"悲しい時代の責務は私たちが負わねばなりません。言うべきことではなく、感じたままを語り合おうではありませんか。もっとも老いた者がもっとも苦しみ抜きました。若い我々はこれほどの目に遭うことも、これほど長く生きることもないでしょう。"- シェイクスピア 『リア王』より -
20年来行きつけのスナックではじめてママの泪をみました。女手一つで育てあげた娘も週末には店の手伝いに入ったり、そこそこ馴染みの客(私は年に3回ほどしか顔を出さないのですが…)もついて何も問題が無いように見えていたのですが…
一つ年下の弟は未だ定職を持たず、年老いた母親にぶら下がっているらしい。80を過ぎた母親の収入は年金しかなく、決して楽な生活をしているわけではないという。そこでどうしても日々の生活費が不足してくると頼られるのが常らしい…
「いい年して、仕事もせずに遊び歩く弟の為になんで私が苦労しなければならないの!?」
きつく叱る娘に母親は何も言い返すことが出来ない。しかしカワイイムスコから小遣いをせびられれば与えてしまう…この繰り返し
"耳触りのよい甘い言葉に騙されその人間としての本質を見いだせないままに我が子から裏切られ、自分をもっとも愛してくれていたために真実を告げた者を奪われ絶望のなか発狂しながら死んでいった哀れなリア王"
"正しいことを告げる"には勇気がいるかもしれないが後悔はしたくない。
「もっと自分を大切にしろよ。まずは自分が幸せになる為にがんばっているんだから…」精一杯のアドバイスでした。