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平成とは?

2019-06-07 14:56:38 | 歴史

年間、かなりの人が自殺する。外務省も例外でないようだ。

 

 佐藤氏は、周囲に五人の自殺者を知っているという。

 

昔、竹村健一という評論家がいた。彼はマスコミにも出ず、本も見かけない。その竹村健一が、佐藤氏に身の引き方を伝授したという。

その結果、佐藤氏はテレビには出ないのをモットーにしているようだ。

 

 佐藤優  片山杜秀著  『平成史』

 

 

 1 外務省の役人も普通以下の人間がいる?

 

 外務省に入ってから隣の課の人が首をつった。その一年上の人間も飛び降り自殺した。練炭自殺した人間もいる。

 外務省には、陰険な官僚が多い。パワハラ上司の集まり。「君はどうして仕事ができないの?能力ができないからできないの? やる気がないからできないの? その両方なの?」とひたすら問い詰める局長がいるという。その部下が東大出の官僚だが、精神を病んで、地下のボイラー室で首をつった。

 

 

 昔は自殺の大蔵、汚職の通産、不倫の外務と言われたが、ある時期から外務省が三冠王になった。

 佐藤氏が勤務していた国際情報局と同じ五階に待命中の大使の部屋があった。五階トイレにあった手拭き用たタオルに、自分のウンコをなすりつける大使がいた。この大使は自分の人事に不満があったという。この現象は平成になってから出てきたようだ。

 

 

2 有名人のうまい身の引き方とは?

 

 

 

  竹村健一は3つ教えてくれたという。

  「一つは、テレビとの付き合い方。

 評論家マクルーハンは、97パーセントの情報はテレビで伝達され(今はインターネットか)、残りの3パーセントは活字で伝わると指摘。

 消費されるだけだから、テレビには気をつけろと。活字の世界で長生きしてメディアで影響力を持ちたいなら、テレビとの距離感が大事だ」と。

 

  2つ目はコマーシャルに出帝はいけないと。

 「もし、その商品に欠点が見つかったり、会社が問題を起こすと責任をとらされる」と。

 

 

 3つ目は、人と会う場所。

 

「政治家や出版社の幹部に呼び出されてもこちらから出向くなと。

 向こうからのオファーならこちらに来てもらえ。あるいは中立的な場所を指定せよ。こちらに用がある場合は、自ら相手の指定する場所へ行く。

 

 何より教えられたのは身の引き方。

彼は、最初、テレビから消えた。次に、ラジオを辞めた。最後に活字の世界から引退した。その過程で、自身が持っていた数十の会社を畳んだ。

 消え方は恰好よかった」と。

 

よく考えると、20年前、よく本を書いていた人が突如、見かけなくなる人が他にもいる。外交評論家の落合も最近あまり本を見ないが。どうしているんだろう。

 

 

3 優先順位の必要性?

 

 

  井上ひさしによると、「作家になったら、常にやりたいリストを100個作っておくことと。そして半年おきにハイクオリテイの順に並べ替えよ。そのうち1割が2割しか実現しないが」と。

 

これは、僕の日常生活でも応用できると思う。

目標はあくまで高くして、今の自分が本当にしたいことをリストにする。100は多いかもしれないが、それに近づけることはできる。

 

 

4 最近は右翼の特定の人へのテロがない代わりに、楽しく見える人を標的に?

 

 

 「戦前なら社会に対する不満があれば、権力を持つ特定の誰かを狙った。原敬や浜口雄幸、犬養毅らがそうだった。

 

 しかし、現在は、特定の個人に集中しない。権力のシンボルが存在しない。だから、豊かに暮らしていそうな人、楽しく生きていそうな人に憎しみが向かった。その象徴が秋葉原にトラックで突っ込んだ秋葉原無差別殺傷事件だった。

 

 秋葉原はパリのシャンゼリゼ通りやマンチェスターのコンサート会場が狙われたテロと共通している」と。

 

最近も、川崎の事件が起こったが、いつ、我々も標的にされるかわからない。

 

また、車をぶつけられ殺されてもおかしくない時代だ。

 

普段のメールやラインでもあてはまる。

 

PCのメールで二日返事を出さなくても問題はありません。しかし、LINEを既読にして一日返事しなければ、恨みを買う。殺人事件に発展する可能性が十分ある。

或る意味では、昭和の戦前時代の方が庶民にとっては住みやすかったのではないか。

 

 

5 日本人はどうして、テレビの報道を信じるのか?

 

 

 

「3・11の震災直後、下りの新幹線の席が取れない状況だった。しかし、メディアは報道しなかった。

 大手メディアの幹部は家族を九州や沖縄に避難させていた。原発事故後の報道統制をみると、この国は非常時に翼賛体制がとれる。

 メディアは繰り返し、「絆」「自己規制」「不謹慎」を言った。みんなが逃げ出したり、見棄てたりしないように翼賛的な情報で操作した。その結果、パニックが起こらず、ソフトランディングできた。

 

 

 たくさんのボランティアが被災地に入った。ボランティアは、現代における翼賛と言える。誰も強制しないが、自発的に国に奉仕する。ボランティアの動きを見ても翼賛体制を作れる社会だとわかる」と。

思えば、3・11の時、下りの新幹線が一杯などとメディアの報道を見た事がなかった。彼らの家族を優先させて無事避難させていたとはびっくりした。

テレビのいう事を日本人は100パーセント信じているのではないか。

 

いざと言う時の人間の姿が垣間見えて面白い。

 

6 小保方晴子氏の両親はあらかじめ知っていた?

 

  小保方晴子氏の両親は危機管理能力がある。STAP細胞発見当初、彼女はメディアにもてはやされた。しかし、両親は一度も表に出なかった。

 

 この種の報道の場合、親が登場して、「うちの晴子は・・・・・」と自慢する。きっと、両親は知っていて出てこなかった。「また晴子がしでかした。今回はスケールが大きいから大変だ」と。

 

 

7 コンビニと監獄は似ている?

 

「村田沙耶香の『コンビニ人間』を読んで想起したのが監獄だった。導入部分で客がポケットに手を入れて小銭を出そうとする。小銭に音を聞いて、タバコか新聞を買う客だと推測するシーンがある。佐藤氏はここを読んで、既視感を覚えた、という。東京拘置所で、看守が鍵束を出す音とタイミングで自分の房が開くかどうかが分かると。

 あとは主人公が同棲相手に与える餌。監獄では「配当!」という合図とともに小さい窓から食事が入れられる。コンビニと監獄の間にアナロジーがあると。社会の監獄化を表現した小説なのか」と。

 

これは、日々の習慣で感じることでないだろうか。同じ時間帯に同じ人に道端出会い、此の身振りの後に、挨拶ほをするなとか、上司がこういうと、恐らく、怒られるだろうとか予想がつくのと似ている。

 

 

8 最近の芥川賞の本は読む価値がない?

 

 

「芥川賞の変質が顕著になったのは、2003年の綿矢りさ、金原ひとみからでしょう。

 その翌年から本屋大賞が設立された。従来の文学賞に対する不満があった」と。

 

 

9 西邊邁氏の自殺は保守というより唯物論者として自殺した?

 

 

 「人間は二十歳のころに本格的に触れた何かから離れられない。思想でも音楽でも宗教でも、無意識にそこに回帰していく。

 西邊邁は大学時代にブント(共産主義者同盟)に加入している。彼は原点だったブントの活動家に立ち返って自殺した」と。

 

 

 いろいろな説があるもである。オフェーリアの真似た自殺という説もあるが。


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