試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-819[ツヌ322F] ジャンパ連結器付TNカプラーSP白濁対策,行先変更施工 ※TOMIX製High-Grade製品

2018-05-25 21:45:45 | 国鉄/JR103系
低経年。

TOMIX製103系High-Grade製品クハ103形の運行番号,行先方向幕は別部品による嵌込式が採用されている。
せっかくの構造もプロトタイプ固定化に追随し殆ど活かされてこなかった。
編成異動による交換こそ行ったがそれ以外は出場時の表示を保つ編成が大半を占める。


国鉄103系ツヌ322F 朱色1号編成(1982/7)。
ツヌ322F:Tc819-M757-M'2014-T499-M758-M'2015-T500-M759-M'2016-Tc826
※TOMIX製High-Grade製品。

TOMIX製High-Grade製品クハ103形高運転台車ではジャンパ連結器付TNカプラーSPの白濁対策を進めている。
出場順に入場させる予定は塗装変更車の車体断面修正等で既に狂いが生じていた。
ラシ332Fに続くクハ103形高運転台車組成白濁対策入場編成はツヌ322Fに決定した。
2017年3月に出場したツヌ322Fはまだ経年が浅い。
それでも入場となったのは約1年でどの程度白濁が進むか確認を行うためだった。
これに朱色1号編成での行先配分見直しが加わる。
クハ103形高運転台車組成編成はプロトタイプを定めて出場させた。
従って編成単位での行先変更は初施工となる。


入工中のクハ103-819(ツヌ322F)。

クハ103-819はメーカーエラー品で尾灯プリズムが台枠に正しく収まっていない個体だった。
回着整備で修正した後は順調に推移している。
ただ自前での改修であり不安を抱えていた。
そのため先発入場させ慎重に作業を進める事にした。
施工内容はジャンパ連結器付TNカプラーSPの白濁対策,C4B形ブレーキ制御装置固定,行先方向幕部品交換の3項目である。


やや白濁が見られるジャンパ連結器付TNカプラーSP裏面。

クハ103-819のジャンパ連結器付TNカプラーSP(JC6336)は余り白濁が進行していないように見えた。
連結器部品は明らかに白んでいたがマウントはまだ黒色系統を保っている。
低経年車の白濁はこの程度で済むと思われた。
ところが連結面側TNカプラーSPは予備の一般流通品(0336)並に白濁現象が生じていた。
JC6336と0336はカバー成形に差があるとしか思えない。
何故この様な差が生じるのか不可解だった。
しかしジャンパ連結器付TNカプラーSPを台枠から取り外すと状況は一転する。


裏面とは対照的な状態だったカバーとマウント。

撤去したジャンパ連結器付TNカプラーSPの台枠側は白濁がかなり進行していた。
発生箇所が異なるものの連結面側TNカプラーSPの状況と殆ど変わらない。
外気に触れる箇所の方が発症し易いと考えていた。
クハ103-819のジャンパ連結器付TNカプラーSPの状況から推測すると台枠側が先行し遅れて裏面に白濁が現れるのだと思う。
運転台側には配管付ステップが挿入されている。
これが連結面側TNカプラーSPとの進行度合いを変えさせた要因だと思われる。
白濁の状況に関わらずジャンパ連結器付TNカプラーSPは分解清掃を行う予定だった。
早々に分解し復心スプリング以外の構成部品をクリーナープールへ浸ける。
辛うじて黒色系統を維持するTNカプラーSPの湿式清掃はクハ103-763,クハ103-780(ツヌ306F-3)以来となった。
仕上げまでの時間はクハ103-743,クハ103-756(ラシ332F)より大幅に短縮されている。
低経年車から白濁対策を進めるのも悪くないと思えた。


艶のある黒色成形に戻ったクハ103-819用ジャンパ連結器付TNカプラー。

白濁の進行度が幸いしジャンパ連結器モールドは容易に黒色成形を取り返せた。
凹部の多いコ字形の連結器部品や胴受も同様である。
クハ103形低運転台初期形冷房改造車とは違いジャンパ連結器付TNカプラーSPの予備品は無い。
しかし効率を考えると1編成分は用意しても良いと思える。
クハ103-485,クハ103-486(ツヌ329F)への装着例からTOMIX製旧製品にも転用出来る。
所属編成が多く検討課題にしたい。
全構成部品の清掃を済ませ組立に入った。
ところがカバーの嵌合と言う意外な箇所で躓いた。
どういう訳がカバーが余りしならずフレームとの噛み合わせに苦戦している。
今までには無かった現象で今後の整備では注意が必要になるだろう。


整備が完了した床板一式。

その他床板関連では連結面側TNカプラーSPの簡易清掃とC4B形ブレーキ制御装置部品の固定を行った。
ツヌ322Fは全車同一LOTで揃っている。
黄色5号編成でぐらつきが多く生じたC4系ブレーキ制御装置は嵌合精度が高まっていた。
初期LOTが多数派のTOMIX製High-Grade製品とは明らかに手応えが異なる。
ここは改善策が採られたらしい。
ただ接着剤の使用痕は見受けられなかった。
2脚嵌合だけでは心許なくタミヤセメントで固定した。
連結面側TNカプラーSPは手の届く範囲だけクリーナーを浸した極細綿棒で吹き上げた。
簡易清掃に留まるが経年の浅さにより過去の施工車より見附は良くなっている。


撤去中のライトケース。

車体関連は行先方向幕部品の交換だけを行う。
ライトケースはクハ103形低運転台初期形冷房改造車と同様に取り外せると考えていた。
しかしライトケースを傾斜させようとしても全く外れる気配がしなかった。
クハ103形高運転台車は前照灯,運行番号表示器,行先方向幕位置が低運転台車に比べ高い。
そのため低運転台車と全く同じ方法は通用しないらしい。
個体差の可能性も否めない。
いずれにせよクハ103-819では作業が先に進めなくなったため屋根板を撤去した。
天井側から前面妻板とライトケースの間にプラスチックドライバーを差し込む。
徐々に深度を大きくさせつつライトケース下端の張り出し部を斜め下方向に引いて撤去した。
これと同時に運行番号,行先方向幕部品が吹き飛んでいる。
ここも改善が採られた模様で部品嵌合の安定を保つ鍵になっていると思われる。
その代わり作業性は極端に下がった。


表示器部品の再装着を待つクハ103-819

まだ中野寄先頭車のクハ103-826(ツヌ322F)が未入場でありLOT差異かは判断がつかない。
瑕疵の無かったクハ103-826は表示器部品挿入だけで竣工させた。
但しライトケースの作用点と表示器部品の位置関係は変わらないため慎重に作業を行う予定である。
この後ライトケースを再装着し床板を挿入した。
尾灯プリズムは抵抗無く車体に収まり入場前の状態を保てたと思う。




クハ103-819 [51C 千葉]:ジャンパ連結器付TNカプラーSP白濁対策施工,行先変更。

行先方向幕部品の交換は思ったより大規模な工程になった。
一度ライトケースを取り外したため再装着時に前面妻板側へ寄せる措置を採った。
クハ103形低運転台初期形冷房改造車での部品嵌合を安定させる手法を踏襲したが高運転台車で効果があるかは判らない。
運行番号幕,行先方向幕部品は手応えのあるクリック感と共に車体へ収まった。
頼り無いほどあっさりと差し込める低運転台車とは真逆と言えた。
クハ103-819に限れば表示器部品は傾かないと思われる。


クハ103-819 点灯試験[51C 千葉]:前照灯(ライトケース脱着)。


クハ103-819 点灯試験[51C 千葉]:尾灯(ライトケース脱着)。

点灯試験の結果は良好だった。
尾灯プリズムの修正方法は合っていた模様で入場前と変わらない点灯を示してくれた。
余り白濁現象が進んでいないと思われたジャンパ連結器付TNカプラーSPたが対策しただけの見附に至った。
TNカプラーSP(0336)に比べジャンパ連結器の存在感が大きい。
浮き立っていたモールドは車体裾の影に埋没し想定通りの答を得られている。


白濁対策を見送った連結面側TNカプラーSPの連結器部品。

連結面側TNカプラーSPは連結器部品だけ白濁したまま残された。
連結性能には影響が無く外観からも伺えない。
しかも低経年車であり施工箇所との差は予想の範囲内に収まった。
今後も連結面側TNカプラーSPは簡易清掃に留める。


クハ103-819(ツヌ322F:C4B形ブレーキ制御装置部品固定化施工)。

床下機器の嵌合部品はC4B形ブレーキ制御装置のみだった。
他は台枠と一体成形で手を加える必要は無い。
一見では行先変更だけで竣工した様に見える。
結果の割には内容の込んだ入場だったと思う。
ライトケースの撤去はクハ103-826でも必要になる。
着脱のし難さがLOT差か個体差に拠るものか明らかになるだろう。

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