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ジェイソン・グッドウィン『イスタンブールの群狼』

2008-05-12 01:17:51 | 読書
一応のあらすじは、

オスマン・トルコの宮廷に使えるヤシムが

王によって粛正された精鋭部隊《イェニチェリ》の残党が引き起こしたと見られる事件に挑む

というもの。


しかし、こう言った方がいいのでは



イスタンブールを舞台にした『観光地殺人事件』+『島耕作』





つまり仕事ができて、交遊関係も幅広く、料理が上手で、女性にモテる主人公が

古都イスタンブールで起きた不可解な事件に挑む

しかも、途中×2で、イスタンブールの歴史や文化、名物料理や観光名所に関する知識までも得られてしまう

という作品。


唯一の違いは、主人公ヤシムが宦官

…去勢されていること。



とはいえお色気シーンもちゃんとあるのでご心配なく、なんたって『島耕作』だから。


お色気、サスペンスに加えて、アクション、恋愛、陰謀、笑い、涙………

なんでもありのごった煮ストーリー。

章も細かく立てられていて、視座もころころ変わり

内面にも踏み込みすぎず


料理のシーン(だけ)は妙に描写が詳しい


しかし、それを破綻させることなく、見事にまとめあげたのは筆者の力量と「人種・文化のるつぼ」イスタンブールの懐の深さゆえと言うべきか



私は、ミステリーとして読むのは早々放棄しまして

緑色の脱毛軟膏、陶器製のおまるなど小道具や料理を中心に読みましたが

著者ジェイソン・グッドウィンさんが歴史学者であるため、とても興味深く十分楽しめました



トルコに旅行に行かれる方であれば

塩野七生さん『コンスタンティノープルの陥落』と共に持って行かれるのがよろしいかと



追記

塩野七生さんの『コンスタンティノープル~』も本作も、視座を頻繁に代える群像劇、まるでモザイク画のような作品でした。

これは、単なる偶然ではなく、
イスタンブールのように多くの文化・価値観が混じり合うことなく、それでいて都市としての一体性を持つ都市を描くには、
複数の視座がある「群像劇」が効果的な手法だからかな~~?と思いました

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