1年、執行猶予2年くらいだ
ろうと思っていたら、びっくり仰天、釧路地検は略式起訴で、14日帯広簡易裁判所は宇高課
長と西坂社長に罰金100万円、笹森部長に罰金90万円の略式命令、3人は即日納付、談合
の疑いで書類送検された当て馬業者の6人は不起訴処分に。

 釧路地検は業者による利得目的の度合いが薄く、金銭の授受も見られないから公判請求せず
罰金刑を求める略式起訴にしたという。
 業者による利得目的の度合いが薄いとはどういう意味なのか、官製談合によって落札率が上
がり、仮に5%あがった場合、校舎工事で3,000万円、体育館工事で1,600万円利益
を得ていることになる。利益目的の度合いが薄いとは釧路地検の見識を疑う。
 宇高課長は町および国、道(国、道の補助金が入っているから)に4,600万円の損害を
与えていることになる。宇高課長に金銭授受がなく私的利益を得ようという動機がないから悪
質性が高いとは言えないというが、談合そのものが違法行為でありそれを行ったのであるから
悪質な行為である。
 
 元公正取引委員会主席審判官の鈴木満桐蔭横浜大法科大学院客員教授は「違法行為がなぜ、
地元業者の保護育成につながるのか」と批判したそうだが、こんなことでは永久に官製談合は
なくならない。
 今回の件に対して公正取引委員会はどのように対応するのであろうか。公正取引委員会の考
えを聞いてみたいものだ。

 今日はこれにて