試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3200形モハ3214[3216F-1] 試験塗装色ライトブルー車 千葉線仕様 動力ユニット整備(経年対策,静音化)

2017-02-27 21:29:28 | 京成線:3200形
先手。

先日マイクロエース製京成3300形モハ3342現行色(3320F-1)が故障のため緊急入場し編成に復帰した。
動力ユニット整備は元々東西線グループ終了後に京成線グループへ移行する計画を組んでいた。
モハ3342の故障を機に若干前倒しし順次入場させる。


京成3200形3216F 試験塗装色ライトブルー編成 千葉線仕様。
3216F-1:[3216]-[3215]-[3214]-[3213]。

編成数の多い京成線グループではどの様に整備を進めるかを考えた。
経年順,走行履歴順,回着順,出場順,形式順等鍵が有り過ぎて迷う。
本来なら経年順か走行履歴順が理想だった。
しかし何れも全編成の正確なデータを抑えられていない。
無難に形式順の動力ユニット整備で決定した。
その結果入場第1号編成は3200形3216F試験塗装色ライトブルー編成千葉線仕様(3216F-1)となった。
偶然にもマイクロエース製京成3000系列の初陣に当たり経年上でも好都合になっている。
なお3216Fより若番の3212F試験塗装色ホワイト編成(←3216F:二代目)は4T化されており入場しない。


モハ3214 試験塗装色ライトブルー車 千葉線仕様(3216F-1)。

3216F-1は予約をしなかったせいでリリースから6年後に回着した。
不良在庫だったらしく5年落ちながら新品で導入している。
動力車は成田寄M1車のモハ3214である。
当時の整備工程に倣いM2車以外特に措置を施すことなく3216F-1を出場させた。
モハ3214の状態は当時のマイクロエース製動力ユニット特有の癖があり起動電流が高い。
駆動音も大きかったが同時リリースの3240F現行色と変わらず仕様だと思い気にしていなかった。


入工中のモハ3214。

出荷から現在までかなりの時間が経過している。
初めからある程度の劣化は避けられないと思い作業を開始した。
高経年車だが基本的構造は現行製品と変わらない。
よって普段通りの手順を踏みメンテナンスを進める。


初めて分解されたモハ3214用動力ユニット。

モーターカバーを外すと思ったより綺麗な導電板が現れた。
モハ3342(3320F-1)も同様だったが一部が黒色化する極端な酸化は見られない。
この当時から現在までに何度か材質の変更があったのかもしれない。
しかし輝きが全く失われており研磨は必要である。
毎度のラプロス#8000を手に取った。
ところが曇りが強敵でなかなか地が出て来ない。
ラプロスの表面は劣化部を確実に磨いている事を表すかのように真っ黒に変わっている。
にも関わらす導電板は一向に輝く気配を見せなかった。
このままでは埒が開かない。
そこで番手を#6000に下げ研磨を再開した。


ラプロス#6000で磨いた導電板。

#6000でも思うように作業が捗らなかった。
しかし#4000では下げ過ぎだと考え#6000で磨き続けた。
15分近くを要してやっと導電板が輝きを取り戻した。
これだけ時間が掛かるなら#4000を使用しても良かったと思う。
3M製研磨フィルムで仕上げに入ったが逆に一部を傷が付けたため中止している。
最後にクリーナーで拭き上げ導電板磨きを終えた。


グリスが乾燥していたKS-121動力台車(上野寄)。

次にKS-121動力台車の清掃へ移った。
ギアボックス内には乾いたグリスがこびり付いていた。
救いはグリス投入量が予想を下回っていたことである。
先ず爪楊枝で乾燥グリスを掻き出し大雑把に取り除いた。
ここからクリーナーで丁寧に清掃を行う。
プラスチック製ギア類は全て爪楊枝で山を攫いクリーナーを浸けた極細綿棒で清掃を施した。


清掃後のギアボックス。

乾燥したグリスは除去がし易く中途半端に粘度が高まった状態より作業が進む。
そのため大ギア,小ギアともクリーナー浸けを見送っている。
結果的には現行製品の動力ユニット整備後と同等に仕上がった。
スパイラルギア,ギアカバーも同じ方法で清掃を行いグリス除去を終了した。


清掃を終えたKS-121動力台車。

最後は心臓部であるモーターの整備である。
単独駆動試験ではやや回転が重く感じられた。
奏でる音も低音で軽やかさに欠ける。
フライホイール部を廻すと凝りがあるような振動が周期的に伝わってきた。
モーター軸そのものが抵抗になっている可能性がある。
そこでモーターストッパーを外し軸受部に注油を行った。


台枠に存置したまま注油を行ったモーター軸。

モハ3342では微動だにしなかったためユニバーサルジョイントまで取り外しモーターを撤去した。
しかしモハ3214はその必要が無く軸受部を覆うモーターストッパーを外すだけで終えている。
注油後のモーター単独駆動試験は良好な結果を得られた。
取り敢えず低音だけの状態からは脱している。
最後にKS-121動力台車へグリスを添加し動力ユニットを組み立てた。
確実に変化が見えるのは導電板とフライホイールである。
フライホイールは曇りが激しかったためモーターの駆動確認時に拭き上げを行った。
見掛けだけは若返ったと言えるだろう。




整備を終えたモハ3214用動力ユニット。

走行試験ではモーターのメンテナンスを裏付けする答が出ている。
相変わらず起動電流は高い。
しかし駆動音は全く異なるものに変わった。
大幅に低音域が小さくなり軽やかにモーターが回転する。
入場前の試験区間を軽く凌ぐ程の加速度に高まった。
京成線グループ動力ユニット整備第1号のモハ3214は最良の結果を残し竣工した。

仕様だと思っていた駆動音が抑えられたのは虚を突かれた。
比較でモハ3215試験塗装色ライトブルー車本線仕様(3216F-2)の走行試験を行った。
すると整備前のモハ3214と変わらない状況だった。
どうやらメンテナンス次第で静音化を図れるらしい。
次の入場は比較試験の流れでモハ3215(3216F-2)とする。

この記事についてブログを書く
« 京成3600形3668F 現行色 6両V... | TOP | 京成3200形モハ3215[3216F-2]... »