わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

レライ川 ベトナム便り 73

2006年06月07日 | できごと
最近は雨季と呼ぶのにふさわしく、毎日雨が降ります。
ほとんどの場合、まず黒雲が空を覆い始め、強い風が吹きます。風は東風です。そして、稲妻と雷がきます。そのあと、風がやみ、ぱらぱらと雨脚が急いだかと思うと、だっと降ってきます。ここまでだいたい30分ぐらいです。
だっと来たら、もうよほどのことがなければ、人、シクロ、バイク、自転車は物陰にひそんで動きません。どこかの軒先を借りて雨のやむのを待ちます。
先週の土曜日は私が学校へ行こうとした12時半ごろから、この“だっ”になりました。
ムア・ムア(ムアは雨のこと)とホテルの女将が、今行くのはよせよせ、と言います。
しかし、まあ、こちらはいまのところ、無遅刻、無欠勤ですので、というより、興味半分でスコールを味わいたくて、素足にサンダル、ズボンの裾をひざ上まで捲り上げて、200円で買った傘をひろげ、勇んで?スコールの中へ飛び出しました。
雨はいくら多くても、風がありませんから、傘の下はだいじょうぶです。ところが、ホテルの前の道は3mほどのの細い路地です。両側の建物からのまとまった雨水がまさに滝のように、左右から次々に襲ってくるのです。これには参りました。こんな雨の中を、物好きなやつだ、とばかりに両側に並ぶホテルのロビーでは、客や従業員が通り過ぎる私をおもしろそうに見物しています。
この路地を抜けて、ファングーラオ通りを渡るとそこに公園があります。
土砂降りの雨の中、7、8人の若者が上半身裸になって、バスケットボールをやっています。
天然シャワーの中で歓声をあげて、飛び回っています。(コートもリングもありません)
私よりずっと物好きだ、と感心しながら今度はレライ通りにでました。
あれ、10mほどの幅の大通りが、全面、川になっています。
どこか、浅いところがあるだろうと、こちらの岸をうろうろしても、ときどき通る車のタイヤが水にしずんでいる程度を見ると、どこも同じような深さです。
坂と呼べるような坂もないサイゴンです。お盆の中に降った雨のようなものです。
仕方なく、駐車しているバスの脇から川の中に足を入れました。水はすねの中ほどまであります。
ごみの浮いた“レライ川“をざぶざぶと渡り、学校についたのが1時5分前でした。
肩からさげたかばんは、ぬれてしまいましたが、他はたいしたことありませんでした。
2時間も降れば雨はあがります。
雨が上がって15分もしたら、ふしぎ、レライ川はレライ通りにもどっていました。
あの川の水はどこへいったのだろうと、頭をひねってみます。
メコンの下流域ではこれからの時期、2m以上水深が上昇するそうです。
10mぐらいの川での2mならたいしたこともありませんが、川幅が3kmにもなると、その水量は日本人の私には海の水のように思えます。
この日はスコールのおかげかどうか、ずいぶん涼しい一日でした。


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1 コメント

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Unknown (viet)
2006-06-10 22:26:31
今日本ですが、近々そちらに行きます。もし機会があれば、一献傾けて、お話を聞かせていただきたいですね。
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