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古典にもっと時間を

2018-08-16 12:27:55 | 人生論

 

 勝海舟著  『氷川清話』

 

「上がった相場も、いつかは下がるときがあるし、下がった相場も、いつかは上がるときがあるものさ。その上がり下がりの時間も、長くて十年はかからないよ。それだから、自分の相場が下落したとみたら、じっとかがんでおれば、しばらくすると、また上がってくるものだ。大奸物・大逆人の勝麟太郎も、今では伯爵勝安芳様だからのう。

 しかし、今はこのとおりいばっていても、また、しばらくすると老いぼれてしまって、つばの一つもはきかけてくれる人もないようになるだろうよ。世間の相場は、まあこんなものさ。その上がり下がり十年間の辛抱ができる人は、すなわち大豪傑だ」と。

 

また、『新・ブルターク英雄伝』にこう書いてある。

 

「古代アテネに陶片追放という制度があった。市民たちは陶片に、この人がいては国家のためにならない思う人の名を書いて投票する。そして最多投票者を、罪もないのに理由もなく十年間国外に追放する。テミストクレスは、意見が対立した人気者のアリスチデスを、この手で追い払おうとした。

 投票日、町を歩いていたアリスチデスは、見知らぬ字の書けない男に代筆を頼まれた。なんと、アリスチデス、と書いてくれと言う。なぜ君はその人を追放したいのか、と聞くと、彼は即座に、なあに、別に理由はないが、あんまりみんなが、アリスチデス、アリスチデス、とほめるのがうるさいからさ」と。

この世の中は評判に左右される。しかし、評判が限度にくると、次には飽きられる。これはなかなか防げないようだ。

こういう文章を読むと、マスコミの一時、人気あった人が時間がたつと、急に悪者扱いされるのを何度も見て来た。かの、小保方さんのスタップ細胞の時や、野球の清原がいい例だと、思う。

現代、書店に並ぶ新書で十年、順調に売り上げている本が一体、どれぐらいあるのだろう。並んでは消え、並んでは消えの連続でないのか。

一か月も持たない本が多数ではないか。世間に多数、時事評論化もいるが、今年で中国は崩壊するとか、一か月以内に預金封鎖が行われるとか、平気で書いて恥じない面々が多数いる。トランプが当選する前など、多くの評論家は平気で嘘をついた。そして、責任を取らず、今でも平気で嘘を書いている。奇抜な事を言って、儲けたいのだろう。

だから、こういう分野に時間を費やすより、じっくり、古典をもっと見なすべきではないか、と思っている。


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