試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クモハ101-38[トタ5F] 側面窓セル窓サッシ印刷補修,ガイド付プリズムケース更新施工 (廃車発生品転用)

2018-05-22 21:36:54 | 国鉄/JR101系
両側。

KATO製国鉄101系クモハ101-38(トタ5F:Tc14)が入場した。
クモハ101-38では側面窓セル窓サッシ印刷の劣化が進んでいる。
トタ5Fの原形復帰入場とは若干趣旨が異なるが同時に修正を図る。


国鉄101系クモハ101-38(トタ5F)。

KATO製101系での側面窓セル窓サッシ印刷劣化は何かしら手を加えた車両で発症する傾向がある。
中でもプロトタイプ合致で改番を行った影響が絡むと思われた。
だがクモハ101-38は未改番車で今ひとつ腑に落ちなかった。
すると過去にクモハ101-1006(元トタ5F-2:Mc1006)と前照灯を相互交換した記録が残っていた。
トタ5FはLP411前照灯編成化された時期がありクモハ101-38もその対象とした模様だが記憶に無い。
どうやら入場時の側面窓セル取り扱い方法に問題があったらしい。
近年の竣工車では窓サッシ印刷劣化が生じていない。
これは組立前の措置として磨きクロスでの拭き上げや埃除去を行っているためだと思う。


入工中のクモハ101-38。

クモハ101-38用側面窓セルの窓サッシ印刷は中段を主として全体的に斑点状剥離が進行していた。
症状は1-3位側,2-4位側もほぼ同様である。
トタ冷房5F(Mc198)では部分補修施工車が多数を占めた。
しかしクモハ101-38は全ての窓サッシモールドが波を打って見える程だった。
加えて何れの側からも俯瞰での見附が芳しくない。
よってクモハ100-184(トタ冷房5F)を再入場させるまでに至った爪楊枝式補修では対処が難しいと考えられた。
ただ現状ではこれを上回る手法が思い浮かばなかった。
補修完了まで大幅に時間を要すると覚悟した上で作業に取り掛かる。
油性ペイントマーカーのインクで剥離部を隠蔽する方式は従来を踏襲する。
但し全ての窓サッシモールドが補修対象で塗布するインクを的から外す確率が高かった。
対策としてモールドが細い中段サッシには上段窓にマスキングを施している。
更に修正する箇所はインクを乗せた爪楊枝を必ず上段窓側より当てるよう変更した。


全サッシの補修を終えた側面窓セル。

補修は劣化が激しい中段サッシから開始した。
欲張ってインクを多目に抽出したが思いの外乾燥が早い。
側面窓セル片側の半分も行かないうちに球状になってしまい作業が滞った。
しかも数箇所でマスキングテープに銀色塗料を付着させている。
結果的にマスキングテープでの養生は正解だった。
途中からインクをその都度排出するよう改め少しずつ窓サッシモールドの修正を進めた。
予想通り30分以上を要して1-3位側用,2-4位側用側面窓セルとも窓サッシ再現を復活させた。
塗装用塗料を用いれば容易いのは判っている。
しかし段差部へのマスキングテープ貼付が難題で逆に波打つ仕上がりとなる確率が高い。
当分は爪楊枝で地道に油性ペイントマーカーのインクを伸ばすしかないと思う。


更新に踏み切ったプリズムケース (発生品,クモハ101-38用)。

行先変更に備え先頭車両のクモハ100-39,クハ101-14(トタ5F)にはガイド付プリズムケース更新を施した。
一方クモハ101-38,クモハ100-4は中間組込車でありトタ5F(←旧トタ冷房5F:Tc14)への復帰後もその必要性に欠けた。
そのため現在に至るまで前照灯用プリズムガイドの無い製品原形プリズムケースが存置されてきた。
特に更新予定は組んでいなかったが分解時に事情が変わった。
床板を装着した際の角度が悪かったらしく前照灯用プリズム先端は運転台側に向け変形していた。
既に手遅れで前照灯用プリズムは現在の形状を記憶している。
基本7両編成での走行は考慮していないが変形した前照灯用プリズムを目の前にしてガイド無プリズムケースの廃止が決定した。


点灯可能になった前照灯。

ガイド付プリズムケースの保管品はある程度押さえられている。
このうち他形式への転用で尾灯用プリズムを失った元クモハ100-108(廃車:元ツヌ118F)用プリズムケース部品を起用した。
クモハ100-108用プリズムケースには前照灯用プリズムも残されている。
これらを全面活用しクモハ101-38用プリズムケースを組み立てた。
本来なら尾灯用プリズムを移設すれば良いだけだった。
何故かクモハ101-38用プリズムケースは流用され当該部品を交換する遠回りな方法となった。
答は変わらないためここは原形維持が余計な気を廻させたらしい。
屋根板を撤去して床板を組み込むと前照灯用プリズム前端とLP402前照灯用レンズ後端が揃った。
これでクモハ101-38用前照灯用プリズムを再破損させる機会はやって来ないと思われる。
なおLP402前照灯は木工用ボンドで固定されていた。
LP411前照灯車化時に挿入が難航し車体へ細工したのかもしれない。
原形保持が決定しているトタ5Fを再びLP411前照灯編成に改めようとは思わない。
ただ念のためクモハ101-38を要注意指定車にしている。


クモハ101-38 点灯試験[19T 豊田]:前照灯(ガイド付プリズムケース更新施工)。


クモハ101-38 点灯試験[19T 豊田]:尾灯(ガイド付プリズムケース更新施工)。

ライトスイッチを[ON]位置に切り替え点灯試験を行った。
クモハ100-39,クハ101-14と同じく前照灯用プリズム交換の結果を確認するためだったが別の問題が発覚した。
何時の間にかクモハ101-38用1stLOTライト基板を供出した模様で表示器類が現行LOT品と同等の発光色温度に変わっていた。
記録が全く残っておらずどの車両へ1stLOTライト基板を転用したのか判らない。
現在点灯色変更対策は表示器用プリズム色挿式に移行しており施工は相当前のはずである。
当然ながら復旧を考えたが現行LOTライト基板更新は編成単位で施す必要があり今回は手を着けていない。




クモハ101-38(側面窓セル窓サッシ印刷補修施工)。

再度ライトスイッチを[OFF]位置へ戻しクモハ101-38(トタ5F)が竣工した。
交換済の現行LOTライト基板は計算外だったものの側面窓セル窓サッシ印刷補修と言う主目的は果たせた。
中段窓サッシは一部で途切れている様に見える箇所がある。
これは乾燥しかけた油性ペイントマーカーのインクを塗布した影響で被膜に段差が生じた事に拠る。
修正は容易で今後手直しを行う予定である。


クモハ101-38+モハ100-146 (トタ5F:側面窓セル窓サッシ印刷補修施工車+側面窓セル窓サッシ印刷補修未施工車)。

ユニットを組むモハ100-146(トタ5F)とは窓サッシ再現の質感が異なる。
俯瞰での違和感は無く記録ほど見附は悪くない。
作業時間は約60分でその半分程は側面窓セル窓サッシの補修に費やした。
その結果大きな失敗も無くモハ100-146との側面見附差異発生は防げたと思う。
とにかく窓サッシモールドの波打ちが廃されただけでも御の字だと言えよう。
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