カフェ・ラベンダー

のんびり気まぐれ生活あれやこれや

「カルメン故郷に帰る」’51

2009-08-28 08:10:51 | 映画・ドラマ
ちょっとここで映画の話を。

高峰秀子主演のこの映画。浅間山麓、北軽井沢周辺が舞台だと聞いて俄然見たくなりました。
たまたまツタヤにあったので即レンタルを。

木下恵介監督・脚本で51年の映画。日本初の総天然色映画なんだそうです。

雄大な浅間山をバックに。
高峰秀子演じるストリッパーのリリィ・カルメンが友人と故郷の浅間山麓の村にお里帰りするところから始まります。

     

この村は北軽井沢。ロケは浅間牧場でしたように見受けられました。

          北軽井沢駅。

          

          なるほど。ちゃ~んと旧字体になっておりますね♪

          

               高峰秀子。左小林トシ子。
               あの頃にしてはとても大胆な格好ではないでしょうか。
               デコちゃん、はちきれそうです。
               観客も口あんぐりだったのでは?

               

笠智衆。北軽井沢小学校の校長を演じる。
ここで運動会が行われます。
チェックしてみたらこの学校は今でも実在。



     左佐田啓二。関口宏のお父さんであらせられます。
     盲目のオルガニストを演じます。

     
               
               見たくてたまらなかった草軽鉄道の高原列車も見ることができました。
               満足、満足。

               

後が無蓋貨車、前が客車になってますな・・



音楽黛敏郎で、佐田弾くオルガンのテーマ曲が何とも哀愁を帯びております。
ファンタジーのような・・・コメディです。
ちょいといい話です。























「ハプニング」

2009-08-02 16:50:02 | 映画・ドラマ
もう1本、面白かったSFが、ナイト・シャマランの「ハプニング」だ。
元々が私、シャマランの「シックス・センス」や「サイン」などが大好き。
こちらも楽しめた。「ブラインドネス」でもそうだが、本当にこんなことがあり得そうな感じが怖い。植物の大逆襲なんてね・・・

左よりマーク・ウォールバーグ、アシュリン・サンチェス、ズーイー・デシャネル

            

アシュリン・サンチェス、ジョン・レグイザモ、マーク・ウォールバーグ

            

主演のマーク・ウォールバーグは「ディパーテッド」の刑事役で注目した俳優さん。光る脇役でした。





「ブラインドネス」

2009-08-02 09:21:39 | 映画・ドラマ
恐ろしくもとても面白いSF映画を2本見た。

まずは「ブラインドネス」。
日本・ブラジル・カナダ合作の映画で使用言語は英語である。
監督は「シティ・オブ・ゴッド」や「ナイロビの蜂」のブラジル出身のフェルナンド・メイレレス。

ある日突然地球上の人々が次々に失明していってしまうというホントに恐~い恐いお話だ。
政府は失明した人々を収容所に送り込むが、ついには殆どの人々が失明してしまい、街は大混乱に陥り、暴動や略奪が起こり・・・
舞台はアメリカのようだが、自制心の強い?我々日本人だったらこんなことになるだろうか・・・と思う。
阪神大震災のとき、暴動・略奪など起きなかったことに感心した外国人がいたそうだから。

で、原因不明で失明するということが実際に起きても何となく不思議はない、ということがさらに恐いのだ。

伊勢谷友介と木村佳乃の英語がネイティヴみたいに自然で上手なのに驚いた。
ラストの伊勢谷のシーンは感動的で何度見ても涙が出てきてしまう。

ジュリアン・ムーア

最近SF物も多いような気がするけれど、いい役者さん。
しっとりと素敵で強い人妻でした。



眼科医の夫役のマーク・ラファロとジュリアン・ムーア

マークは少々太って円熟味が出てきた。



         

酷い悪役を割り当てられたガエル・ガルシア・ベルナル



木村佳乃



         伊勢谷友介とドン・マッケラー
         ドンはこの映画の脚本家だそうな。
         悪役を楽しんで演じているような感じ。

         

ホントによく出来ていたと思う。この映画。
図書館で原作を借りてきた。




「劔岳 点の記」

2009-07-31 00:36:03 | 映画・ドラマ
            

公開の週でしたか劇場鑑賞しました。

木村大作監督。この方は長い間黒澤明監督の映画で撮影監督をつとめてきた方とのことです。
公開前はTVに出まくり、その威張りくさった態度が私ゃ鼻についたものですが・・・

日本地図を製作するため山に登る測量士たちが陸軍に所属していたとは初耳でした。
フィクションではありますが、こんなことをやっていたんですね・・・
見る前は私、こんな山岳映画ですから、必ず誰か死ぬのだろうな、悲しいだろうな、と思っていたんです。
ところがいざフタを開けてみたら誰も死んだ人はいなかった、そこが本当によかった!
とても清々しい映画で感動し、涙が出ました。大作のおっちゃん、ようやったね!

清廉潔白で訥々とした浅野忠信がよかった。
宮崎あおいとの新婚生活はつつましやかで初々しく素敵な描き方ですね・・・
そしてヨッ!仲村トオルもよかったですね。う~ん、手旗信号のあの場面はよかったなぁ・・・

暑いさなかに清涼な風が吹き抜けていくような、そんな映画を見ました!



「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

2009-07-30 00:18:16 | 映画・ドラマ
            

「ハリポタ」だけは全シリーズ、劇場鑑賞したいと思っていたので早速行ってきました。少しずつ面白くなくなってきているとはいえ、やはり最後まで全部見届けたいものです。

ハリーたち、大分成長してすっかり青年になっていました。ハリーやロンの骨格のしっかりしていることといったら・・・やはり外人さんだ、と思っても見たり。
エマ・ワトソン演じるハーマイオニは光っていました。エマはこれから大人の女優さんとして成長し活躍していくでしょう。楽しみです。

しか~し、文句をつけてもしょうがないのだけれど、ロンとハーマイオニはミスマッチなのだな。ハリーとジニー。う~ん、やはりハリーとハーマイオニでしょう。こちらの方がドンピシャリ合っているような気がします!

「マルタのやさしい刺繍」

2009-07-13 19:14:30 | 映画・ドラマ
      

      左から2人目。マルタを演じたシュテファニー・グラーザー

DVDにて鑑賞。スイス映画。監督ベティナ・オベルリ。

スイスの山合いにあるドイツ語圏のある村の中の(現代の)物語です。

マルタというおばあちゃまが夫を亡くし、生前2人でやっていた小さな雑貨・食料品店を昔とった杵柄、繊細なレースで刺繍を施した高級下着の店に生まれ変わらせようとするのですが・・・
牧師である息子や村の人々にみっともないとか、いやらしい店とか言われ、さんざん意地悪されます。

スイスの村のあまりに封建的・因習的なのにびっくりしました。

考えてみれば、スイスという国は婦人参政権が認められたのがヨーロッパで一番遅かった国の1つといいます。71年にフランス語圏の数州で認められたとのことですが、スイス全土、全州で婦人参政権が認められたのは何とついこの間の93年のことなんですって。
そう考えると、何かこの映画の中の人々の態度、わかるなぁ・・・

途中まで村の人々(主に男)の態度にむかっ腹を立てつつ、はらはらしながら見ていましたが、ラスト自分を貫いたマルタにほっとし、胸がすきました。いい映画でしたわ。
と、同時にここにも、こんな保守的な村にも老人問題が頭をもたげてきているんだなぁと思わされるエピソードもあって胸が痛くなりました。


「マンデラの名もなき看守」

2009-07-03 22:21:48 | 映画・ドラマ


監督のビレ・アウグストはデンマーク生まれ。

反アパルトヘイトの反政府運動を組織・扇動したとして27年もの気の遠くなるような長い間、
南アフリカの刑務所に収監されていたネルソン・マンデラと彼の看守ジェームズ・グレゴリーの物語。
ジェームズ・グレゴリーは原作者である。実話を元にしたもの。

ジェームズの妻役はダイアン・クルーガー。

このダイアン・クルーガー。私は南アフリカ生まれの女優だと勘違いしていた。
なんたってクルーガー金貨というくらいだもの。本当はドイツ出身だそうだ。
南アフリカ生まれはシャーリーズ・セロンだった。

ジェームズ・グレゴリーが最初に赴任した刑務所のある島にマンデラは収監されていた。
子供時代にコーザ族(マンデラもそうだ)の少年と遊んでいたジェームズはコーザ語ができたから、
上の人々からも収監者宛ての手紙の検閲係として、また諜報員として重宝されたし、
マンデラからも親しみを持たれた。
ジェームズもマンデラの思想に強く惹かれるようになる・・・

ジェームズがずっとマンデラ付きの看守であったというわけではなく、
島を出てから再びマンデラとの橋渡し役を申しつけられるまで、長い年月があった。
その間、「黒人好き」との烙印を押され爪弾きにあい左遷させられ、
息子を亡くしとジェームズ一家にも苦渋の日々があった・・・

もっとお話がドラマチックに盛り上がるのかと思っていたら、むしろ淡々と展開してゆく話で、
却ってこの淡々さがよい感じだ。静かな感動で心が満たされ熱くなる映画である。








「愛を読む人」

2009-06-24 22:56:18 | 映画・ドラマ



          


今日は太極拳の先輩であるHさんとMさんと一緒に公開されたばかりの映画、「愛を読むひと」を見に行った。お2人ともとても映画好きな方々で、私はこの日を楽しみにしていた。

監督のスティーヴン・ダルドリーの「リトル・ダンサー」は大好きだし、「めぐりあう時間たち」も素晴らしかったので期待大だったのだが・・・

映画の設定にどうしてもちぐはぐな印象を持ってしまい、お2人のようにはのめり込めなかったのである。
主演のケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、デヴィッド・クロスの演技は素晴らしかったのだが・・・

ケイト演じるハンナは文盲であることを大変に恥じて、申し開きせず嘘の供述をしたため、濡れ衣を着せられる格好になってしまい、終身刑を言い渡された(実際は20年に減刑になった)。他の看守は4年ほど。終身刑になっても口を閉ざすハンナのこのプライドとはどんなものだったのだろう?
ハンナには友達も家族も誰もいなかったというではないか。このぎりぎりの局面にあって、誰に対して恥ずかしかったのだろう? もう失うものは何もないはずだと思うのだけれど。
このプライドで20年の代償と自死とはあまりにむごく重い。

レイフ演じるマイケルも歯痒くもどかしいのだ。事情を知りながら、なんとか手を廻して彼女を助けられたのでは?
確かに彼女を傷つけるのを慮ってあんな方法をとり、本を朗読してテープを送り続けたのは素晴らしいけれど手を拱いているように私には感じられた。
テープを聞くのはハンナの至福の時だった。しかし文盲を知られるのはいっときの恥。こうなったからには早めに出獄させて文字をaから教えてあげることもできたはずだ。

ましてや戦時中、文盲も少なくなかったはずだと思うのだ。恥ずかしいことではないと説くこともできたのでは?

ナチスのしたことは極悪非道なのはもちろんだが、ハンナもある意味、戦争犠牲者なのだと思う。上から命令されたことを淡々とやらなければ罰されただろう。

2人の間の情感はHさんのおっしゃるようにとても素晴らしいけれど、こんなところが気になって気になって、私は映画に入り込むことができなかったのである。

でも何でも言って、と言われストレートに素直に思うことが言えたのはよかったです。

映画の後、ベトナム料理のお店に行き、ベトナム麺(フォー)のランチセットを頂いた。生春巻きとデザート付き。とても美味しかった。
映画のお話、読んだ本のお話、旅行、人生観(これは最近通った臓器移植法を主に)などなど、話は尽きなく本当に楽しいひとときを過ごした。これからも末長いお付き合いを続けていけたら、と思う。

今日はお料理の写真はナシ。





「ブーリン家の姉妹」

2009-06-17 21:00:54 | 映画・ドラマ
王朝物2本目は「ブーリン家の姉妹」だ。ジャスティン・チャドウィック監督。フィリップ・グレゴリー原作。

「王の男」ほどではなかったが、こちらもまた楽しめた。
史実を元にしながら、よくもここまで面白いものを作ったものだと思う。
役者さん、舞台装置、演出など、どれも素晴らしく、あの時代に入り込んだよう。

こちらも16世紀初頭のお話。ローマ教皇庁と袂を分かちイギリス国教会を設立したイギリスの暴君王ヘンリー8世と、彼の女(姉は愛人、妹は王妃)となったブーリン家の2人の姉妹の物語だ。
映画ではヘンリー8世はそう悪くは描かれていないが・・・

石井美樹子著「エリザベス・華麗なる孤独」を読むとヘンリーとブーリン家のアンに関する話が詳しく出てくる。アンはエリザベス一世の母。
映画では計算高く悪者扱いされていたアンだが、実際はヒステリックで気の強い女ではあったが、王に愛想尽かしされたため、濡れ衣を着せられ処刑された可哀想な女性のようだ。

20年間結婚生活を続けていた后キャサリン・オブ・アラゴンを離縁し、キャサリンの侍女だったアンに惚れて后にするも、アンが世継ぎとなる男児を産まなかったため、また自分に新しい恋人(後に結婚)ができたため、アンの気の強さが嫌になったため、などなどの理由でヘンリーはアンの抹殺を企てた。

アンは左手に6本指があったため、また顎の下に疣があったため、魔女だと言いふらされ、5人の男と不貞をはたらいた(うち1人は実の弟だ)かどで裁判にかけられ処刑された。(実際は事実無根)。

映画では腹黒い叔父役だったノーフォーク公爵トーマス・ハワードの娘キャサリン(アンの従妹にあたる)も後にヘンリーと結婚したが、処刑されたという。

結局ヘンリーは6人の妻を娶り、二人を離縁し、二人を処刑、一人を病死させ、最後の妻より先に死んだ(最後の妻キャサリン・パーは賢い女性で殺されないよう上手く立ち廻った。また幼いエリザベス王女を慈しんだ)。

恐いですね~ 恐ろしい絶対君主制。ホントにあんな時代に生まれないでよかったよ、と思ってしまう・・・

スカーレット・ヨハンソン(メァリー)。ナタリー・ポートマン(アン)。


          スカーレット・ヨハンソン。エリック・バナ(ヘンリー8世)
          

               マーク・ライランス(アンとメァリーの父)。エリック・バナ。
               

クリスティン・スコット・トーマス(アンとメァリーの母、レディ・エリザベス)。
いい役柄でしたね。光っておりました。


          デヴィッド・モリシー(ノーフォーク公爵、レディ・エリザベスの弟)。
          

               そして・・・永遠の少女だったアナ・トレントは優雅で威厳のあるお后さまになった・・・
               

「王の男」

2009-06-10 18:51:37 | 映画・ドラマ
最近素晴らしい王朝物を2本見たので書きとめておこう。

1つめは韓国、2006年の作品。原作キム・テウン。監督イ・ジュニクで、16世紀初頭の物語である。

何故この映画を見たのかというと、私の好きな「チャングムの誓い」の原作(いや、原作と思っていたら、ドラマが先にあって書き起こしたのだそうな)を読んでいて、最初の方に出てくる暴君王、嚥山君(ヨンサングン)に興味をひかれたから。韓国のネロ、と言われたほどの暴君で近親者を含む多くの人を殺したという。
(悪行がたたり後に臣下たちのクーデターに遭い、王位剥奪、島流しにされた)。

「チャングムの誓い」の冒頭で、嚥山君の母親の王妃が陰謀に遭い、毒を飲まされて殺される場面が出てくるが、その時まだ幼かった嚥山君は後からそれを知らされ怒り狂い、事件に関係した人々を全て抹殺したという。(父方の祖母さえ殺したといわれているらしい)。
この映画は、そんな複雑で悲しい過去を持った狂王の物語。いや、主人公はどちらかといえば嚥山君ではなかった。
むしろ彼が雇って宮廷に引き入れた芸人2人の物語である。

チョン・ジニョン。嚥山君を演じた。素晴らしい貫禄と演技に惚れぼれと見とれる。
臣下の反対を押し切り芸人を宮廷に入れる。




イ・ジュンギ。
王に気に入られる女形の芸人、コンギルを演じる。




カム・ウソン。コンギルと恋仲の芸人。



王お気に入りの側室ノクス(カン・サンヨン)。
が、その座をコンギルに奪われそうになり嫉妬する。
むくれた顔もまた可愛らしい。




と、まぁこの4人の物語なのだが、残酷だが美しく、悲しくも面白いのだ。
史実を元にしながら、よくもまぁこれだけ見応えのある重厚、かつ面白いものに仕上げたなぁと唸ってしまう。
それに純愛としても素晴らしいのだ。
音楽もクラシック調でとても美しい。
傑作である。

それにしても・・・人は権力を持つと何と恐いことか。