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9月26日(日) 初めての佐賀。

2021年09月29日 18時15分16秒 | 2021年

 6時45分起床。

 今日から2泊3日で九州(佐賀・大分)出張である。

 朝食はオートミール。

 8時過ぎに家を出て、バスで羽田空港へ。

 離陸前、何となく売店でソフトクリームを買ったら、由布院の牛乳を使ったものだった。明日には現地に行くのに、何もここで食べなくても良かったか。美味しかったけれど。

 羽田10時05分発のJAL313便に乗り、福岡へ向かう。

 福岡空港の素晴らしいところは、何といっても市街地との近さである。博多まで地下鉄2駅で行ける。

 宿泊先のホテルに荷物を預けてから、博多駅の駅ビルに入っている水炊き専門店「濱田屋」で昼食。本格的な水炊きはこれが初体験である。

 水炊きセットを注文。お鍋の扱いは全て店員さんがやってくださる。

 まずはスープを飲み、ぶつ切り肉を食べる。スープはこの時点でも鶏肉の出汁がよく出ているように思えるが、ここから先へ進むにつれてどんどん旨みが増していく。具材は全て酢醤油で食べる。この酢醤油も美味しい。

 次は胸肉、レバー、ミンチ。

 レバーがすごく美味しい。ミンチもふわふわで酢醤油とよく合う。

 次は野菜。この頃になるとスープの味もどんどん濃くなってきて、それを吸った野菜たちの美味しいこと。だからお肉の後に野菜なのか。

 〆はおじや。ちゃんぽんも選べるが、やはり最後はご飯を食べたくなった。期待通り、お米たちがスープの旨みを全て吸収してくれている。いやはや、参った。水炊きってすごい。

 博多13時55分発の特急かめも23号に乗り、鳥栖へ。九州に来たら、どうしてもこの787系に乗りたかった。黒光りする車体がとにかくカッコいい。

 奮発してグリーン車に乗る。JR九州の特急のグリーン車は1+2列が基本なので、居住性がすこぶる良い。鳥栖までの30分があっという間に感じられた。

 鳥栖駅に到着。可愛い駅舎だ。

 駅前からバスに乗り、佐賀競馬場へ。

 最寄駅からバスで20分、そのバスも1時間に1本しかないので、主なアクセス手段は車なのだろう。とんでもなく広い駐車場がそれを物語っている。

 まずは要件を済ませる。

 競馬新聞を買い、ここからは旅打ちモードである。

 思っていたよりも広い。そして、やはり見やすい。コースが目の前にあるというのは地方競馬の魅力のひとつである。

 年季の入ったスタンドも風情があっていい。

 レースが始まる。いつの間にかスタンドに人が増えている。

 馬たちの足音が地響きのように聞こえてくる。久しぶりに生で競馬を観たが、やはりこの臨場感はたまらない。

 佐賀競馬の名物のひとつ、何でも焼くお店へ行ってみる。注文したものは何でも店頭の七輪で焼いてくれる。

 私は餅(大福)を買ったのだが、ちょうど焼きたてのものが陳列されており、目の前で焼く様子を眺めることは出来なかった。ただ、味はびっくりするくらい美味しい。焼かれて香ばしさを備えたお餅と餡子の甘さが絶妙だ。この後、我慢できずにもう1個おかわりをした。

 パドックを見て、第2レースを買ってみる。

 良いなと思った2頭から、それぞれ人気の3頭に流してみた。6番が4着まで来たが、外れ。3着以内に入ったら凄いことになっていたのに、惜しい。

 前々から、佐賀競馬場に来たら飛田愛斗騎手を生で見たいと思っていた。昨年の10月にデビューしてから1年も経っていないのに、既に100勝を軽く超えている天才である。アンカツさんのように、いずれは中央へ殴り込みをかけてくるに違いない。

 パドックで馬を見て、新聞とにらめっこをしながら予想を組み立て、投票所で馬券を買い、コースに出てレースを見る。30分間隔で行うこのルーティーンが本当に久しぶりで、とても楽しい。

 一応、座席はソーシャルディスタンスを守るように座る場所が決まっている。

 第3レースは先日亡くなったケイムホームの産駒を中心に買ったが、結果はビリだった。昇級初戦だし、まあそういう日もある。

 飲食店が立ち並ぶ区画へ行ってみる。多くの店舗は休業している。それがコロナのせいなのか、それよりずっと前からなのかはわからない。

 佐賀競馬場で最も有名なお店「龍ラーメン」で、名物のとんこつラーメンを食べる。

 400円という安さながら、本格的なとんこつラーメンである。スープが美味しい。そりゃ人気なわけだ。

 第4レースが的中したので、ここで切り上げることにする。

 バスに乗って鳥栖駅へ戻り、お隣の新鳥栖駅を見に行くことにする。

 CTというロゴを見て一瞬何のこと?と思う。こんな大々的に都市近郊型車両であることをアピールしなくてもいいのでは…。

 座席に皮が使われている。見た目はカッコいいが、臭いが気になる。

 新鳥栖駅は、2011年の九州新幹線開業と共に登場した新しい駅である。予想通り、駅前には何もない。しかし、私の住む新横浜だって、東海道新幹線開業当時は周りには田んぼしかなかったのだ。30年後にどうなっているかはまだわからない。

 新鳥栖18時08分発の特急みどり24号に乗り、博多へ戻る。783系の無骨な顔もカッコいい。

 座席もカーテンもヒョウ柄になっている。JR九州の車両はこういうところがいちいちお洒落で飽きさせない。

 博多駅に到着後、お土産用の明太子を買い、宅急便で自宅へ郵送する。

 駅ナカのスーパーに寄り、夕食用のお刺身などを買ってからホテルへ戻る。

 今日の宿「エスペリアホテル博多」にチェックイン。安いのにとても綺麗なホテルで、バストイレ別なのもありがたい。

 お風呂で汗を流してから、部屋で夕食。スーパーで買ってきたしめさばやなまこのお刺身、ミンチ天などを食べる。どれも地産または地元業者さんが製造している商品で、美味しい。緊急事態宣言の影響で飲食店がほとんどやっていないからそうしたのだが、スーパーで地場産の食材を買って食べるのもいいものだ。

 蛙亭のイワクラさん(お笑い芸人/宮崎県出身)がYouTubeで紹介していた宮崎の乳酸菌飲料「ヨーグルッペ」が驚くほど美味しかった。酸味と甘みのある、他の乳酸菌飲料とも違ってうまく説明できない味なのだが、とにかく美味しい。危うく明日の朝用の日向夏味に手を出してしまうところだった。

 YouTubeを観ながらだらだらと食事をする。同じ1人飯でも、お店よりホテルの部屋のほうがリラックスできる。

 デザートは大分県産のシャインマスカット。これ以上の〆はない。

 ベッドに横になり、本を読む。前から読んでいた『往復書簡 限界から始まる』(上野千鶴子・鈴木涼美)を読み終えたのだが、これは間違いなく将来娘に読んで欲しい1冊だと感じた。どう考えても女性が生きづらいこの国で、しかも益々生きづらくなりそうな予感のするこの国で、どうやって生きていくのかということを深く考えさせられた。

 現時点において、私は選択的夫婦別姓すら実現できないこの国で、この先ジェンダー平等が推し進められるとは考えていない。だから、娘には望めばいつでもこの国を捨てられるような力を身につけて欲しいと思うし、そのために私の持ちうる資源は全て投入しようと考えている。でももし、本人がそれを望まなかったら?頭の中がミソジニーで溢れたおじさんや、高市早苗のようなおじさん化したおばさんが支配するこの国で生き続けるという決断をしたら、どうなるだろう。上野千鶴子のように相手を真正面からぶん殴り続けていくのか、以前の鈴木涼美のように分かり合うことを早々に諦めて、相手を逆手にとって利用しようとするのか。それとも…。

 今回、彼女たちのやりとりを読みながら、そんなことを延々と考えていた。今ですらもうこんな感じなんだから、将来は娘にうざがられるおせっかいな父親になってしまいそうだ。

 日付が変わる頃に就寝。