ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

ローマ遺跡とゴッホの街 アルル

2005-07-08 23:29:15 | フランス物語
アヴィニョンからアルルに向かう。
前日ニームに行く時、バスに乗り、プロヴァンスの田舎をのんびり眺めることができたことに気をよくして、再びバスで行こうとした。しかし少し遅れてしまい、バスの発着時間には間に合わなかった。幸いすぐ後にアルル行きの電車があったのでそれに乗り込む。ただし途中乗り換えである。
乗り換えの駅に着きしばらく待つ。ホームにいてもしょうがないので、駅の外に出てみる。すると、そこにはアルル行きのバスがあった。ダメもとで電車のチケットを運転手に見せ、乗れるかどうか尋ねてみた。するとOKとのこと。喜んでバスに乗り込む。昨日のバスは最初客はぼく一人だったが、このバスは若い客が何人かいた。
アルルに着く。バスは駅前に到着する。陸橋の下をくぐり、ゴッホの「黄色い家」のモデルになった家の前の広場から、城門を通り、市街に入る。
まず闘技場に入る。ニームの時は自由に見せてくれたのだが、ここは時間が決まっており、ガイドさんについてみんなでぞろぞろ見て回る。上から見る古い街並みおよびローヌ川ののんびりした眺めがよい。
次に古代劇場に入る。受付のお姉さんがけだるそうに応対してくれる。中には誰もいない。今日はじめての客のようだ。リヨンやヴィエンヌのそれと違い、平地にあるため、さほど大きくない。舞台の上の大理石の柱もほとんど崩れている。しかし壊れかけのほうが、いかにも遺跡だ、という感じがして有難い。
劇場を出て、サン・トロフィーム教会に行く。ちょうど日本からの団体客もいた。そのグループのそばにさりげなく寄っていき、ガイドさんの貴重な説明を一緒になって聞く。
ローヌ川沿いに行く。そばにあるローマ浴場跡を見た後、しばらく休んでゆったりと流れるローヌを見る。
橋のところまで歩き、そこから大通り沿いにエスパス・ヴァン・ゴッホを目指す。地図上にあるその場所に来たが、建物だけだった。ドアの前にいると、地元の人が「むこうに回っていけ」と教えてくれた。大回りして中庭に行く。絵のパネルがあり、それと同じように写真を撮ってみる。
中心街から離れたところにあるローマ墓地アリスカンに行ってみる。しかし非情にも、昼休みと言う事で扉を閉めるところだった。残念無念と、すごすごと街中に戻る。
予定時間も迫っているので、アルル駅方面に戻る。城門の手前の土産物屋で、プロヴァンスとアルルのガイドブックを買う。店のおばちゃんがわざわざ日本語版を探してくれたが、アルルの本は英語版しかなかった。
駅方面にローヌ河沿いを歩く。ふりかえると闘技場などの搭が5つほど見える。右手にはローヌがあいかわらずのんびり流れている。このような構図のゴッホの作品があったはずだ。
さようなら、アルル、と別れを告げ、駅に向かった。
先日、ゴッホ展に行く。本当に人気があり、人々が長い列を作っていた。待ち時間の後、アルルの「黄色い家」などの絵を鑑賞する事が出来た。この絵は彼が芸術家の家を作ろうと夢見た時の絵で、その気持ちとその後の顛末を思うと、とても切なくなってくる。しかし、今、彼が愛した芸術を生み出した国の末裔が、しかもとても多くの人々が、絵を見ようとしているのである。その情景を見て、心の中に熱いものを感じ、救われたような気がした。
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