青森県栽培漁業振興協会(階上町)が本年度から、新たにキツネメバル(通称・マゾイ)とナマコの種苗生産に取り組んでいる。マゾイは高値で取引されるほか、ナマコは中国向け輸出が増加しているため、生産者団体の要望に応えて着手した。ナマコは試験段階だが、マゾイはお盆明けにも稚魚の第一陣を出荷予定。同協会の小川弘毅専務理事は「需要があればさらに生産体制を増強したい」と話している。
同協会は一九八二年からアワビ、九〇年からヒラメの種苗生産を手掛けている。ただ、県の行財政改革の一環で、近年は段階的に運営補助金が減額されており、経営の自立が求められていた。
このため、従来の二魚種に加えて収益を挙げられる魚種を検討。活魚などでクロソイの二倍前後の高単価で取引されるマゾイと、中国向け輸出拡大で将来的に資源減少の不安も抱えるナマコを選定した。同協会にとって新魚種の種苗生産は十五年ぶりだ。
マゾイ生産は四月十七日に開始。親魚が産んだ稚魚にはヒラメ用の餌を与えて飼育しており、現在は体長三・五―六センチに成長した。来週以降にむつ市と東通村に約一万匹を出荷し、養殖、もしくは中間育成する。三〇センチ程度の成魚になるには四―五年もかかるという。
また、ナマコは六月二十二日から栽培試験中で、三ミリ程度まで成長しているが、出荷するまでには栽培上の課題が多い。ただ、将来的には水や餌に要するコストを抑えるため、アワビ稚貝と同じ水槽で混合飼育し、五センチ程度の稚ナマコ生産を目指している。
同協会の松橋聡・栽培部長は「マゾイは他県養殖業者からも稚魚が欲しいという声があり、来年度以降の生産体制強化を検討中。ナマコは青森市漁協などの栽培ノウハウを学びながら、早く生産を軌道にのせたい」と意気込んでいた。
【写真説明】
青森県栽培漁業振興協会が本年度から種苗生産を手掛けているマゾイの稚魚。右下は成魚
デーリー東北新聞 2005年8月12日
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同協会は一九八二年からアワビ、九〇年からヒラメの種苗生産を手掛けている。ただ、県の行財政改革の一環で、近年は段階的に運営補助金が減額されており、経営の自立が求められていた。
このため、従来の二魚種に加えて収益を挙げられる魚種を検討。活魚などでクロソイの二倍前後の高単価で取引されるマゾイと、中国向け輸出拡大で将来的に資源減少の不安も抱えるナマコを選定した。同協会にとって新魚種の種苗生産は十五年ぶりだ。
マゾイ生産は四月十七日に開始。親魚が産んだ稚魚にはヒラメ用の餌を与えて飼育しており、現在は体長三・五―六センチに成長した。来週以降にむつ市と東通村に約一万匹を出荷し、養殖、もしくは中間育成する。三〇センチ程度の成魚になるには四―五年もかかるという。
また、ナマコは六月二十二日から栽培試験中で、三ミリ程度まで成長しているが、出荷するまでには栽培上の課題が多い。ただ、将来的には水や餌に要するコストを抑えるため、アワビ稚貝と同じ水槽で混合飼育し、五センチ程度の稚ナマコ生産を目指している。
同協会の松橋聡・栽培部長は「マゾイは他県養殖業者からも稚魚が欲しいという声があり、来年度以降の生産体制強化を検討中。ナマコは青森市漁協などの栽培ノウハウを学びながら、早く生産を軌道にのせたい」と意気込んでいた。
【写真説明】
青森県栽培漁業振興協会が本年度から種苗生産を手掛けているマゾイの稚魚。右下は成魚
デーリー東北新聞 2005年8月12日
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