法務省は、戸籍簿を原則として非公開にし、本人や親族、公務員、弁護士など以外は謄抄本や記載事項証明書を請求できないように戸籍法を改める方針を固めた。運転免許証などで請求者の身分を確認する。従来の原則公開主義について、政府は「(婚姻のような)身分行為などを予定している人にとっては重要な文書」と説明してきたが、そうした「身分関係の公示」の要請よりも個人情報に対する意識の高まりへの配慮を重視する考えだ。
法務省は、今秋の法制審議会に諮り、来年の通常国会での改正案提出を目指す。
現行の戸籍法は、謄抄本や記載事項証明書の交付について「理由を明らかにすれば、だれでも請求をすることができる」と、原則公開主義をとっていた。そのうえで、第三者による離婚歴や出生地の調査・公表など、請求がプライバシーの侵害や差別行為につながる不当な目的の場合は、市町村長は交付を拒めるとしていた。住民基本台帳と違い、閲覧はできない。
法改正されれば、ふつうの人が結婚前に相手の戸籍をとるようなことはできなくなる。
今回、例外的に戸籍へのアクセスを認める専門職としては、弁護士や司法書士、土地家屋調査士、税理士、行政書士などが候補だ。ただ、今年に入って行政書士が戸籍謄本を興信所に不正に横流しする事件が相次いで発覚しており、こうした専門職にも請求理由を書かせるかどうかなどが論点になりそうだ。
また、今回の改正作業では、婚姻・離婚・養子縁組などの届け出を持参した人に身分確認を義務づけることも併せて検討する。本人に覚えのないうその婚姻届や養子縁組届などが提出され、借金やローンの名義に悪用される偽造事件が全国で相次いだことを受けた検討課題だ。
戸籍と同様に、氏名や生年月日などの個人情報が記載されている住民基本台帳では、ストーカー行為やダイレクトメール業者への対抗策として、閲覧を条例で制限する市町村が増えており、総務省も閲覧制度の検討会を発足させている。
朝日新聞 2005年8月14日
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法務省は、今秋の法制審議会に諮り、来年の通常国会での改正案提出を目指す。
現行の戸籍法は、謄抄本や記載事項証明書の交付について「理由を明らかにすれば、だれでも請求をすることができる」と、原則公開主義をとっていた。そのうえで、第三者による離婚歴や出生地の調査・公表など、請求がプライバシーの侵害や差別行為につながる不当な目的の場合は、市町村長は交付を拒めるとしていた。住民基本台帳と違い、閲覧はできない。
法改正されれば、ふつうの人が結婚前に相手の戸籍をとるようなことはできなくなる。
今回、例外的に戸籍へのアクセスを認める専門職としては、弁護士や司法書士、土地家屋調査士、税理士、行政書士などが候補だ。ただ、今年に入って行政書士が戸籍謄本を興信所に不正に横流しする事件が相次いで発覚しており、こうした専門職にも請求理由を書かせるかどうかなどが論点になりそうだ。
また、今回の改正作業では、婚姻・離婚・養子縁組などの届け出を持参した人に身分確認を義務づけることも併せて検討する。本人に覚えのないうその婚姻届や養子縁組届などが提出され、借金やローンの名義に悪用される偽造事件が全国で相次いだことを受けた検討課題だ。
戸籍と同様に、氏名や生年月日などの個人情報が記載されている住民基本台帳では、ストーカー行為やダイレクトメール業者への対抗策として、閲覧を条例で制限する市町村が増えており、総務省も閲覧制度の検討会を発足させている。
朝日新聞 2005年8月14日
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