官製談合

北海道における官製談合の実態

kenryuxの北海道の官製談合の実態(2)

2007-03-10 17:13:43 | Weblog
 3月8日公正取引委員会は国土交通省に対し水門工事をめぐる談合で官製談合防止法を適用、改善措置を要求しました。関連記事の中にある中堅メーカーの幹部が『受注調整はすべて建設省、国土交通省の職員の割り振りで進められた。官製でない談合が存在するのか』と言ったとありましたが、全部とは言いませんが大部分は官製談合です。民間の工事ならいざ知らず公共事業における発注は国、都道府県、市町村、公共団体等大部分が官製談合です。名古屋市営地下鉄工事の談合問題では大林組の元顧問が取り仕切ったようなことが書かれていましたがそんなことは絶対にあり得ません。名古屋市の承認なしでは出来ません。JVの結成に関する承認の権限は名古屋市です。業者みんなで名古屋市をかばっています。
 
 北海道の場合、工事の指名通知が発送される約一月位前にメインとなる業者が支庁に呼ばれ、おまえの会社は○○会社とJVを組め。持ち分は60%と40%など
と具体的に指示されます。持ち分はただ単に金額を割り振るのが目的ですから80%と20%のときもありました。わずか900mの農道工事にD級業者が3社でJVを組んだこともありました。また、旭川土木現業所の道道改良工事では約90mしかないのに2社のJVが工事を落札しました。
 ただ単にその業者の年間の割当額を消化しようと言う考えですから、JVの本来の目的など関係ないのです。

 毎年1月末から2月中旬頃に耕地課長(当時は)が年間の割付表を道農政部に持参します。農政部では14支庁の割付表を集計して再度支庁に手直しを指示します。年度末までに退職してOBになる者もいますし、自民党の国会議員、道議による口利きもあるので全道で調整する必要があるのです。
 1999年の公正取引委員会による立ち入り調査では全道分の割付票が押収されており、2002年6月に公表されています。
 前回に書いた入札一覧表、本命業者にチェックが付いていると書きましたが、支庁に指名委員会で各委員に渡されるものには付いていません。
 当時指名委員長は支庁長でした。支庁長によっては大きな工事についてはどこが本命だと聞くこともありますが、たいていの支庁長は無関心でした。
 ただし、新規に指名された業者については知らせるようになっていたようで、耕地課長は○○知事の紹介だとか、○○議員の紹介などと報告していました。
 ある時私のところにある小さな業者が名刺を配りに来て、一年間名刺を配っているがさっぱり指名されない。どうしたら指名されるのでしょうかと聞きました。私は貴方の市からでている自民党の○○道議に頼むのが一番早い、ただし、選挙の時に金がかかると思うけどと言いました。特殊な機械を自分で考案して工事の能率を上げることが出来ると言っていましたが、間もなく指名になり翌年には工事を受注しました。
 議員達はみな口利きなどしていないと言いますが、受注を増やすのには口利きが一番です。ですから建設業者は選挙になると一生懸命になるのです。
 口利きは自民党の議員だけではありません。ある時、社会党の謀議員から電話があり、○○日の入札で○○会社が指名になっているが予定価格はいくらだというのです。地元の小さな業者で謀議員の口利きで初めて指名になったようで、それで予定価格を教えろと言うのです。私はそんな権限はありませんからと言って断りましたが、道の幹部は議会で野党の議員にいじめられるのがいやだから口利きを断られないのです。

 1999年2月私は官製談合をやめさせようと公正取引委員会に手紙を出しました。5月に公正取引委員会北海道事務所の二人の課長と会い実態を説明しました。
その結果、10月に公正取引委員会は官製談合摘発のため、道農政部、上川支庁、旭川農業土木協会、関係業者などに立ち入り調査に入りました。
 全国から2百数十人の調査員が集まり、297社の土建業者、測量業者を一斉に調査し談合摘発をしたのです。後で支庁の職員に聞いたのですが、その手際の良さには本当に驚いたと言っていました。
 私は前回に書きましたが、正直なところこれで官製談合は終わると思っていました。ところがどっこい上川支庁以外の13支庁及び、10土木現業所では本当に何事もなかったように官製談合が続けられていたのです。
 堀前知事は官製談合は認めました。業者は6%または3%の課徴金を課せられましたが、談合を主導した道の職員は福田農政部長が左遷させられただけ。これでは片手落ちだと思いませんか。
 道は2000年4月入札改善委員会を設置し、堀前知事はこれで入札の不正はなくなると言いましたが、知事はその時点で各支庁や土木現業所でどのようなことが行われているか何も知らなかったようです。
 その後については次回で

 


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