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映画「ブラインドネス」の原作である。著者ジョゼ・サラマーゴ。ポルトガルのノーベル賞作家とのこと。
「ブラインドネス」も映画として面白いものだと思ったが、原作の「白の闇」はこれに輪をかけて素晴らしかった。
哲学的で深いのだ。
それぞれの登場人物の心の動きが細やかに鮮やかに描かれている。映画ではさすがにこうは描けなかっただろう。
これを読むと、映画は小作りにまとめられているなぁと感じる。
段落やカギカッコなど一切なく、ただ連綿と続いていく文章に最初びっくりしたが、リズミカルな表現力に惹き込まれてすらすらと一気に読んだ。
先に映画を見たので、主人公である医者の妻は演じたジュリアン・ムーアを思い描きつつ読んでしまった。本当にぴったり。
この本の何年後かを描いた作品もあるそうだが、日本語訳は未だ。早く読みたいものだ。