試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3200形モハ3262[3240F] 現行色 後期仕様 動力ユニット再整備(経年対策) ※初期整備施工車

2017-03-08 21:22:29 | 京成線:3200形
番手。

京成線グループのマイクロエース製動力ユニット整備は経年都合で細々とした追加工程が増え一気に進められない。
時間に余裕が無く項目が増えると1両/日で限界となる。
京成線グループは形式若番編成順に整備を進めている。


京成3200形3240F 現行色 後期仕様。
3240F:[3240]-[3239]-[3238]-[3237]+[3262]-[3261]。

今回も項目の多そうな3200形3240F現行色後期仕様(3240F)の入場を迎えた。
マイクロエース製京成3000系列第一陣として出場した3240Fは3216F試験塗装色ライトブルー編成(3216F)と並ぶ高経年編成である。
自分の不手際でモハ3239は車体更新を行う羽目になった。
その後側面行先表示器基準幕化,モハ3262(動力車)のモーターカバー交換で現行製品に近い見附に変わっている。
モハ3262は極端な加速不調に陥り一度動力ユニットの整備を行った。
この際の記録を見直すと現在とは異なるコンパウンドでの導電板磨き等を行った初期整備施工車だと判明した。


モハ3262現行色後期仕様(3240F)。

初期整備施工車のモハ3215(3216F-2)では自らの雑な仕事ぶりに手を焼いた。
特に導電板は手を加えない方が良かったと思えるほどの再酸化ぶりで研磨に手こずっている。
モハ3262も嫌な予感が充満する。
この日はモハ3262だけの入場となる事を前提に作業を開始した。


入工中のモハ3262。

モーターカバーを外すと予想を遥かに超えた醜態に愕然とした。
導電板は完全に曇り一部は黒色になっている。
如何にもいい加減に拭き上げた染みが各所に見られ素人作業の怖さを痛感した。
現在でも手探りな部分があり今後も余計な手間を招く可能性が有ると思う。
導電板はユニットカバーに焼き潰し固定されており着脱が出来ない。
最早劣化としか言えない導電板だが従来通りの研磨方式しか通用しないため地道に磨くしかなかった。
先ずクリーナーを浸けた綿棒で汚れを落とそうとした。
当然導電板には全く変化が起きない。
その代わりクリーナーがクリーム状に変わり何かが除去された。
モーターカバーを仔細に見ると導電板溝の至る所にコンパウンドが残っていた。
クリーム状の物質はどうやら拭き残したコンパウンドらしい。
コンパウンドとクリーナーが混ざり幾何学模様の変色に繋がったと思われる。




ラプロス#4000で研磨した導電板。

何とか元に戻すべくラプロス#6000を手に取った。
しかし黒色化した箇所には全く対抗できなかった。
黒色部は各所に点在しているため一向に作業が捗らない。
そこで思い切ってラプロス#4000まで番手を落とした。
真鍮色に戻らない以上番手を下げるのは仕方がない。
粗くなるとは言えラプロスの表面であれば最低限の研磨で模様を消去できると考えた。
すると導電板にしつこく残っていた模様は急速に姿を消していき真鍮色が現れた。
#6000に比べ擦過痕が目立つものの妙な物質が残るより良い。
番手を改めたことが奏功しこれ以降の導電板磨きは快速で進んだ。
なお#4000で磨き上げた後に#6000で仕上げを行い擦過痕を目立たなくしている。


中途半端な整備で終えていたFS-361動力台車(上野寄)。

磨き終えた導電板をクロスで丁寧に吹き上げFS-361動力台車の整備に入った。
分解すると作業をやり残した様に見えるギア類が目に入った。
台車ギアはまだそれなりに頑張った雰囲気が伺える。
しかしスパイラルギアは最悪だった。
ギア前後のプラスチック製ストッパーは軸に固着してしまい動かない始末である。
カバーにも乾燥グリスが付着し殆ど手を出していないように見えた。


焦茶色化していた乾燥グリス(成田寄)。

成田寄は更に酷くスパイラルギアカバーには乾ききったグリスが埃と共に付着していた。
さすがにここまで変色したグリスはなかなかお目に掛かれない。
スパイラルギア周りの清掃はグリスが完全に乾燥していたため除去自体は楽だった。
一方FS-361動力台車は主ギアのグリス除去が甘く上野寄,成田寄とも分解している。
クリーナー浸けを選択するほどではなく極細綿棒で丁寧に残滓を取り除いた。
遡るとモハ3215の動力台車周りも同様の措置が施されていた。
この頃はスパイラルギア周りの清掃を行っていなかったらしい。
何故半端な作業で留めたのか当時の自分に聞きたいほどである。


塗装剥離が見られた台枠。

FS-361動力台車を組み立てモーター軸受部への注油を施した。
前回整備から加速度が落ちる症状は出ていない。
その代わり駆動音が目立っていた。
もちろんマイクロエース製動力ユニットでは標準的だと思える程度である。
しかしギア周辺の状態が余りにも酷くこれまでの負荷を考慮しモハ3266(3232F)に続いての選択になった。
全工程を終えたと思った矢先に台枠の黒色塗装が剥がれダイキャストが顔を出している箇所を発見した。
このまま放置しておくと剥離が進行し黒粉飛散に繋がる。
最終的にはダイキャストの劣化を招く恐れがあるためマッキーで塗り潰した。
剥離箇所はまだ上野寄の一部分に限られていた。
しかし他の箇所も新たに塗装剥離を起こすと厄介になる。
そのため両側の動力台車嵌合部全てに施工した。


両端をマッキーで塗り潰した台枠。

台枠塗装に合わせマッキーを使用したが今考えると色マッキーの方が良かったかもしれない。
その方が劣化進行か新たな塗装剥離かを判別し易く出来たと思う。
既に一部車両で台枠塗装剥離を確認している。
京成線グループではマイクロエース製品が主力で再び同様の症状を持つ車両が現れる可能性があるだろう。
その際には色マッキーでダイキャスト保護を行いたい。


車輪踏面清掃を行ったFS-361動力台車(上野寄)。

台枠塗り潰しを終え動力ユニットを組み立てた。
最後に津川洋行製ホイールクリーナーで車輪踏面清掃を行い全工程を終えた。
試験走行では駆動音が静まり整備,特に注油の成果を裏付けしている。
モハ3262の動力整備はとんでもない始まりだった。
前回の整備内容が酷過ぎ痛い目に遭ったが最終的には竣工へ漕ぎ着けられた。
導電板磨きに大幅な時間を要し動力ユニット整備では過去最長の入場時間になってしまった
予想通りこの日の入場はモハ3262だけに留まっている。

初期整備整備車は経年劣化車より強敵だった。
素人作業に危険が伴うのは承知の上ではある。
今後モハ3262以上の強敵出現も覚悟した方が良いだろう。

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