実高ふれ愛隊日記

-石川県立大聖寺実業高校情報ビジネス科課題研究ブログ-

山中温泉・ゆかたべー(浴衣娘)のおはなし

2014年01月08日 | 日記

隊員NO.1いぶで~す

今日は、山中温泉浴衣娘(ゆかたべー)のおはなしをお伝えします。

昔は今と違って山中温泉の旅館には内湯がありませんでした。山中温泉にやって

きて、湯座屋(今の総湯)のまわりの旅館に宿泊した湯治客はすべて湯座屋

行ったいいます。そして湯座屋には脱衣所がありませんでした。

そんな湯治客を送迎し、客が湯から上がるのを浴衣を持って待つのが16才未満の

少女・浴衣娘(ゆかたべー)の仕事でした。(「べー」とは石川県の方言で

「娘」のことです。)ゆかたべー湯座屋で、自分のお客に間違えることなく浴衣を

着せるのが自慢だったそうです。ゆかたべーは16才を過ぎると、獅子(シシ)

呼ばれる湯治客相手の遊女になりました。獅子とは「4×4=16(しし・じゅうろく)」

もじって名付けたもので、16才以上の大人の女性を意味します。

山中節」の原型は、江戸時代後半に湯座屋で湯につかる若者とかたべ

湯座屋越しに掛け合った湯座屋節」だといわれています。このころ毎年冬になると

山中温泉には、加賀の浜所である塩屋・瀬越・橋立から北前船船乗り衆が、1年の

仕事の疲れを癒すためにやってきました。きっと潮焼けした男気のある若い男性が

たくさんきたのでしょう。

船乗り衆が北前船でいった北海道で聞き覚えた松前や江差の追分をうたっているのを、

かたべーがまねしながらうたったのです。山中節の一節に、

「ゆかた肩にかけ 戸板にもたれ 足で呂の字を書くわいな」

があります。

雪降る冬の夜、思いを寄せる男性客が湯からあがるのを、ゆかたべーたちは下駄を

履いて、じっと寒さをこらえて待っていました。””とは江戸時代の隠語で「キス」を

意味します。

忘れしゃんすな 山中道を」には、「恋しいあなた、山中でいつまでもあなたを

待っているわたしのことを忘れないでね!」という山中温泉ゆかたべー

切ない恋心が込められているようで、どこかとても悲しげです。

もしわたしが浴衣娘(ゆかたべー)だったら・・・。」

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