試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成200形モハ207 更新車 前期仕様 (運行番号表示器印刷消去施工,側扉窓Hゴム支持化簡易再現試行)

2018-03-21 21:40:07 | 京成線
側扉窓支持。

TOMYTEC製京成200形モハ207更新車晩年仕様(二代目)の第二次整備を開始する。
2000形クハ2003への編入後は中間組込車化される。
先ず不要となる助士側運行番号表示器印刷の消去から手を着けた。


京成200形モハ207 更新車 晩年仕様(二代目)。
※パンタグラフ撤去済。

200形の運行番号表示器消去はモハ208更新車晩年仕様(206F)での先例があった。
薄め液で印刷を溶解させる方法はTOMYTEC製3500形3592F現行色晩年仕様(6次車:3592F-2)から採用している。
モハ208はモハ3556,モハ3553朱帯色後期仕様(3次車:3556F)で失敗した後の作業で不安があった。
結果は大成功だったが二度続けて成功する確証は無い。
モハ207(二代目)でも雲行きが怪しくなった場合には即中断する。


入工中のモハ207(二代目)。

モハ208への改番入場では側面窓セルの撤去に難航した。
その上要領を得ないまま脱着を終えてしまった。
実質1からの作業に近く慎重に作業を進めている。
前面窓セルと側面窓セルの境にニードルを挿す。
個体差のせいかモハ207(二代目)は両側ともあっさり前面窓セルの嵌合爪を乗り越えてくれた。
何となくニードルを差し込む力加減をモハ208で得られた事も作用したと思われる。


車体から浮かせた側面窓セル。

ここからは窓セル構造解析も併せて行った。
今後200形を増備する可能性は否定出来ない。
中間組込車の運行番号表示器印刷消去は施工したい項目である。
毎回側面窓セル撤去に難儀するのは望ましくなかった。
取り外しの鍵は妻面窓セルが握ると思われる。
妻面窓セルとの嵌合部を随時確認しながら側面窓セルの取り外しに入った。
予想通り斜めに成形された妻面窓セルの内側が側面窓セルを支持していた。
妻面窓セルごと車体を外側へ押し出すと嵌合が解けた。
これで200形の側面窓セル撤去は容易に行えると思う。


側面窓セル,前面窓セルを撤去したモハ207。

前面窓セルは側面窓セル撤去と共に脱落してくれる。
主項目の運行番号表示器印刷消去へ移行した。
薄め液に助士側前面窓を浸けながら平筆で印刷を払っていく。
少しずつ運行番号表示器が溶け筆先からの手応えが消えた。
前面窓セルを薄め液から引き上げ平筆の先端で残滓を削ぐ。
無事破損させる事無く完全消去に至った。




断面まで黒色化された前面窓セル。

前面窓セルはHゴム支持印刷を失ったためマッキーで再生させる。
先のモハ208ではモールドされたHゴム部だけ黒色化した。
モハ207(二代目)ではモールド断面外側も塗り潰している。
クハ2003は側扉窓支持がHゴムのまま存置された。
新京成転籍後もHゴム支持を守っており間違いは無い。
押え金支持化された200形の雰囲気を改めるべく前面窓セルで簡易再現が可能かを探った。
なお尾灯レンズの赤色化はモハ206,モハ208,モハ207(206F)の全車に施している。
全く視覚効果の得られない工程だがモハ207(二代目)でも踏襲し他車と仕様を揃えた。


側扉窓断面を黒色化した側面窓セル。

車体へ前面窓セルを取り付けると前面見附が濃い印象に変わった。
製品仕様のHゴム支持に比べ窓周りが太く見える。
押え金支持成形車体でも側扉窓セル断面を黒色化すればHゴム支持らしく見えるかもしれない。
前面窓セルでの試行を側面窓セルで実行に移す。
勝手が違ったのはHゴムモールドが存在しない事だった。
断面全てをマッキーで塗り潰すため側扉窓部へのインク付着には十分注意を払った。
表面だけへの施工では乱反射に耐えられない可能性がある。
念のため側扉窓セル裏面外周も黒色化している。


手応えが薄かった簡易式Hゴム支持化。

側扉窓断面を塗り潰した側面窓セルを車体に取り付けHゴム支持化の状況を確認した。
確かに手を加えた効果は感じられる。
大半がHゴム支持のまま残された500形や510形に組み込まれる2000形はこれで十分だろう。
但し200形の押え金支持を基準にすると予想を下回っており更なる対策が必要だと思われた。
残る手段は側扉窓部の車体断面黒色化しかない。
いきなり着手するには危険が多く妻面貫通扉窓で黒色化試験を行う事にした。


200形では初の加工が施された妻面窓セル。

妻面窓セルは傾けるだけで取り外せる。
そして貫通扉窓断面を前面窓セル同様に塗り潰した。
貫通扉窓はHゴム支持である。
側扉窓部の車体断面黒色化とは最終形態が異なるものの他に試せる箇所が無かった。
車体断面全てをマッキーで塗るのは難しい。
貫通扉窓車体断面への黒色化試行では一部だけインクが側板に掛かってしまった。


モハ207(二代目):貫通扉窓部車体断面黒色化試行。


モハ206:206F(貫通扉窓部車体断面黒色化未施工車)。

失敗したと思えた箇所だったが連結面側で誤魔化しが利くため修正はしなかった。
ところがHゴム支持化を再現するには僅かに側板へインクを乗せた方がそれらしく見えると判明した。
何が幸いするか判らないものである。
モハ206は製品原形を保つ。
単に車体断面を黒色化するだけでもHゴムの存在が強調された。
しかし200形の側扉窓は押え金支持であり形式差異強化のため一部側板への黒色化施工が確定している。


側扉窓部車体断面を黒色化したモハ207。

側板へのマッキー塗布は極僅かである。
予め失敗対策として消しゴムを手元に用意した。
予想通り余計にはみ出させた箇所が生じその都度消しゴムでインクを消去している。
都合6扉のうち3扉で修正を行った。
付着したインクの殆どは消しゴムで除去できる。
その代わり消さなくて良い箇所にまで消しゴムが当たってしまい当該する側板は塗り直しを要した。




Hゴム支持らしくなった側扉窓。

修正部はインクの消去こそ図れたものの塗装被膜の状態が周囲の側板と異なってしまった。
ただ除籍直前のクハ2003は側板の傷みが進行しており許容範囲内にあると判断している。
側扉窓部の車体断面黒色化を済ませ側面窓セルを仮取付した。
側面窓セル側扉窓断面の黒色化とを併せHゴム支持らしくなったように見える。
戸袋窓より一回り小さくなるが簡易再現にしては十分だと思う。


前面窓部車体断面にも施工した黒色化。

この後調子に乗り前面窓部車体断面も黒色化した。
車体前面はアンチクライマーの切除,移設の見送りが確定し細工は施さない予定だった。
2000形は200形より前面窓下端が低い。
そこで側扉窓と同じ手法により200形との印象変化を狙った。
車体を組み上げ前面見附を確認する。
100mmの差には至らなかったがモハ208とは若干趣が変わった。




モハ207 [     ]:運行番号表示器印刷消去,前面窓部車体断面黒色化試行。


モハ208 [     ]:206F(運行番号表示器撤去車)。

予め試行していた前面窓セル断面の黒色化は俯瞰での錯覚効果を生んでくれた。
セル厚により前面窓の天地が広がった様に見える。
かなり強引な再現方法ではある。
しかし車体成形に手を出さず差別化を図れたのは収穫だった。
少なくとも未施工で仕上げるよりは良かったと思える。
主工程を側扉窓Hゴム支持化に奪われた運行番号表示器印刷消去はモハ208と同等に仕上げられた。
曇りや掠れも無くモハ207(二代目)でも成功に至った。
未だ3556Fでの悪夢は拭えないが200形は薄め液に頼る方法で問題無いと思われる。




モハ207更新車前期仕様(側扉窓Hゴム支持化簡易再現試行)。

200形を2000形に近付ける第二次整備の初日は相応の結果を得た。
更新修繕直後の200形は側扉窓がHゴム支持だった。
よって[晩年仕様]には当てはまらない。
偶然にも1960年代中盤から1970年代前半にかけての200形が再現されている。
2Mや3Mの組成さえ気にしなければ運行番号表示器取付前の前期仕様~中期仕様も製作可能と判った。
※2000形:要[K.D.K]社名板化。


モハ206+モハ207 (更新車晩年仕様+更新車前期仕様:側扉窓押え金支持車+側扉窓Hゴム支持車)。

モハ207のクハ2003編入後はモハ206の次位に組み込まれる。
仕上げの雑さこそ否めないものの200形,2000形間での側扉窓支持方式差異は明確になった。
3H-67非動力台車流用,運行番号表示器印刷消去,側扉窓Hゴム支持化と少しずつクハ2003に近付いていると思う。
現時点で着手出来そうな残る項目は改番及び形式変更しかない。
まだ課題が山積する2000形への編入だが個々に潰していきたい。