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カール・ヒルテイ著 『幸福論』

2018-08-06 13:46:02 | 人生論

カール・ヒルテイ著  『幸福論』

 

「交際相手としては決して愉快でないが、最も役立つのは、敵であろう。それは、彼らが将来友となる場合も間々あるから、というだけではない。とりわけ、敵から最も多く自分の欠陥を率直に明示され、それを改めるべく強い刺激を受けるからであり、また、敵は大体において、人の弱点について最も正しい判断を持つからである。結局、われわれは敵の鋭い監視の下に生活する時のみ、克己、厳しい正義感、自分自身に対する不断の注意といった大切な諸徳を知り、かつ行うことを学ぶのである」と。

 

我々人間が真剣に反省しても、たいした効果はないのではあるまいか。人間本来の自己愛心が、自分の欠点や失敗を直視しないようにする。

それより自分にとって勉強になるのは、他人の冷たい眼にさらされて、自分の弱みを白日の下にさらされた場合だろう。こればかりはぐさりと身にこたえる。

およそ人間が成長するのは、世間から叩かれた経験によってではないか。

 

野球ファンの昨日の試合批評のように、平凡で取り柄のない人でも、他人の欠点をあげる場合だけは、鋭い批評家となる。ライバルならなおさら、いわんや敵の目ほど恐ろしいものはない。しかし、萎縮したらおわり。他人の冷酷な眼線を浴びて、自分の至らざるところを映し出す鏡であると観念すればよいのである。


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