官製談合

北海道における官製談合の実態

kenryuxの北海道の官製談合の実態(49)

2015-02-01 10:47:43 | Weblog
 公正取引委員会は28日東日本大震災の舗装復旧工事などをめぐる談合疑惑で東日本高速道路東北支社が発注した災害復旧工事の入札で関係業者を強制調査しました。
 公正取引委員会が犯則調査権(別記)に基づき強制調査をしたのは道路舗装大手のNIPPO、日本道路、前田道路、大林道路などの東証1部上場企業と鹿島道路、三井住建道路など13社。29日には更に7社を強制調査しました。
 関係者によると各社は数年前から東北地方の高速道路や国道の入札で談合を繰り返していたようで、1部の業者は調査開始前に談合を認め公正取引委員会に自主申告をしているという。
 
 東日本高速が公開した調書によると東北支社管内の2010年度は少なくとも10件で計約95億円の舗装工事の発注が有り平均落札率は77%だった。ところが、12件で約176億円の災害復旧工事があるなど工事が集中した2011年度には平均落札率が93%まで上昇。その後も12年度は92.7%、13年度は92.6%と高止まりしていた。
 12件のうち7件で落札率が95%以上、うち4件は99%超、90%以下はたったの1件だったとのこと。
 最も高かったのは東北自動車道の宮城県白石市-仙台市間。6社が入札に参加(うち2社は辞退)し東京の大手会社が99.63%(税抜き14億2千万円)で落札しました。

 震災後は資材価格や人件費が上がりコストが増え、東日本高速や東北地方整備局の工事でも平均落札率は上がったが数%止まり。一方、国道などの舗装工事では平均落札率は2010年度の88.3%から11年度は91.5%までしか上がらず、その後もほぼ横ばい状態だったとのこと。

 強制調査前に自主申告した一部の業者は公正取引委員会の調査に対し「舗装大手のNIPPO、前田道路、日本道路 3社が協議して落札業者を決めていたと言うが、3社は東北高速道路支社や東北地方整備局に「これで良いでしょうか」と暗黙の了解を求めていたことは間違いは無いでしょう。

 公正取引委員会は今回、強制調査をしている複数の業者を過去にも舗装工事の談合で摘発しています。2003年の岩見沢市の談合事件では三井住建道路(当時は三井道路)、大成ロテック、ガイアートT・K(同ガイアートクマガイ)、鹿島道路などの談合を認定し排除勧告を。1998年名古屋市の舗装工事をめぐる談合事件では、NIPPO(当時は日本鋪道)、日本道路、大林道路、鹿島道路、東亜道路工業、大成ロテック、ガイアートT・K、三井住建道路(三井道路)などの談合を認定して勧告を。NIPPOや日本道路にはそれぞれ1億円以上の課徴金を命じていたとのことです。

 公正取引委員会は今回、国からの多額の補助金が出ている災害復旧工事も含まれているのに加え、対象業者が過去に違反を繰り返していたことを重くみて強制調査に踏み切ったようです。
 徹底的な解明を期待したいですね。

※ 犯則調査権とは
 裁判所に令状を請求し、強制的に捜索や物権の差し押さえができる権限。国民生活への影響が大きい悪質な談合やカルテルなど、行政処分だけでは改善を図ることができないと公正取引委員会が判断した事案などが対象で、検察庁への刑事告発を視野にに調査が行われる。公正取引委員会が権限を使ったのは13年9月の北陸新幹線の融雪設備工事をめぐる官製談合事件以来8例目。

※ 自主申告による課徴金の減免
 課徴金は受注金額の10%ですが、自主申告により減免されます。
 強制調査開始前に自主申告した場合は全額免除、2番目に申告した者は50%、3番目に申告した者は30%減額されます。開始後の申告した者は一律に30%、開始前と開始後で合計5社、開始後は最大3社までです。 
 再犯は免除されません。更に、10年以内に再度違反した場合、課徴金は5割増しになります。

 つぎに、(44)(45)で取り上げました厚生労働省の不正入札問題、昨年6月市民団体の告発を受け、警視庁捜査2課は当時職業訓練事業を担当していた女性企画官(49)と男性課長補佐(48)の2人を官製談合防止法違反の疑いで書類送検しました。
 厚生労働省の内部調査の結果「官製談合の疑いを招いたことは否定できない」としつつ入札の公正を害したとは言えないとして刑事告発は見送り、ふたりは停職1ヶ月の懲戒処分で終わって軽すぎる処分だと思っていましたが、今回の市民団体の刑事告発で書類送検、当然だと思います。
 市民団体に敬意を表します。

 今回はこれにて。