4時起床。京浜東北線の始発に乗り、浜松町でモノレールに乗り換えて羽田空港へ。06:30発のJAL101便に乗り、大阪伊丹空港を目指す。飛行機というのは得てして遅れるのであまり好きではないのだが、たまに乗ると新鮮でなかなか良い。しかも、今日はしっかり定刻通りに到着した。幸先の良いスタートである。
大阪空港からモノレール、南茨木から阪急、東向日(向日町)からJR、山科から地下鉄と乗り継ぎ、醍醐へ。駅から歩いて10分ほどで醍醐寺(下醍醐)に到着し、そこから山道を1時間ほど歩いて、西国第11番札所、上醍醐准胝堂(観音堂)へ参拝する…はずが、ここで想定外の事態に遭遇する。平成20年夏にその観音堂が雷で焼失し、現在観音像は下醍醐の金堂に安置され、納経所もそちらに移っているとのこと(正確には上醍醐の准胝堂ではなく、麓の女人堂の観音像を移したらしい)。というわけで、今回は山登りをせずに金堂を参拝した。登山がなくなって楽なのはありがたいが、残念な気持ちも大きい。准胝堂が再建されたら、是非参拝しに行こうと思う。しかし、下醍醐の境内も素晴らしい。周りを山林に囲まれていることもあって、俗世間の喧騒を寄せ付けない雰囲気がある。ひとつひとつのお堂も存在感があり、何よりこの時期は各所で新緑が輝きを放っていた。
仁王門
金堂(本堂)
不動堂
弁天堂
新緑が本当に美しい。
再建を心よりお待ち申し上げております。
本来であれば、ここから登山道に入る。
登山道入口にある女人堂。
醍醐駅へ戻り、山科からJRに乗り換えて石山へ。駅前からバスに乗り、第12番札所、岩間寺を目指す。交通渋滞でバスが30分近く遅れたが、醍醐寺で山登りをしなかった分、まだ余裕がある。最寄りのバス停から岩間寺までは、約3キロの山道を登る(ちなみに、毎月17日はお寺まで直通するバスが運行されるとのこと)。3キロというと大した距離には思えないが、ひたすら山道の上り坂となると、これがなかなか厳しい。額から吹き出す汗をぬぐいながら、約40分掛けて何とか登りきることが出来た。
こんな山道を延々と歩く。
山の上にあるからだろうか、岩間寺の空気は非常に澄んでいる。本堂で般若心経を唱えるのも心地良く、邪念だらけの私の頭の中も少しは綺麗になったかもしれない。また、このお寺では非常に丁寧に参拝されている巡礼者の方と一緒になり、お経の唱え方から境内での細かな振る舞いに至るまで、とても勉強になった。私も含めスタンプラリー感覚の強い巡礼者が増えている昨今、こういう方の存在は貴重である。
入口には仁王像が待ち構えている。
本堂
境内からの麓を眺める。
大樹が祭られている。
山道を下るのは、体力的には楽な反面、足へのダメージは大きい。フラフラになりながらバス停に戻り、今度は第13番札所である石山寺へ。ここはバス停からすぐの場所にあるので楽だ。このお寺で印象に残るのは、何と言っても寺名の由来になってる硅灰石である。多くの参拝者がこの石の前で写真を撮っていた。また、本堂は非常に大きくて存在感があり、境内の自然溢れる景色も素晴らしかった。
「おおつ光ル君」 ギャグみたいな名前だ…。
硅灰石は迫力がある。
本堂の側面。
本堂の舞台から下を眺める。
石山寺駅から京阪線に乗り、浜大津へ。駅前のラーメン屋「天下ご麺」で遅めの昼食をとる。朝に空港でおにぎりをひとつ食べて以来の食事である。注文は、インターネット上の口コミで絶賛されていた「近江鶏塩ラーメン」。あっさりした塩味で、若干何かしらの臭みがあるように感じられたものの、なかなか印象に乗るラーメンだった。
浜大津から三条へ出て、京阪線と地下鉄を乗り継いで大阪難波へ。NGK(なんばグランド花月)のすぐ隣にあるたこやき屋「わなか」で早めの夕食。関西で大人気のたこやき屋ということで、私が行った時にも行列が出来ていた。しかし、大量に焼いているため待ち時間はほとんどない。今回、初めてここのたこやきを食べてみて、人気の理由がよくわかった。余計な味付けをせず、たこやき本来の味で勝負しており、しかもそれがめちゃくちゃ美味しい。中のトロトロ具合が最高だ。これがたこやきの王道であり、大阪の誇る食文化の一翼である。
難波から地下鉄で肥後橋へ出て、今日の宿「アパホテル大阪肥後橋駅前」にチェックイン。入浴と洗濯を済ませてから、テレビでフィギアスケート世界選手権の女子フリーを見る。安藤選手が素晴らしい演技で見事に優勝し、おかげで気分良く眠りにつくことが出来た。