社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

9月28日(火) 次は別府にも寄りたい。

2021年09月30日 23時03分55秒 | 2021年

 7時起床。睡眠時間が短い割にはそれほど眠くない。

 朝風呂に浸かり、最後の温泉を楽しむ。

 8時前にチェックアウト。チェックアウト時にも何だかなと思うことがあった。チェックイン時もそうだが、この宿は顧客に対して真摯に向き合っていないと思う。よく考えてみれば、顧客のことを大切に思っているならあんな部屋の設計にもしないだろう。温泉はすごく良かったけれど。

 朝の金鱗湖を眺めに行く。昨日の第一印象は「思ったより狭い」だったが、なぜだか訪れたくなる場所である。

 昨日お世話になった「湯の岳庵」へ行ってみる。外から見るとこんな感じの建物だったのか。

 観光通りを離れて、川沿いを散策。由布院は水に恵まれている。温泉街だから当たり前なのかもしれないが、至る所に川が流れているし、水が綺麗だ。

 一時期よく娘が歌っていたな。

 由布岳が一望できるという謳い文句のカフェ「湯布院 千家」で朝食。

 2階のカウンター席に座る。

 雲で山頂は見えないが、確かに由布岳が目の前である。というか、ここへ来てようやくどれが由布岳なのかわかった。由布院は山に囲まれているので、よくわかっていなかったのだ。

 注文は、大分産の卵を使っているというフレンチトーストと、空色かぼすクリームソーダ。クリームソーダは完全に見た目重視で選んだのだが、かぼすの風味がしっかりあって美味しい。

 フレンチトーストも美味しい。外はカリっと中はトロっとした感じで、バターの香りに食欲がそそられる。

 ちなみに、このお店では占い(心療鑑定?)もやっていて、ひっきりなしにお客さんが予約をしにいらしていた。後からタクシーの運転手さんに聞いたら、とにかく当たると有名な占い師さんだそうで、近隣だけでなく日本全国から人が集まってくるそうだ。私は目に見えない力を全く信じていないというわけではないが、未来がわかってしまうのはつまらないと思うタイプなので、この手のものにあまり興味がない。ただ、何かに悩んでいる人はもちろん、明確な夢や向上心がある人にとっても、占いが魅力的に感じられるであろうことはわかる。そして、そういう人たちの方がよっぽど真剣に生きているような気もする。

 駅に戻ってから、先ほどのカフェに忘れ物をしたことに気づく。昨日駅で借りた置き傘である。一瞬そのままにしてしまおうかとも思ったのだが、駅前からタクシーで往復して取りに行き、無事に返却する。これですっきりとした気持ちで由布院を発つことができる。

 早めに改札を通らせて頂き、駅構内をうろちょろする。

 由布院10時03分発の特急ゆふ1号に乗り、大分へ向かう。四国から転属してきたキハ185系も無骨で味がある。大分までは45分ほど。

 大分駅の別のホームには青いソニック(883系)が止まっていた。ちょっとガンダムっぽい。

 大分は想像をはるかに超えて大きな街だった。想像の10倍はある。大変失礼いたしました。

 商店街も大きくて立派だ。しかも、ちゃんと賑わっている。

 りゅうきゅう丼発祥のお店だという「二代目 与一」へ伺う。当初、ネットに出ていた場所へ行ったら閉まっており、もしかして閉店しちゃった?と思ったのだが…

 閉店ではなく移転したようである。ただ、この地図では全く場所がわからないので、ネットで検索して向かう。

 途中の公園にC55形蒸気機関車が綺麗に保存されていた。しかも、運転台に入れる。現役時代は日豊本線で旅客列車を引いていたそうだ。すごい迫力である。

 改めて、「二代目 与一」に到着。無事にりゅうきゅう丼を食べることが出来た。ただ、もしこちらを先に食べていたら、もう一度食べたいとは思わなかっただろう。

 腹ごなしに大分の街を散策する。興味を引く建物やお店が所々にあって面白い。ただ、どこかで喫茶店を見つけたら入ろうと思っていたのだが、商店街を中心に30分近く歩いても見つからなかった。厳密にいえば、喫茶店はあるのだが、入ってみたいと思う喫茶店がないのだ。

商店街の一角がやけに広くなっている。イベントスペース的な使い方をするのだろうか。

初めて見るのに懐かしい気がする。昔は家の近くにも帽子屋さんがあった。

開いていたら是非店内を覗いてみたかった。

ふとん屋さんはまだ比較的よく見られる。高級布団だと、やはりこういう専門店で買ったほうがいいのだろうか。

以前お世話になっていた久里浜商店街の理事長のお店と同じ店名。しかも、婦人服屋さんというのも同じである。

こういうお店のサンドイッチが美味しいだろうことは想像に難くない。

メイン通りから1本裏道に入ると、夜に賑わいそうなお店が並んでいる。今は大変な時期かもしれない。

遠くから見てやけに上手な落書きだなと思って近づいたら、きちんとした作品だった。しかも、めちゃくちゃ上手だった。

 ほぼ駅前まで戻り、「カフェ・ド BGM」に入る。

 そうそう、こういう喫茶店に入りたかったのだ。

 珈琲フロートを注文。いつの頃からか、食後にコーヒーを飲みたいと思うようになった。おじさんになったのだ。しかし、そこにアイスクリームをのせてしまうあたり、まだおじさんになり切れてはいない。

 大分駅前からバスに乗り、大分空港へ。ぴったり1時間掛かる。福岡空港がとても近かった分、より遠く感じられる。

 いくつかお土産を買ってから、14時45分発のJAL670便に乗り、羽田へ戻る。

 定刻より15分近く早く到着。売店に寄り、娘へのお土産を買う。一昨日の出発前に目を付けていた。これは喜ぶだろうという自信がある。

 バスで新横浜へ戻り、一旦帰宅して荷解きと洗濯をする。

 娘を喜ばせようという妻からの提案で、一緒に保育園へお迎えに行く。案の定、娘は大興奮である。お土産にも大喜びしてくれ、プロペラを回しながら延々と私たちの間を飛び(走り)回っていた。

 娘と入浴。やけに久しぶりに感じられる。

 夕食は中華丼。美味しいし、何だかほっとする。

 洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。そして、そのまま寝落ちする。


9月27日(月) ゆふいんの森と由布院。

2021年09月30日 08時07分17秒 | 2021年

 7時起床。

 シャワーを浴び、身支度を整える。

 ヨーグルッペ(日向夏味)を飲む。やはり美味しい。家か職場の近くで売っているところはないだろうか。

 8時前にホテルをチェックアウトし、駅ビルの地下に入っている「大福うどん」で朝食。

 一番人気のごぼう天うどんを注文。前々から博多うどんを食べてみたかった。

 期待どおりの柔らかいうどんである。讃岐うどんのようなコシのあるうどんも嫌いではないが、やはりうどんは柔らかいほうが美味しいと思う。確か宮崎で食べたうどんもやわやわだったから、九州はそれがメジャーなのだろうか。

 今日は由布院へ向かう。観光列車である特急ゆふいんの森号の展望席最前列を押さえてある。しかし、ずっとひとつの列車というのも面白みがないので、途中までは別の列車に乗る。

 博多8時36分発の特急ハウステンボス3号に乗る。こちらも、展望席ともいえるグリーン車の最前列を押さえた。

 普通車の車内デザインがとても可愛らしい。

 グリーン車もカラフルだが、座席の重厚感がすごい。座り心地も抜群である。これまでに乗った車両の中でも、居心地の良さは1番かもしれない。

 車内設備に木がふんだんに使われているのも好きだ。良い香りがして、リラックスできる。

 最前列から前方の景色を眺める。

 運転手さん側の座席に座ると、その所作を間近で眺めることが出来る。娘がいたら喜ぶだろう。

 鳥栖駅に到着。昨日はここで降りて佐賀競馬場へ向かったが、今日はそのまま乗り換える。

 鳥栖駅の歴史がこんなに古いとは知らなかった。

 久留米行きの普通列車に乗り換え、終点まで。2駅なのであっという間である。

 久留米に到着し、せっかくなので少し改札の外へ出てみる。

 売店で、久留米に本社がある丸永製菓のあいすまんじゅうを買ってみた。

 中のずんだ餅がカチコチで少し食べづらいが、美味しい。

 阿蘇の天然水を買い、ホームへ戻る。

 久留米10時00分発の特急ゆふいんの森1号は、定刻から数分遅れて到着。今日のメイン列車に胸が高鳴る。

 最後部の車両から乗車し、車内を見学しながら先頭車両へ向かう。号車によって車内の雰囲気が異なるのが面白い。

 ビュッフェコーナーに寄り、柚子蜜スカッシュとかぼすアイスを購入。

 グッズもたくさんあったが、ひとつに絞れなかった(全部欲しかった)のでぐっと我慢する。

 ゆふいんの森号は全車両がハイデッカー仕様なので、車両間の移動は橋を渡るような設計になっている。

 先頭車両の展望席に到着。今回は進行方向右側の最前列を確保した。最高の座席である。

 買ってきたジュースとアイスを頂きながら、景色を眺める。やはり、最前列からの眺めは素晴らしい。

 ゆふいんの森号は観光列車なので、所々で観光案内や景色の紹介があり、見所では徐行運転もしてくれる。また、沿線の方々がたくさん手を振ってくださったのも印象的だった。ただの観光列車ではなく、沿線地域に愛されている列車であることがよくわかる。

 由布院に近づくに連れて、どんどん自然が豊かになっていく。

 見た瞬間に思わず笑ってしまいそうになる伐株山。なんか可愛らしい。

 豊後森駅の近くには、旧豊後森機関庫・転車台が残っている。昭和9年に完成し、全盛期には20台以上の機関車が所属していたそうだ。その後、戦時中に米軍の機銃掃射を受けて3名の死者が出るという悲劇に見舞われたりしつつも、蒸気機関車が廃止される1971年まで久大本線の輸送を支え続けた。現在は、機関庫・転車台のいずれもが近代化産業遺産、国の登録有形文化財になっている。

 終点の由布院に到着。久留米からは1時間半強。本当にあっという間だった。聞きしに勝る素晴らしい列車である。

 ホームから見ると、窓の高さがよくわかる。

 すぐに折り返しの博多行きになる。お疲れ様です。これからも頑張ってください。

 由布院駅を出て、タクシーに乗る。雨が降ったりやんだりしているが、傘を差すほどではない。

 由布院の主要な観光スポットである金鱗湖の近くにある「由布まぶし 心」で昼食。

 まずは前菜。かなり手が込んでいる。

 メインは豊後牛まぶし。土鍋が到着した瞬間に炭火の香ばしい香りが襲ってくる。

 1杯目はそのまま、2杯目は柚子胡椒や山葵などの薬味を添えて、3杯目は出汁を注いで食べる。出汁で食べるのもいいが、普通に食べるのが一番お肉の旨みを感じられるかもしれない。

 金鱗湖を見に行く。思ったよりも小さいが、水も空気も澄んでいて、凛とした気持ちになる場所である。

 湖畔にある天祖神社にお参りをして、色々とお願いする。

 メインの観光通りを歩き、由布院駅まで戻る。観光通りを見れば、その土地の客層がわかる。コロナ前の由布院は、おそらく外国人観光客の比率がとても多かったのではないだろうか。どう考えても日本人が入らないだろう、買わないだろうというお店が結構ある。また、意外と若者向けのお店も多かった。お年寄りばかりが来るところというイメージが少し変わった。

 訪問先の方に迎えに来て頂き、お仕事モードへ。

 終了後、由布院駅近くの喫茶店「PEPPER」で休憩。店内にはジャズがかかっており、雰囲気がとてもいい。

 アイス・ド・クイーン(アイスオレにアイスクリームをのせたもの)を頂く。糖分を補給してお仕事モードから切り替え、ゆっくりと休憩。

 今日の宿まで、20分ほど歩く。距離的にはそれほどでもないが、最後に山道が待っていたのでかなり汗をかいた。

 今日の宿、清孔苑に到着。チェックイン時にうーんと思うことがあったが、まあ仕方ない。

 さっそく温泉に入る。ネット上の口コミ通り、お湯は素晴らしい。とろとろ、いや、とろっとろで、化粧水に浸かっているかのような感覚である。

 再び宿を出て、金鱗湖沿いにある「湯の岳庵」へ。亀の井別荘という、由布院で最も名高い高級旅館の敷地内にある食事処である。36歳になった今でも、こういう場所に入る時はそれなりに緊張する。

 庭の景色がよく見える座席に案内して頂いた。

 まずはシードルを飲む。料理は大分和牛の特上ロースステーキコースを選んだ。私にしては超がつくほどの奮発である。

 1品目は季節の天婦羅。おくら、無花果、栗である。特に無花果が美味しい。

 別注でお願いをした鯉のりゅうきゅう。「りゅうきゅう」というのは大分の郷土料理で、魚の漬けのことである。こちらでは、鯉を柚子胡椒に漬けているそうだ。これが抜群に美味しかった。翌日の昼食をとり天からりゅうきゅう丼に変更しようと決めるくらいインパクトがあった。

 かぼちゃのスープ。

 焼き胡麻豆腐。

 鮎の塩焼き。やはり大分だとかぼすで食べるんですね。

 サラダ。ドレッシングが不思議な味で美味しい。

 おおいた和牛ロースステーキ。柔らかくて脂がのっている。わさび醤油で食べる。

 思っていた以上に充実したコースで、ご飯を食べたらお腹パンパンになった。

 自家製ジンジャエールを飲み、少し休憩。

 せっかくなので庭に出てみる。夜風がとても気持ちいい。

 デザートは自家製プリン。

 分不相応な贅沢をさせて頂いた。ごちそうさまでした。

 夜の金鱗湖を通って宿へ向かう。

 右手にある高い木の奥の光っているところに「湯の岳庵」がある。

 コンビニに寄ってから、歩いて宿へ戻る。夜の山道はかなり怖かった。タクシーに乗れば良かった。

 温泉で汗を流し、部屋でゴロゴロ。コンビニで見つけたヨーグルッペの桃味が、やっぱり美味しい。

 22時半頃になって早めに寝ようと思ったのだが、建物の防音性が皆無で、廊下や隣接する部屋の話声や足音、扉の開閉音が全て聞こえて来て、全く眠れない。昼間から気づいてはいたのだが、いざ眠ろうとすると余計に気になる。どこかに穴が開いてる?と探してしまうほど隣の部屋の会話は丸聞こえ(別に大きな声で話をしているわけではない)だし、何ならフロントで鳴っている電話の音まで聞こえてくる。レオパレスばりの違法建築なんじゃないかと思えるくらいである。私は比較的騒音には無頓着なタイプだと思うのだが、これはさすがに無理だ。

 仕方がないので眠るのは諦め、読書を再開する。すると今度は読み始めた作品が面白く、結局2時近くまで熱中して読んでいた。角田光代、おそるべし。読み終わった頃には当然ながら周囲は静かになっており、むしろこちらが騒音を出さないように注意しなければならない状況になっていた。

 2時過ぎに就寝。今度はぐっすり眠る。