実高ふれ愛隊で~す(^^)/
昨日のブログでもご報告しましたように、私たちが住む加賀市は、「白山」ととっても関係の深い
地域です。ですから、加賀市にある136の神社のうち、もっとも多いのが「白山神社」(42社)であり、
「白山」の神・菊理媛(ククリヒメ)をおまつりしている神社は57社もあります。
それでは、「白山神社」にまつられている菊理媛(ククリヒメ)って、どんな神様なのでしょうか?
菊理媛(ククリヒメ)は『日本書紀』に登場する女の神様だそうです。
奈良時代初期に完成した『日本書紀』によると、天地が分かれたばかりのころ、天の世界である
高天原(たかまがはら)には、次々と神が出現し、最後に現れたのが、イザナギという男の神
とイザナミという女の神でした。この男女二人の神には、国土を誕生させる「国生み」と、
地上の営みを司る神々を誕生させる「神生み」が命じられたといいます。そして、イザナミが
火の神「カグツチ」を産んだ際、大ヤケドを負って死んでしまいました。夫のイザナギは、
妻イザナミが死んでしまったことから、悲しみのあまり、黄泉(死後)の国までイザナミに会いに
行きました。ところが、そこでイザナミの醜く変わり果てた姿を見てイザナギはビックリして
逃げ出してしまいます。怒ったイザナミは夫の後を追います。そんな二人が黄泉(死後)の国との
境界でにらみ合っていた時に登場するのが菊理媛(ククリヒメ)なのです。
菊理媛(ククリヒメ)は、イザナギ・イザナミの二神を仲直りさせたといいます。
そして二人の神様が仲直りしたことから、その後、天照大御神(アマテラスオオミカミ)や
月読尊(ツクヨミノミコト)、須佐之男尊(スサノオノミコト)などの神が生まれたといいます。
このような話から、菊理媛(ククリヒメ)は、イザナギ・イザナミの二神を仲直りさせたとして、
今でも縁結びの神とされています。また死んだ者と生きている者の間を取り持ったことから
シャーマン(巫女)の女神だったとも考えられています。(ククリは、「聞き入れる」という語源
が変化したものと言われています)。
日本の民俗信仰では、山は祖先の霊が宿る他界であると考えられてきました。そして山に住む神は
祖先の霊であり、生活を守ってくれる神でもありました。 またシャーマン(巫女)の役割はその祖先の
言葉を人びとに伝えることだったのです。
「白山」の神様である菊理媛(ククリヒメ)は、加賀をはじめとする人びとに、祖先の教えを仲立ちして
くれる神様として、昔からすっと崇拝され続けてきたのです。