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ハゲに効くものはあるのか

2019-02-27 18:29:03 | 歴史

最近、健康番組にハゲに効く食べ物はイワシの缶詰がいいと放映されていた。一か月食べ続けると、効果あるという。眉唾もので、ハゲに効くかもしれないが、他の臓器に障害が出るように思う。

また、作家の百田尚樹氏は見ての通り、ハゲている。それで、よく、薬局へ行って、ハゲ薬を買うという。氏によると、

 「三十歳くらいから髪の毛が薄くなった。あらゆる養毛剤を試したが、効果なし。養毛剤は、しょっちゅう、新製品が出る。養毛剤は効かないからです。ハゲで悩む人は既存の養毛剤をほとんど試している。

 薬品メーカーはハゲの心理を見抜いており、「ついに出た。これこそ究極の養毛剤」と売り出す。しかし、試しても効かない。そうするうちに、またもや新製品発売のニュースとなる。ハゲはまた騙されるのです。

 

 ある日、初めて行く薬局で、一番効く養毛剤をくれ、高くても買うからと言うと、

 店の主人がある製品を出してきた。

これは絶対に効きます。養毛剤の中で一番ですと。

 でも、次の瞬間、アッと思いました。なんと店の主人の頭頂部がカッパのようにハゲていたのです」と。

ハゲに効く食べ物や薬は本当にあるのだろうか。

 

 

 荒俣 宏著   『ハゲの文化史』

 

 

1 昔から、黒豆、胡麻油、ショウガは黒髪を生やすのに効果があった?

 

 「日本女性の髪を黒くする秘薬があった。戦国時代は、頻繁に髪を洗い、ふのりとうどん粉を入れた湯で髪を洗い、胡麻油を煎じた羊毛料を塗り付ける習慣があった。また、黒豆を煮詰めて塗れば、数日のうちに髪が黒く長くなると、信じていた。

 

また、マメ科のエンジュの実か、黑ゴマを毎日食べていれば、白髪は生じないと。もっとすごいのは、白髪を全部抜いて、その後に胡麻油とショウガの皮をつけておけば、黒髪が生える」と。

 

黑い食べ物がハゲには効くと、聞いたことがある。科学的証拠はないようだが。

 

2 日本で戦後、かつらを作ったのは夏でも熱いカレーを食べるため?

 

「かつらは夏にカレーを食べると、香辛料の作用で頭から汗が出る。その汗がかつらの下を通って顔に流れ落ちる。これが不快となる。

 

 そこでアートネイチャーの社長はカレーを食べられるウイッグを理想とした」と。

 

僕は、これを読んで、反対に、熱いカレー好きな人にハゲが多いのではないか、と思った。

いや、辛い物好きの人にも多いように感じるが。

 

3 ハゲに効く薬を飲むとガンになるかも?

 

「男性用型脱毛症に特に効果が期待できる薬剤二つある。

一つは外用剤の「ミノキシジル」で、アメリカのFDAで唯一認められている。アメリカでロゲインと言われ、日本でも別名で売られている。

 

 もう一つは、フィナステリドという内服薬がある。最も新しい治療法だ。女性には使えず、男性のみ効果がある。

 

 しかし、フィナステリドを服用して、知っておくべきことは、効果が現れるまで最低半年、一年は続けなければならない。

 

 医薬品としての発毛薬は、現在開発されている薬が限界だ、と言われている。

 

 なぜなら、短期間でぼうぼう毛が生える薬が開発されるなら、発ガン性物質になってしまうから」と。

 

何でも、ある一部に効果あるものを使い続けると、副作用があるはずだ。

強烈に効くと聞けば、使いたくなるのが人情。

ダイエットでもかつて、バナナダイエットが良いと聞いて、バナナばかり食べて痩せたが、病気になった人が多いと聞く。

今は、サバ缶ダイエットが流行っているが、こればかり食べると、他の内臓なり、頭なり、どこか異常をきたすだろう。

 

 

4 平安貴族の女性は顔より髪の長さが美人の条件だった?

 

「髪は、聖なる力の象徴だった。長ければ長いほど、その力は大きくなると信じられた。

 日本人とて長い髪の毛を愛した。平安時代の女性は、男に対すると、檜扇で顔を隠した。髪の長さで魅力をアピールした。

 

 村上天皇の女御の芳子は、とびぬけて長い髪の毛をしていた。

 内裏から御車の中におわしても、御髪の方は、裾がまだ母屋の中の柱に残っていた。

 

 日本の場合、驚くような長い黒髪を芸術品とする傾向があった。奈良の興福寺に寺宝として、長さ約二メートルの真っ黒な髪が秘蔵されている。光明皇后の髪と言われる。

 

 吉野の洞川にある天川弁才天には、「七たび陰毛」と呼ばれる、約十五メートルの毛が秘蔵されている。この毛は髪ではなく、体毛だという。

」と。

僕は、平安時代の女性はこんな長い髪の毛をしていると、億劫でなかなか、外へ出られなかったのではないかと、思う。まして、散歩などいやだっただろう。当然、ジョギングも出来ない。

だから、春夏秋冬の景色を眺めて、和歌を作るのが趣味になったのではないか。

 

 

5 平安時代は、髪の毛で人形を作り、呪う?

 

 「平安時代、用心しないといけないのは、抜け毛。とても長いから、十二単のあちこちにからまる。うっかり喧嘩相手の手に渡ると、髪の毛で人形を作られて、呪われる。髪には魂が宿っていると信じていたので」と。

 

6 西欧も日本も乱れ髪に美意識があった?

 

「髪のエロティシズムというと、女の乱れ髪を思い出す。

 与謝野晶子の『みだれ髪』に

 

  くろ髪の千すじの髪のみだれ髪

    かつおもひみだれおもひみだるる

 

とある。恋心の思い乱れる様子が乱れ髪と重なり、えもいわれぬ興奮を覚えるのは、当時の青年ばかりではなかろう。

 

 このクネクネと曲がりくねり、からまるようにやわらかい感触が、女体そのものを連想させた。

 

 アールヌーヴォーの美意識も、つる草、髪、水の流れなど、繊細で力が弱く、現実世界の重力では立つことの出来ないフォルムにこの世にないファンタシースターを象徴させた。

 日本でもヨーロッパでも、みだれ髪にエロティシズムに固執した。

 

 

  ラファエル前派の人々のうち絶頂は、ミレーの『オフェーリア』だろう。美しい女が川に身を投げて、死んでいる。仰向けに浮いた体のまわりに長い髪がまとわる。髪と水、美と死、この神秘的な組み合わせが日本にも伝わり、鏑木清方も『金色夜叉』挿絵に描く。

 神秘である世紀末の美学は、乱れ髪の女というエロティシズムをつくった」と。

7 日本の河童の由来は、近世に、宣教師の頭を見て、河童と勘違いしたから?

 

「カトリックの剃髪には、面白い名前がつけられている。

 

 側面を残して中央部を剃ることを聖ペテロの剃髪といい、頭髪すべてを剃り上げることを聖パウロの剃髪という。

 聖ペテロは漁師で、聖パウロは初めはユダヤ教の信者だった。厳しいユダヤ教を連想させる聖パウロの方が、完全に剃り上げることになった。

 

  近世、流行した妖怪「河童」が、西洋の宣教師の風俗に由来したという。

 日本に来たヤソ会の宣教師は、頭をペトロ剃髪にした。おかっぱ頭である。

 

 煩悩を断つための剃髪が、その異様な外観のために妖怪と間違われるとは。河童は旅人や鳥を沼に引きずり込む、強欲の権化だから」と。

 

もし、秀吉や家康がキリスト教を禁止しなければ、日本はポルトガルの植民地になっていただろう。

 

宣教師を河童と見た日本人のセンスは的をえていたと思う。

もし、日本に来た宣教師がペテロ剃髪ではなくて、パウロ剃髪なら、どうだろうか。

日本の変わった僧侶として崇めたかもしれない。その時は、近代になっても、日本は東南アジア植民地のように扱われ、英語が標準語になっていたかも。

8 着物の曖昧さが日本の伝統?

 

「ルイス・フロイスが信長に出会い、印象を本国に送った。

 日本覚書に日本とヨーロッパの風習の違いを述べている。

 

 衣服について、「日本の着物は女にも、男にも使われる」が、ヨーロッパの衣服は「身体にきちんと合い、ぴったりし、窮屈である」と。

 

どうも、西洋は服装からして、ぴったりでないと、いけないという合理性があったようだ。

 日本は多く、曖昧でぼかすのがよい。はっきりと、相手の非を理性的に言って非難することを日本人は嫌う。だから、弁護士の数もアメリカに比べ日本は少ない。

ただ嫌な点は、つきあいで、飲みに行ったりするのを断る時、理由をはっきり言えない時か。

 

9 ハゲの原因はセックス好きで、治療するには、音楽を聴くことか?

 

「古代ギリシャの医師ヒポクラテスは二千五百年前に、去勢者にハゲはいない、と明言した。

 

 アリストテレスは、禿げる原因として、過度なるセックスを挙げた。体液を放出すると、養液が頭から脊椎骨を伝わって流れ落ち、精液を補充する。

 毛髪に養分を供給していた養液の減少で、頭髪は栄養不足になる抜け落ちる。

証拠として、セックスをしない子供や精液を放出しない女性に禿げ頭はいないと。

 

反対に、ハゲ頭は性能力の枯渇を意味する。

 

 ヘア・トニックのトニックが、トーン、つまり音質に由来する。古代ギリシャ時代に数学のピタゴラス教団が唱えた音楽療法によっている。

 

 病気は人体を流れる各液体の不調和によって生じる。不調和を治すために、音楽でいう和声の美しい響きを聞かせればよい、と信じられた」と。

 

植物もいい音楽を聴くと、よい植物に育つらしい。人間も脳は何か、人体と別格で、別の人間を乗せている感じする。

 

 自分であって、自分でない脳といおうか。

脳にクラシック音楽を毎日聴かせると、効果があるかもしれない。