なんちゃって日記

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時間堂『ローザ』

2012-05-31 01:16:17 | 日記
先日久々に劇を観に行ってきました!
時間堂『ローザ』。



この劇団は前に一度公演を観たことがあって、劇自体もさることながら、舞台美術やフライヤーがすっごく素敵なのが印象に残っていました。
今回の公演に興味を持ったのもやっぱりフライヤーがきっかけです。
フライヤーっていっぱいもらうけれど、正直あんまりこういうことってないんですよね。

東京公演はもう終わっているのですが、一応ネタバレ防止スペースを取ってから感想を書きます。





















ザックリ言うと、亡くなったローザを慕う4人が順繰りにローザを演じながら彼女との日々を再現・検証する話。
「劇中劇的に再現される4人の思い出からローザの人物像と人生を浮かび上がらせる」という物語の仕組みが素晴らしかったです。
また過不足なく適切な量の情報が与えられていたのではないでしょうか。
政治活動にかける情熱、友への温かな言葉、生前の彼女の輪郭が明確になればなるほど、それが幻であることが強調される。
そんな清涼感のある切なさを感じました。

ローザ・ルクセンブルク。
スパルタクス団のひとなんですね。
大学受験の時世界史選択だったくせに全然ピンとこなくてお恥ずかしい限りです。
開演前に前説で予備知識がなくてもだいじょうぶと仰っていて、たしかにその通りだったのですが、やはりその時代を理解していた方がより楽しめる話だったと思います。
この頃の社会主義者や共産主義者って、なんか過激で血生臭いようなイメージがあったんですが、それを払拭したのが映画『グッバイ・レーニン』でした。
なんていうのか、ワタシの感覚だと「非現実的」と表現してしまいそうな理想的な社会の実現を信じている人たち…なのかなぁ、と映画を見て思ったのです。
熱狂的なまでに限りなく純粋な人たち。
この劇中のローザもそんな人々のひとりとして造型されていた印象です。
自由とは何かとか何が正しいのかみたいなメッセージもあったのかもしれませんが、あんまり感じませんでした。
(実はちょっとこの時代を舞台にしなくてもよかったんじゃないかって気もしてます。すみません。)
あくまでローザと4人の関係が中心で、4人の思い出を通してローザを描く方法の実験に居合わせたかのような90分。

1番最初にローザを演じることになるルイーゼ役のヒザイミズキさんがとにかくよかったです。
ヒザイさんのローザが劇中のローザ像の基盤でした。
「私の~さん」というフレーズの温かみと文学の香りが染み渡るような。
ここで彼女を魅力的な人物だと感じられなかったら間違いなく90分持たなかっただろうなぁ。
あと、客席と舞台が近いのは正解だったと思います。
観客にグイグイ迫ってくるような劇ではないので、あのくらいの臨場感・緊張感がないと眠くなる気がします。
ワタシは劇側からグイグイ来られると引いてしまうタチなので、とても心地よい距離感で観られて楽しめました。
(ただコレはダメな人は本当にダメだろうなぁ。)

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