試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クモハ100-4[トタ5F] 側面窓セル窓サッシ印刷補修,ガイド付プリズムケース更新施工 (発生品転用)

2018-05-23 21:39:14 | 国鉄/JR101系
混合。

KATO製国鉄101系クモハ101-38(トタ5F:Tc14)の側面窓セル窓サッシ補修を終えた。
類似の症状を抱えるクモハ100-4(トタ5F)は更に程度が良くない。
引き続き老朽化が目立つトタ5Fの状態改善を図る。


国鉄101系クモハ100-4(トタ5F)。

クモハ100-4用側面窓セル窓サッシも全てが補修対象となる。
一部は印刷が完全に剥がれ落ちクモハ100-184(トタ冷房5F:Mc198)の第一次補修入場前と酷似していた。
しかし部分補修で対処できたクモハ100-184とは異なり全箇所へ手を加える必要がある。
1-3位側用,2-4位側用で同時多発しており作業には相応の時間を要すると思われた。


入工中のクモハ100-4。

詳細な入場記録が殆ど残っていないトタ5Fだがクモハ100-4もLP411前照灯車化が図られたと予想した。
側面窓セルは全体に曇っており施工時の仕上げ不足が垣間見える。
先に曇りを拭き上げてから補修に取り掛かる必要がある。
窓サッシ印刷は中段,下段共にモールド上部の劣化が激しかった。
マスキングテープの使用は不可避でこれまでの補修入場車でも最悪の状態と言えた。
早速分解へと取り掛かったが床板を取り外す際に違和感を覚えた。
普段は前照灯用プリズムが天井桁に当たるため車体との角度を変えながら撤去している。
ところが尾灯レンズが外れると同時に床板は下方向へ脱落した。
原因は前照灯用プリズム撤去に拠るものでやはり一度LP411前照灯に交換していたらしい。
ガイド付プリズムケースへの更新はクモハ101-38に倣う予定で折り込み済だった。
これに前照灯用プリズム復旧が加わる。


著しく剥離した側面窓セル窓サッシ印刷(2-4位側用)。

プリズムケース更新は保管品の再用で対処できる。
大幅な修正を要する窓サッシ印刷の補修から開始した。
先ず側面窓セルの曇りを取り除く。
各窓毎に清掃を施し最後に全体を磨きクロスで拭き上げた。
すると窓サッシ印刷を更に剥離させてしまった。
それだけ劣化が進んでいた証でもある。
ただ当初から全面修正を考えていたため打撃は少なかった。


養生を終えた側面窓セル。

窓サッシモールドは下段より中段が狭幅になっている。
下段サッシモールドは爪楊枝で捌ける幅を有していた。
側面窓へインクを付着させる確率が高い中段サッシにマスキングテープを貼付する。
インクの塗布方向から上段窓側だけ養生を行った。
窓サッシ印刷の波打ちは光源が反射すると見難くなる。
極力手暗がりになる位置に側面窓セルを保持し作業用黒色ウレタンシートで透かせながら補修を進めた。
銀色塗料は相変わらずの油性ペイントマーカーである。
クモハ101-38ではインクの速乾性が裏目に出てしまった。
そこで微量の薄め液を添加し粘性を低めている。
予め外観から伺えない箇所へ試験塗布を行い怪しい混合塗料でも実用に耐えうる事を確認した。


補修中の窓サッシモールド(2-4位側用)。

中段サッシから補修を開始したクモハ101-38は下段へのインク塗布を行い難くさせた。
モールド幅や爪楊枝の捌き加減を掴む狙いでクモハ100-4では下段サッシから手を着けている。
混合塗料は低粘度で塗布し易かった。
一気にモールドを覆える代わりにはみ出しの危険度が高まる。
今までとは勝手が異なったため両側の下段サッシ補修を先行した。
その後中段サッシに移る。
養生の不安定さを抱えておりマスキングテープは無いものと考え作業を行った。
しかし全箇所のマスキングテープに混合塗料を付着させる始末で終わっている。
薄め液を追加した兼ね合いで塗料乾燥時間は長目に取った。
この間にプリズムケース更新を済ませる。


前照灯用プリズムが撤去されていたプリズムケース。

クモハ100-4用前照灯用プリズムが撤去された経過は不明である。
変形した前照灯用プリズムが存置されていたクモハ101-38は単に気付けなかっただけだと思われる。
撤去は折損に至ったためだと推測している。
復旧を見送ったのは中間組込車に加え予備品不足が絡んだと思う。
今後の点灯機会は限り無く0に近い。
ただ中途半端に部品を供出した用途の限られるプリズムケースがまだ残っていた。
今入場を逃すと放置は間違い無い。
トタ5Fの原形復帰にも相応しく転用に至った。
残念ながら発生品のプリズムケースにはクイックヘッドマーク用マグネットが装着されていなかった。
尾灯用プリズムの移設だけでは復元に達せずクモハ100-4用プリズムケースを活かす方向に切り替えた。


マグネットが撤去されるクモハ100-4用プリズムケース。

ところが発生品の前照灯用プリズムとクモハ100-4用プリズムケースは相性が悪かった。
プリズム類は押圧に頼る固定方式で嵌合爪を持たない。
いくら押さえても直ぐに脱落するため各々の部品を組合せる羽目になった。
クイックヘッドマーク用マグネットはクモハ100-4から流用する。
極細のマイナスドライバーを交互にマグネット両側へ差し込み少しずつ前進させた。
マグネットはプリズムケース取付口から1/3程度排出させればクランパーで引き抜ける。
だが久し振りのマグネット抽出で引代が判らなかった。
気付いた時には半分以上が顔を出しておりクランパーを持ち出す間もなく撤去へと至っている。


組み替えられるプリズムケース用部品。

各部品同士の相性によりクモハ100-4用プリズムケースも新旧LOT混合となった。
結局発生品からは前照灯用プリズム,プリズムケースを転用した。
表示器用プリズムは交換不要だったが組み立て時の取り違えで流用になっている。
クモハ100-4用プリズムケースは前照灯用プリズムガイドを持つ現行仕様相当品へと改められた。
無事前照灯用プリズムも復活し床板今後組み立て時の屋根板撤去は不要となる。


発生品の前照灯用プリズムが取り付けられたクモハ100-4用プリズムケース。

原則トタ5Fは10両編成,扱いであり付属3両編成,基本7両編成毎に分割される機会は無い。
クイックヘッドマーク用マグネット取付は原形保持の一環であり機能する場は訪れないと思われる。
クモハ100-4用プリズムケースの外観は前照灯用プリズムガイドが目立つ程度にしか見えない。
但しガイドの有無が前照灯用プリズムに大きな影響を与える。
見掛け以上に負荷を抑える効果が高くプリズムケース更新は施工するだけの価値があると思う。
なおガイド無プリズムケースはクモハ100形用動力ユニットへの改装で所要となる乗務員室仕切に転用出来る。
101系津田沼区仕様にはまだ動力車位置偏位編成が存在する。
計画中の新編成組成次第では新たにクモハ100形動力ユニット搭載車が必要になるかもしれない。
この際はクモハ100-38,クモハ101-4から捻出されたガイド無プリズムケースを優先的に充当する。


波打ちが治まった窓サッシ。

新旧LOT混合プリズムケースの採用は計算外だった。
思わぬ時間を要したが床板の組み立てを終えた頃には補修した窓サッシのインクが乾燥していた。
先に修正を施したクモハ100-38では仕上げ不足が目立った。
クモハ100-4の入場前に簡易修正を行ったが二度手間と言えた。
仕上げは側面窓セル単体の方が行い易い。
先に補修箇所の平滑化を済ませ車体へ装着した。
混合塗料に変わったものの印刷との質感差は隠せない。
それでも俯瞰では窓サッシの波打ちが判り難くなったと思う。


クモハ100-4 点灯試験[17T 立川]:ガイド付プリズムケース更新施工。

前照灯用プリズムの導光具合を確認するため点灯試験を行った。
ガイド付プリズムケース更新により前照灯照度は製品同等を維持出来たと思われる。
しかしクモハ100-4も現行LOTライト基板に交換されていた。
初期表示器点灯色変更対策編成は1stLOTライト基板装着車との振替えにて対応した。
トタ5Fのクモハ101-38,クモハ100-4も1stLOTライト基板供出車に挙がったらしい。
クモハ101-38と併せ編成単位でライト基板振替が行える目処だけは立った。
今後現行LOTライト基板更新編成を絞り込み両車とも1stLOTライト基板へ戻す予定である。




クモハ100-4(側面窓セル窓サッシ補修施工)。

全工程を終えクモハ100-4(トタ5F)が竣工した。
側面窓セル窓サッシ補修結果は現在のクモハ101-38と変わらない。
混合塗料でも同程度の皮膜強度を保てるかが課題になるが仕上げの感覚から同等に思える。
以後は部分補修車:原液塗料,全面補修車:混合塗料にて補修を行う方向である。
出来れば全面補修車が現れない事を願いたい。
この記事についてブログを書く
« クモハ101-38[トタ5F] 側面窓... | TOP | 国鉄101系豊田電車区5F [Tc14... »