一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

54.西那須野温泉 「千本松温泉」

2005-08-03 23:07:55 | 栃木
万人に人気が高い湯の香は文句なくイオウ臭であるが、いわゆる”アブラ臭”の人気も温泉好きを中心に根強いものがあって、定期的にアブラ臭を嗅がないと禁断症状がでるという中毒患者さえ存在する(筆者もそのひとりだが・・・笑)。
アブラ臭の定義は定まっていないと思うが、筆者は新津温泉のまんま石油臭のようなものから、くらぶち相間川の鉱物臭&臭素臭メインのものまで、ひっくるめてアブラ臭と表現している。これまでに確認されている関東周辺のアブラ臭温泉を、筆者の感覚により分類したものを末尾に挙げておくので、いちど味わっていただきたい。

「千本松温泉」は、乳製品で有名な”ホウライ”の千本松牧場内に最近できた日帰り温泉で、そんなアブラ臭のなかでも筆者が”極上”と思っている”樹脂系アブラ臭”が堪能できるお湯だ。

うす緑黄色透明で茶色の湯の花がただようお湯はかなりの逸品で、重曹泉系のツルすべも楽しめる存在感あふれるもの。アブラ臭温泉は化石海水系などの濃い食塩泉に比較的多いが、ここは成分総計=1.001g/kg程度の重曹泉系で調子の高いアブラ臭が出現している、かなりめずらしいケースではないだろうか。
くわしい内容はこちらのレポ(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)をご覧いただきたい。
那須塩原方面に出かけた際には立ち寄って損のない名湯だと思う。

Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 54.5℃、pH=8.9、139.4L/min掘削揚湯、成分総計=1.001g/kg、Na^+=266.1mg/kg (98.70mval%)、F^-=12.0、Cl^-=110.3 (25.94)、HS^-=1.4、HCO_3^-=436.9 (59.69)、CO_3^2-=25.9、陽イオン計=270.5 (11.73mval)、陰イオン計=595.2 (11.99mval)、メタけい酸=103.8、メタほう酸=30.7 <H12.3.10分析>

<アブラ臭の仲間たち>
1.純粋石(灯)油系
 :群馬渋川、栃木恩沢、新潟新津
2.墨臭ベース系
 :喜連川第二、喜連川城、松之山、群馬吉岡、妙義長寿源泉、埼玉都幾川温スタ
茨城五浦、山梨六郷「つむぎの湯」(弱)
3.油粘土臭&金気ベース系
 :群馬北橘、東鷲宮百観音、旧前橋會ノ山、前橋ゆ~ゆ、新潟原町、埼玉サイボク
伊勢崎招美、柏ゆの華、所沢「湯楽の里」(開業時)
4.膏薬?臭ベース系 (たぶんモール?臭まじり)
 :群馬やすらぎ、高崎天神、新潟川西千手、山梨大滝、新潟寺泊
5.臭素+鉱物臭ベース系
 :群馬くらぶち相間川、新潟津南竜ヶ窪
6.ミシン油臭ベース系
 :吾妻峡天狗、山梨樹園、北信百合居、河口湖天水、熊谷「湯楽の里」(壷湯のみ)
7.タール臭ベース系(消毒剤混じり?)
 :栃木高根沢城、茨城鉾田、埼玉よしかわ、前橋あいのやま、川崎志楽 他多数 
8.焼けゴム臭ベース系
:新潟西方、新潟塩の湯(中条)
9.アンモニア混じり柑橘スパイス系
 :東京板橋、新潟紫雲寺、武蔵野湯らく、東京高井戸、群馬天の川、戸田彩香
新潟聖籠
10.樹脂臭スパイス極上系
 :群馬しんとう、群馬高山いぶき、前橋クア・イ・テルメ、柏長寿の湯、
諏訪もみの湯、西那須野千本松、奥軽井沢「ホテルグリーンプラザ」、富士見「ふれあい館」、強羅翠光館 (弱) 
11.イオウ臭ミックス極上系
 :喜連川早乙女、吾妻の川原湯・林・奥嬬恋、新潟月岡
12.その他ごちゃまぜよくわからん系
:栃木小川森林の湯、海老名「ゆめみ処ここち湯」、佐久山「きみのゆ」
  
  文・画像 別働隊@うつぼ

52.日光湯元温泉 「釜屋旅館」

2005-06-26 22:32:36 | 栃木
日光は、訪れる人を奥へ奥へと引き込んでいくようなところがある。
市内、東照宮や輪王寺を巡るとその先にはいろは坂がある。登りきれば中禅寺湖、湖畔を走って竜頭滝までくれば、もうひと登りで戦場ヶ原だ。ここまできたらもう止まらない。三本松から光徳へ折れて牧場でアイスクリームを食べたらもう戻れない。三本松からさらに登って湯ノ湖畔をひと走りで最奥の湯元。ここはもう標高1,500mの高所である。

湯元は、まわりを2,000m級の山々と湯ノ湖に囲まれたところで、残雪に新緑が映える春、深山の涼気爽やかな夏、針葉樹の緑と紅葉のコントラストが見事な秋、凛とした空気が張りつめる白銀の冬と、リゾート地としての理想的な資質を備えている。
それに加えて、極上の硫黄泉がこんこんと湧いているのだからたまらない。
温泉寺脇の源泉地でむせるほどのイオウ臭を嗅いだあと、かけ流しの白濁硫黄泉にどっぷりと身体を沈めることができる、イオウ中毒患者にとっては天国のようなところだ。

「釜屋旅館」は、そんな日光湯元温泉の老舗で、自家源泉を何本かもち、館内はしご湯が楽しめる。(レポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」))
日光湯元のお湯は、総硫黄30mg/kgを優に越える本格的硫黄泉で、かつ、硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物のバランスがとれている。pHは山の硫黄泉にしては比較的高く、酸性の強い万座や那須に比べるとやさしい湯ざわりがある。とても好きな硫黄泉だ。

温泉好きにとって、日光湯元のこわいところは、ただでは帰れないところだ。
金精峠(冬季閉鎖)を越えた上州側には、白根、ささの湯、老神、白沢初穂の湯など、すぐれもののお湯たちがわらわらと口を開いて待ちかまえている(笑)
”今日こそは、適当に切り上げて東北道で帰るぞ!”とたてた誓いもどこへやら、暮れなずむロマンチック街道を沼田へ向けて走っている別働隊であった (^^;

<釜屋1号・2号混合泉> 他
含硫黄-Ca・Na-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(硫化水素型) 64.1℃、pH=6.8、湧出量不明、成分総計=1.687g/kg、Na^+=223.1mg/kg、Mg^2+=4.4、Ca^2+=180.1、Cl^-=169.1、HS^-=11.0、チオ硫酸イオン=1.4、SO_4^2-=475.9、HCO_3^-=330.2、陽イオン計=438.9、陰イオン計=988.9、メタけい酸=120.3、メタほう酸=30.8、CO_2=87.8、硫化水素=19.8 <H12.7.19分析>
                                       文・画像 別働隊@うつぼ

49-1.塩原元湯 その1 「元泉館」

2005-06-19 21:47:59 | 栃木
 塩原元湯には3湯あり「大出館」、「えびすや」、そして今回紹介する「元泉館」がある。実は塩原元湯には、前回の大出館についで、2湯目である。大出館の素質の良い湯に浸かり、ここの3湯は是非に入浴すべく、今回も2/3目の入浴である。実は、前回の大出館の入浴時に思ったのですが、塩原元湯のお湯のよさに認識し、元湯に入るなら一日1湯だ、他の温泉に入らぬといった形相で入浴した。ここの温泉のよさといったら、ずばり「お湯のよさ」これに尽きる。私はもっと良い湯は無いか日本全国の有名な温泉の白濁する湯には、かなり入浴したつもりだが、塩原元湯のお湯に関し、唯感服するのみといったものがこの湯にはあると思う。昔の表記では、含硫黄、食塩-重曹泉と表記されるが、浴感などはその表記がぴったり合っている温泉である。

 以前、硫黄泉マニアであった自分が、硫黄泉になにか物足りなかったものが、あったことが事実であるが、その事実が理解出来るのが、ここの塩原元湯に答えがあると思う。硫黄成分そのものには、効能があるとのだが、お湯その本質には、主成分のNa、Ca、Mg、Cl、HCO3、SO4が温泉には作用しているのですが、匂い、色(白濁、茶褐色)など解りやすいものが温泉のよさと考える人が多く、その人に説明するには苦労する。ですが、温泉に作用するのものには、入浴時に自分の体に作用するに対してどうなのかと言っているのが、そのこと自体あまり効き目が無い、他人でなく自分になのだが、解ってほしい。温泉に関して迷っている人は是非入浴してほしい、迷いと断ち切る温泉がここにあります。あえて苦言をつけるなら、湯船に対して湯量が少ない、鮮度感が少ないくらいでしょう、やや露天風呂のほうが良かった。
 
源泉名 塩原温泉 高尾の湯 泉温50.6℃ 湧出量72.0l/mim PH6.5
Na=829.3 K=61.2 Ca92.4 Mg=16.1 Mn=0.4 F=0.4 Cl=873.6 HS=19.7 SO4=84.3 HCO3=1039.1 Br=1.9
メタケイ=177.5 メタホウ=123.4 CO2=551.2 H2S=70.5 成分総量 3.941g/Kg
                 文 ガメラちゃん@takayama