なんちゃって日記

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いっぱいいっぱいだと自分に甘くなる

2012-11-08 18:23:06 | 日記
キャパがいっぱいいっぱいな時ってどうも自分に甘くなりますね。
余裕なんかない癖に観たい欲求を抑えられなくて行ってきちゃったよ、DELL-COLORED POP『完全版・人間失格』!
初演の時から超!超!観たかったのです。
今回の公演は、初演に引き続いてコロさんのが主演のバージョンと、原西忠佑さん主演の男バージョンがありまして、ワタシが行った回は男バージョンでした。

実はワタシ、文学研究科の院生のくせに太宰治の『人間失格』を最後まできちんと読んでおりません。
高校時代に手には取ったのですが、思春期まるだしの当時のワタシには陶酔しきってる感が鼻について、「ああ、こんな感じで話が進むのか」と、心中を図って主人公だけが生き残ってちょっとしたあたりで脱落しました。
そして残りはパラパラ読んで、全体のあらすじを掴んだ感じです。
なので、原作と今作の関係はよくわかりません。
あ、ちなみに生田斗真が主演の映画は観ました。
よく原作を知らないながらもアレはさらっとしていて美しすぎるのではないかと思っています。

では、とりいそぎではありますが、ネタバレ防止スペースを取って感想をば!


















今回の劇は太宰治の『人間失格』に、脚本・演出の谷賢一さんが原作から受け取ったものを足して劇という形で表現したものという印象です。
そういう意味で「完全版」としたのだろうと思います。
今回の公演は青山円形劇場で行われたのですが、主人公と主人公を取り巻く環境を表現するのには円形の舞台は効果的だったと感じました。

原作を知らないせいなのかもしれないけれど、ちょっと不完全燃焼な感があります。
正直物凄くハードルを上げた状態で観たのもあるんですが、なんというか、思いのほか保守的な印象を受けました。
新鮮味があったのは葉蔵を取り巻く人々がマダム以外も彼について語る所かな。
ただ、あのシーン長かったなぁと思います。

気になったのは音楽。
なんとなく意図はわかる気がするけれど、ちょっとシーンとの一体感が感じられないものが多くて残念でした。
円形劇場ゆえに、かも。
特にメランコリニスタと丸サディはう~ん…。
後者は狙いすぎた感が強いです。

あとは現代風のアレンジについて。
ワタシの理解力が足らないのかなぁ。
正直意図がよくわからないんです。
原作の持つテーマの普遍性を見せたかったのか、現代的価値観とのギャップなのか。

印象に残ったシーンは、心中を図った後の取り調べのシーン。
原西さんと東谷さんのやり取りがとても面白かったです。
役者では村上さんがとてもよかったです。
もともとすごく声に引力のある俳優さんだなぁと思って注目していた方なんですが、柿では見られなかった内向的な演技が観られて、本当にごちそうさまでした!
女性陣も揃いも揃って魅力的だったので、ツネ子(とマダムもかな)以外を横一列に並べて扱っているような印象になってしまっているのがもったいなく感じられました。

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