「雨のうちはへ降るころ、今日も降るに、御使にて式部丞信經まゐりたり。例の茵さし出したるを、常よりも遠く押し遣りてゐたれば、「あれは誰が料ぞ」といへば、笑ひて「かかる雨にのぼり侍らば足形つきて、いとふびんに汚なげになり侍りなん」・・・」
清少納言の随筆“枕草紙”の一段ですが、清少納言が差し出してくれた敷物を「足が汚れているのでと・・・」と言いたくなるほど足元ビチョビチョです。
その随筆でもっとも美しい星と称されたのが昴(すばる)です。
「星はすばる。ひこぼし。ゆうづつ。よばひぼしすこしをかし。尾だになからしば、まいて。」
入梅の候、まだすこし肌寒さく湯ったりと肩まで浸かりながらリラックスタイム・・・なんの気なし星のことを思い浮かべて次女とバストーク。
「もうすぐ七夕だけど彦星は何座のなんという星かな?」ちょっと知ったかぶって娘に質問すると期待通りに「わからん・・・忘れた!」と返してきました。
「わし座のアルタイル。おり姫はこと座のベガ。」大人気もなくイイ気持ちになったのもつかの間、逆襲を受けます。
「さそり座が東の空に現れた時に、オリオン座はどこにあるでしょう?」
話しの流れから行けば西の空だろうと答えると
「神話でさそりの毒を恐れたオリオンが逃げたからだよ。その暴れん坊のオリオンが可愛いといって追いかけまわしたのが七人姉妹のプレイアデスでプレアデス星団(昴)のことだよ。」
むむむっ・・・こりゃいかんぞ。しかし追撃の手は緩まずさらに
「カシオペア王妃は娘のアンドロメダ姫と海の妖精を比べて自慢して笑ったためにオリオンのお父さんのポセイドンが怒ってアンドロメダ姫を化け物鯨の生贄にしてしまったんだ。でもアンドロメダ姫のことが好きだった天馬(ペガスス)に乗ったペルセウスが鯨退治をして姫を助けたんだよ・・・」
わぉ!参りやした。出直してきます・・・バスタオルを腰に巻いて逃げだす父の背中に
「続きはあしたねっ!!」