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ラウンドタワー アイルランドの不思議な塔の物語

2024-07-14 20:35:22 | ヨーロッパあれこれ

ラウンドタワー

アイルランドの不思議な塔の物語

ヘクター・マクドネル 著

富永佐知子 訳

創元社 発行

2014年12月20日 第1版第1刷発行

 

アイルランドのラウンドタワーは、古代アイルランドの教会遺跡の中で群を抜いて大きな遺物であり、高さが30メートルを超える例もある。

ラウンドタワーは常に修道院の施設の一部として築かれた。

石とモルタルで築かれた細長い円筒形の胴部の上に、帽子にも似た円錐形の石屋根がのっている。

ラウンドタワーを指すアイルランド語はベル・タワー(鐘塔)を意味するクログ・チャハであり、複数形はクログ・チィである。

 

ラウンドタワーに関する最古の記録は、スレインのクログ・チャハ(ベル・タワー)が火災に遭ったという年代記の記述である。

 

ラウンドタワーのタワーの所在地の多くは、今でこそ辺鄙な場所だが、1000年前は一等地だった。

閑散としたモナスターボイス遺跡も、かつてはレンスターでも特に重要な修道院だった。

 

アイルランドのラウンドタワーも礼拝時間を広く知らせるための塔だった。

だからこそ、クロック(時計)はもともと「鐘」を示す言葉であり、クログ・チャハ(ベル・タワー)とも同根なのだ。

 

日時計や夜間の蝋燭などで、時間を正確に数えていた。

それを注意深くじっと見守っていたことにより、watch(じっと見守る)という言葉が、「時計」をさすものになった。

 

クログ・チャハは、修道院に近づく者を見張るための場所としてうってつけだ。

また修道院を探す人々にとっての目印にもなった。

 

モナスターボイス

ほぼ完全な状態のラウンドタワーだが、最頂部が失われている。

高さ28.5m、基底部直径5.0m

修道院は521年に死去した聖ビテ・マクブロニによって創設

ラウンドタワーは1097年に書籍や宝物もろとも焼失

墓地内に2基の非常に精緻なハイクロスがあるほか、ふたつの聖堂遺稿も残っている。

 


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