試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3300形モハ3350[3328F] 新赤電色 (側面窓セル修正,走行部品組込,側面行先表示器基準幕化施工) ※TOMYTEC製

2019-09-25 21:52:50 | 京成線:3300形
悪循環。

細々とした壁に当たりTOMYTEC製京成3300形3328F新赤電色(3,4次車:3328F)の第二次整備はなかなか進展が見られない。
試行要素が含まれたモハ3327新赤電色(3328F)の出遅れに始まりモハ3325新赤電色(3328F)も側面窓セルの折損を経て竣工へ至った。
3328Fでは3両目の入場となるモハ3350で打開を狙ったが製品仕様と自らの失策により芳しくない結果に終わっている。


京成3300形モハ3350 4次車 新赤電色(3328F)。
※TOMYTEC製。

FS-329D非動力台車を履くモハ3350(4次車)は3328Fの成田寄半ユニットに配されるM1車である。
3328Fの成田寄M1車及びFS-329D非動力台車装着車はモハ3350で初の入場を迎えた。
同じく初入場車となったモハ3325(M2'車)とは異なり独自仕様は採用されていない。
上野寄M1車の車体を反転した構造であり整備工程はTOMYTEC製京成3300形モハ3311新赤電色(1次車:3312F-3)に準ずる。
山側用側面窓セル窓サッシ印刷の乱れがあるがモハ3327での失敗に懲り爪楊枝式で修正を行う。
但し3312F-3,モハ3328以下5両(3328F)比べやや厚ぼったい塗装被膜を持つ外観が当初から気になっていた。


入工中のモハ3350。

3328Fのクーラーキセは第一次整備時から何かと手を焼かされ続けている。
モハ3350も分解前に上野寄クーラーキセが外れてしまいいきなり出鼻を挫かれる格好となった。
先に竣工させたモハ3327,モハ3325では側面窓セルの撤去を第一工程に据えていた。
しかしその後の流れを悪くさせる切っ掛けとなったためモハ3350は屋根板関連項目より作業に取り掛かる。
たまたまクーラーキセの脱落まで重なったがどうにか順調に整備を進められる狙いが込められた工程変更でもあった。
修正対象は屋根板から浮き上がった車体中央のクーラーキセ程度であり仕切り直しに向くと考えた。


平行を合わせてから固定したヒューズボックス。

モハ3350のヒューズボックスと避雷器は屋根板に対し斜めに嵌め込まれていた。
これはモハ3311,モハ3310(3312F-3),モハ3327と同一症状で固定化を施し再発防止策とする。
ヒューズボックスはランボード及び屋根上配管モールドが視界に入ってしまうため意外に平行の出し難い部品だと思える。
流し込み接着剤を投入した後も何処か収まりが悪く感じられ固着前に微調整を行った。
一方避雷器の取付脚は1脚嵌合式ながら極太成形が幸いし押し込むだけで垂直に戻せる。
嵌合具合が心配された車体中央のクーラーキセも成形を要さず屋根板に接してくれた。
屋根上機器はグリーンマックス製PT-43S形パンタグラフを除き流し込み接着剤で固定している。


差し込み箇所を改めた爪楊枝式側面窓セル撤去。

続いて側面窓セルの取り外しに着手したが嵌合具合はモハ3311並に固く爪楊枝式にて取り外しを行う。
これまで側面窓セルを湾曲させる爪楊枝は妻面窓セル側の車体中央側扉戸袋吹寄部に差し込んでいた。
モハ3350は一体成形側面窓セルを装着しているがモハ3325で折損させた事実が引っ掛かった。
妻面窓セルの凸形成形部を破損させる予感が走り爪楊枝は広幅貫通路側戸袋吹寄部への挿入に変更している。
多少は妻面窓セル凸形成形部に掛かる圧が軽減されたはずで妻板ごと外側に押し出しながら撤去すれば欠損しないと予想した。
嵌合猶予の減少により偶柱部へ差し込む爪楊枝は片側専用となったが失敗無く側面窓セル撤去を終えられた。


車体に付着させた青マッキーのインク。

修復に終われたモハ3327,モハ3325は側面行先表示器基準幕化が置き去りにされ最後を締める作業となった。
塗装被膜の調整が必要となるモハ3350では側面行先表示器基準幕化を先行して施す事にした。
基準幕化には極細字青マッキーを使用しているが車体再現のHゴム支持モールドは比較的浅い。
斑も生じ易くペン先で均そうとしたところ一部がHゴム支持モールド嵩を乗り越え戸袋窓吹寄部まで飛んでしまった。
即時復旧へ取り掛かり製図用消しゴムで青マッキーのインクは無事除去された。
その代わりインク消去痕だけ艶が出てしまったため側面行先表示器基準幕化を一時中断し塗装被膜修正に移っている。


多少艶が強くなった車体(山側)。

モハ3350が野暮ったく見える原因は塗装被膜厚と艶消し度合いの強い仕上げにあった。
偶然にも青マッキーインク消去痕はモハ3328以下5両(3328F)の塗装被膜に類似の艶へと変わっていた。
ファイアーオレンジ塗装面を磨きクロスで強めに擦りインク消去痕の埋没化と艶出しが図れている。
この際モーンアイボリー帯とステンレス飾り帯再現に磨きクロスが触れないよう注意した。
そして側面行先表示器基準幕化を完了させ側面窓セル窓サッシ印刷の修正へ取り掛かる。
窓サッシモールド下部に付着した銀色塗料は先端を鋭角化した爪楊枝で削ぎ落とす3312F-3での方式へ戻した。
多少擦過痕は残るもののモハ3327で修復した側面窓より数段耐えられる水準に達したと思う。


角度調整が必要だった床下機器部品固定。

床板関連項目ではへ字形に湾曲した座席部品と嵌合精度の低い床下機器部品が足を引っ張る。
支持が困難になるほどぐらつきの目立つ床下機器部品は一旦マスキングテープで垂直を保たせてから台枠に固定した。
嵌合爪部への流し込み接着剤投入だけでは心許なく座席部品台座天面も溶着している。
簡単に直線状に戻せた座席部品だが台枠へ組み込むと上野寄が浮き上がる曲者だった。
しかもウエイトを挿入する前までは発症していなかった現象で対応に困った。
改めて座席部品を確認すると上野寄嵌合孔の湯口痕整形が不十分で台枠嵌合爪の受け入れ幅が不足していた。
この湯口痕を均しただけで上野寄座席部品の浮き上がりは完全に消え去っている。
へ字形に変形した座席部品は3328Fでは珍しく床板一体化は3点固定式を採用した。
これで座席部品車体中央側扉床面と台枠の隙間発生が抑止され捻り剛性は大幅に向上すると思われる。
最後にFS-329D非動力台車へ輪心黒色化を施した金属車輪を組み込みモハ3350用床板一式が完成した。




モハ3350(3328F:側面窓セル修正,走行部品組込,側面行先表示器基準幕化施工)。
※TOMYTEC製。

第一次整備で気になった座席部品の湾曲だが結局モハ3327,モハ3325,モハ3350とも交換を要さなかった。
モハ3326(3328F)は動力ユニットへ置き換えられるため保管品の座席部品を持ち出さずに済む。
TOMYTEC製品の予備部品確保は編成単位での投入時に限られる傾向が強く対処療法とは言え転用を免れた意義は大きいと思う。
側面見附向上こそ果たせたモハ3350(3328F)であるが作業時間は約90分に達する長丁場の末竣工した。
屋根板周りまでの流れは悪くなかったものの側面行先表示器基準幕化での失策が響いている。
インク消去痕を基準とする車体の磨き直しに変更され塗装被膜改善だけで約20分を失ってしまった。
極端に嵌合が甘かった床下機器部品も固定化を難航させる原因となり形勢逆転とは行かなかった。




モハ3325+モハ3350 (3328F:KS-131非動力台車装着車+FS-329D非動力台車装着車)。
※TOMYTEC製。

この後比較用に持ち出したモハ3325の成田寄車端部ユニット窓が傾斜していると判り急遽修正を行った。
ただ第一次整備時の記録と見比べるとモハ3325は当初から窓セルに傾きがあったらしい。
これだけは側面窓セルの折損が呼び込んだ唯一の改善点となっている。
モハ3325+モハ3350は偶柱以外にKS-131非動力台車とFS-329D非動力台車の差異が並ぶ連結部となる。
輪心黒色化はKS-131非動力台車よりもFS-329D非動力台車の方が効果的に映り特徴を引き出せたと思う。
だがこの組み合わせはモハ3326の入場直後に予想もしない方向へと進み解消を余儀なくされる。
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