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Amature radio のたのしみ。古い無線機のレストアを中心にアマチュア無線やそのほかの話題も。

TS-780 #2 レストア その6

2011-03-25 07:33:19 | TS-780

4.144/430共に周波数によって受信時に音声に混じってボコボコ、ゴーという雑音が入る。(つづき)

力技でPLLユニットの電解コンデンサーとタンタルコンデンサーを全数交換してみましたが、回復しませんでした。また、色々と問題の多い2SC460も全部交換しました。これも効果なし。

ServiceManualに従って周波数、レベル、電圧の調整を一つづつやってみたところ32.431MHzのローカルオシレーターとその3逓倍部(97.293MHz)のコイル(T8,T9,T10)の離調と107MHz帯のT2,T3,T4の離調が原因だったようです。特にT4はかなりずれていました。これらのコイルを再調整することで現象が無くなりました。

初めから力技に頼らずServiceManualを見て丹念に確認と調整をするべきでした。

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5.周波数表示にずれがある。

周波数表示が実際の周波数と約2kHzずれています。

PLLユニット内のローカルオシレータはすべて修理の際に規格内に収めましたので、ずれているのはその他のローカルオシレーターです。

144/430MHz共通部分としてIFユニットの41.560MHzがやはりズバリ約2kHzずれていました。規格内(±100Hz以内)に調整しました。調整は結構クリチカルです。

41.560036MHzになりました。(36Hz差)

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総合的に周波数の誤差は145.100MHzで114Hzになりました。

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もっとも手元の周波数カウンターの値が正しいという前提のもとにですが・・・・。そうでないとやってられません。


TS-780 #2 レストア その5

2011-03-20 09:16:46 | TS-780

4.144/430共に周波数によって受信時に音声に混じってボコボコ、ゴーという雑音が入る。(つづき)

送信音を確認すると、こちらも同様です。PLLユニットの不良が一番可能性がありそうだったので、またまた先日修理完了した「TS-780 #1」からPLLユニットを借用して実装してみました。

やはりPLLユニットを交換することで不具合が解消されます。PLLユニットが不良であることは切り分けできました。1台ちゃんと動く機械があると修理は楽ですね。

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ただ今 Service Manual を見ながら格闘中です。苦戦!!どなたかヒントをお持ちではないですか?教えてください・・・・・。


TS-780 #2 レストア その4

2011-03-19 08:42:12 | TS-780

このブログを見ていただいている方の中には3月11日の震災の被災者の方もきっといらっしゃると思います。どうか早く復興して、またアマチュア無線が楽しめるようになることを願っています。大変な生活が続いているようですが、どうかがんばってください。

私の所では幸い揺れは長かったですが、棚から多少の物が落下した程度で大きな被害はありませんでした。

 

3月11日の大地震以来、無線機をいじる気にもなれずほったらかしでしたが、久しぶりに半田ゴテを握りました。東京電力のサービスエリアのため計画停電も実行されていますので、停電の間は何もできません。昼間の停電の時はネジや部品の仕分けをしたりして電力の回復を待っています。

 

3.SSB受信中にSメーターが突然下がったり上がったりする

CONTROLユニットが直ったので各バンド、各モードの動作チェックをしたところ、受信中にSメーターが突然S9だった信号がS4くらいになったりします。

144/430両バンドに共通に起こる現象なので中間周波以降の不具合であることは間違えありません。AGC電圧をオシロで見ていると瞬間的に電圧が変動していることが確認できました。当初Sメーター回路の不良かと思っていましたが、そうではないようです。

AGC回路を切り離した上でIFユニットの入力に第1中間周波数の30.865MHzの信号を入力し、オシロでAGC回路の入力部で信号を監視しながらプリント基板を調整ドライバーで突くと現象が再現できました。しかしルーズコンタクト部位がどこなのかを特定するのはなかなか難しく、目視では発見できません。どうも怪しそうなのがノイズブランカーのスイッチング部付近のように感じました。(IFユニット D1~D4)

この付近の半田付けを片っ端から半田ゴテをあてていくと不具合現象が再現しなくなりました。残念ながらココという個所を特定できませんでしたが、ルーズコンタクトは解消したようです。

おそらく半田劣化による部品のリード線の接触不良だったと推測しています。

ルーズコンタクトがあったと思われるD1~D4付近

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4.144/430共に周波数によって受信時に音声に混じってボコボコ、ゴーという雑音が入る。

144/430両バンドともそれなりに受信も送信もできるようにはなったのですが、まだまだ・・・・・・。

144/430共に受信時周波数によって相手局の音声に乗ってボコボコと台風の中でしゃべっているような音がします。430MHz帯の上の方の周波数では話の内容が理解できな程のレベルで雑音があります。送信音を確認するとこちらもまったく同様です。

今のところ、まったく分かりません。PLL?? 受信にも送信にも入っていることと周波数によって雑音が出るところと出ないところあることから低周波回路ではなさそうです。ちょっと厄介です。

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TS-780 #2 レストア その3

2011-03-10 08:33:15 | TS-780

2.周波数表示が出ない

表示も出ないし各スイッチ、各ボリュームすべて反応がまったくないので、AVRユニット、CONTROLユニットあたりの不良の可能性が大きいです。

AVRユニットの出力電圧をすべてチェックすると正常な電圧が出力されていました。

こうなると一番修理が厄介なCONTOROLユニットが壊れているものと思われます。CONTROLユニットが不良であることを切り分けるために先日修理した「TS-780 #1」がオーナーに返却しないでまだ私の手元にあったので、そこからユニットを借用して交換してみました。見事に動きます。やはりCONTROLユニット不良であることが確認できました。

しかし、CONTOROLユニット不良ではどこから手をつければよいのか?回路図だけを見ても動作を理解するのは困難です。まずはできることからと思い各ICの電源電圧をチェックしました。これはすべて正常です。

次に電解コンデンサーを一気に全部交換してみたところ、見事に大当たりでした。2個タンタルコンデンサーがありましたがこれも交換。タンタルが手持ちは無いので電解コンデンサーで代用しました。おそらくこのタンタルが犯人ではなかったかと思っています。

もう少し論理的に修理できれば良かったのですが、力技で直してしまいました。結果オーライです。

表示OK・バンド切り替えOK・モード切り替えOK・送受信切り替えOK・メモリーOK・STEP切り替えOK・SCAN機能OK

CONTOROLユニットの機能チェックは大丈夫みたいです。

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↓表示もちゃんと出るようになりました。

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見た目は完全に復活しましたが、本格的にはこれからです。


TS-780 #2 レストア その2

2011-03-09 16:23:32 | TS-780

1.清掃・洗浄

修理はとりあえず後回しにして清掃と洗浄から開始です。きれいにならないとどうも修理する気が起こりませんので・・・・・。

フロントパネル部をすべて分解してパネル、ツマミ、スイッチのヘッドなどすべてひとつひとつ丁寧にマジックリンを使ってスポンジで洗浄します。アクリス板も傷をつけないように丁寧に洗浄します。

周波数表示部のスモークのアクリス板が接着テープの劣化で外れて下にずれていました。洗浄後、両面テープでフロントプレートの裏に張り付けなおして修復しました。

内部は掃除機とエアブロースプレイで埃を取り、汚れたケーブルはウェットティッシュを使ってきれいに拭き取りました。タイラップがずいぶん黄色く変色しているので修理完了後新品と交換しましょう。

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フロントパネルの縁の部分にも傷が無いのでずいぶんきれいです。修理中はマスキングテープで養生することにします。

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これで修理をやる気になります。しかしまったく動かないのはどうすればよいのか?まず電源のチェックからでしょうか?